こんにちは、労務事業部です。
これから4回にわたり『年金・定年』をテーマに
お話しさせていただきます。
第1回として、『年金と賃金との関係』について書きたいと思います。
高年齢者雇用安定法の改正により、
平成18年4月1日より
①定年の引上げ②継続雇用制度の導入③定年制の廃止
のいずれかの採用が企業に義務化されました。
そのなかで一番多く採用されているのが、
②継続雇用制度の導入です。
継続雇用制度を導入する場合、
人件費の負担が一番の問題になってきます。
『結局、会社と従業員にとって一番良い賃金額はいくらなの?』
と良く聞かれます。
これが残念なことに、そう簡単にお答えできる質問ではないのです。
その理由は、在職老齢年金と高年齢雇用継続給付との関係なのです。
在職老齢年金とは、年金を受給できる人が
厚生年金保険に加入しなければならないほど仕事をしている場合に
年金額の全部または一部が停止される年金のことをいいます。
また、高年齢雇用継続給付とは、60歳到達時賃金より、
75%未満に低下した賃金で60歳以降も継続して働いている人に対し、
職業安定所に申請することで最大15%の給付金を支給し、
雇用の継続を図ろうとするものです。
『在職老齢年金の停止額』も『高年齢雇用継続給付』も
非常に複雑な計算式で求められます。
(ここでは、それぞれの複雑な計算式は割愛させていただきます。)
要は、
『下がった賃金』+『在職老齢年金額』+『高年齢雇用継続給付』で
計算した総手取り額が最大になるようにすれば良いわけです。
しかし、従業員それぞれによって、年金の加入期間が違いますし、
貰ってきた賃金も違いますので、年金額が違います。
また、通勤手当も社会保険上は、賃金となり
在職老齢年金の停止額の一つの要素になります。
このようなことから、
対象者の総手取額だけにポイントを置きすぎると、
仕事のできる人の方が名目賃金が少なくなるという
不公平な現象がおきたりもします。
それは、
在職老齢年金と高年齢雇用継続給付との関連性が
あまりに強いために起こる現象なのです。
つまり、これよりも賃金を高くすると、
在職老齢年金と高年齢雇用継続給付金を併せた総手取額が
かえって減少してしまう部分が存在するからなのです。
では、どうすれば良いのでしょう?
対象者が少ない場合は、
その時その時の個別的な賃金決定でも問題はないかもしれません。
しかし、対象者が複数の場合は、
他の対象者とのバランスを考慮する必要があると思います。
複数の条件の異なる対象者間のバランスをどう調整するか?
非常に難しい問題です。
個別対応では複数の対象者の賃金のバランスを
調整しきれないでしょう。
対象者の条件にバラツキがあるほど
高齢者の賃金決定ルールの構築が必要といえます。
賃金決定ルールをつくって下さい。
その上でポイントとなるのは、
①定年前の処遇格差を再雇用後にも反映させるかどうか?
②モチベーションをどう維持するか?
だと思います。
③さらに、財務的な経営計画に賃金設計シュミレーションを反映させ、
その結果を考慮させた高齢者の賃金決定ルールの作成ができれば
最高だと思います。
結局、高齢者の最適な賃金とは、
対象者が複数いる場合は、明確な答えは出せないと言えます
難しい制約に対応して、
矛盾を最小限に抑えた賃金決定ルールを
いかに構築していくか!なのでしょう。




コメントする