2009年2月アーカイブ
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第八話~
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子です。
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二話~
からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。
引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。
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『では、先程お話した小口現金ですが・・・
ここにはまず、5~10万円程度のお金を
支払専用として用意しておきます。』
5~10万円・・・と・・。
忘れないように、とメモをとる。
『そして、忘れてはいけないこと。
それは、何か出費があった時は必ず領収書を貰うということです。』
・・・そういえば・・・今まであんまりきっちり貰ってなかったかも。
コンビニとかではうっかり貰い忘れとかしていたかもしれない。
『もし無かったら・・・後で大変なのは誰か・・・分かりますよね?』
「・・・はい・・・。私デス。」
嫌ってほど知っています、はい。
『ははっ。ではその領収書ですが、
電車賃など、場合によっては貰えないこともあるでしょう。
そんな時は出金伝票を作りその内容を書いて頂ければと思います。』
「ああ、たしかにそうですよね。ええと・・出金伝票・・・・・。」
『出金伝票には、「日付・金額・相手先・内容・出金者」を記入してください。』
今は小町さんだけなので出金者は無くても構いませんけどね・・と
私の疑問を察したのか、海苔巻さんが尋ねる前に書き方を教えてくれた。
「・・分かりました。では、その伝票や領収書を元にして
後で帳面をつければいいってことですね。」
『はい、そうです。ですので、貰った領収書は
必ず金庫へと入れておいてくださいね。』
それが全ての元となるのなら気をつけなければ・・・・。
メモを取りつつ頷いたのだった。
第9話続く。
年金と税金
労務事業部です。
確定申告シーズン真っ直中、
今回は、年金と税金についてお話したいと思います。
「えっ、年金はもらっているけど
それに対する税金を払った覚えはないけど?」と思われた方。
知っておいて損は無いと思います。
税金を払うか否かは一定の基準があるんです。
まず、年金にかかる税金というのは、所得税の源泉徴収を指します。
老齢基礎年金・老齢厚生年金等は、所得税法の雑所得に該当し、
所得税課税対象になります。
(ちなみに遺族年金等の非課税対象となる年金もあります。)
源泉徴収の対象となるのは、年金受給者全員ではなく、
その年中の年金支払額(年額)が108万円(65歳以上は158万円)
以上の人です。
所得税には各種の控除がありますので、
社会保険庁に「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」を提出すると、
下記の表の各種控除をうけられることになり、
年金額が下表の非課税限度額以下の人は源泉徴収されません。
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私は年金収入だけで確定申告をする必要がないと思っている方も、 上記の源泉徴収の際に控除を受けることができずに 源泉徴収税額が納めすぎとなる場合には、 確定申告を行うことで還付をうけることができます。
以上のことふまえて自身が確定申告をすべきかどうか 一度確認してみてはいかがでしょうか。 | |||||||||||||||||||||||||
訴訟社会と税務
訴訟社会になったとよく言われています。
争いごとを、話し合いで決めるのではなく、裁判で決めようとする
動きですが、当事者間の解決方法としての直接的な効果だけではなく、
判決なり、その結果が、間接的に税務にも及ぼす影響が大きくなって
くると感じた事件がありましたので、少し紹介します。
先日、日経新聞社の株式譲渡に関する最高裁の判決が下されました。
日経新聞社の元社員が譲渡した日経新聞社の株式譲渡に対する制限
の有効性を認める内容となっています。
以下、新聞報道の概略です。
日刊新聞を発行する新聞社では、日刊新聞法という法律に従って、
株主資格を事業に関係ある者に限定することがみとめられています。
この法律を適用している新聞社は多いと思われます。
しかるところ、日経新聞社では株式の売買を管理するため、社員等
で構成する団体である「共栄会」を設立して、株式売買の金額や、
方法などを規則化し、社員株主制度を機能させてきました。
今回、訴訟になったのは、元社員が、共栄会の規則に反して、決め
られた譲渡価額100円/株ではなく、1000円/株で他の元社員
に譲渡したことについて、会社がこの譲渡を認めなかったことから、
元社員が提訴したものでした。
結果、この譲渡を無効とする日経新聞社が勝訴しました。
以下の4点について検討した結果となっています。
①制度の趣旨や目的に合理性があるか
②株主に一方的に不利にならないか
③自由意志による合意だったか
④投下資本の回収が不当に妨げられていないか
注目したいのは、この株式の相続税評価額はいくらになるのか、
という点です。通常の評価方法を適用すれば、日経新聞社ほどの会社で
あれば、おそらく、100円/株であるとは考えられません。
しかしながら、流通する金額は100円/株に制限されることになり、
相続税評価額についても100円/株としなければ、担税力から
考えても不合理に思います。
当然、判決の中には相続税評価については一切ふれていませんが、
非上場株式の相続税評価額は大変高額になる場合が多く、
事業継承の大きな障害になることが多くあります。
一般の会社でも、今回の「共栄会」のような社員持株会を
設立している会社があります。私のお客様にはありませんが、
中には、節税だけを目的としたとしか思えないような
社員持株会もあるように聞いています。
そこで、社員持株会で定めた種々の規則について、
改めて今回の判決(上記4点の条件)と照らし合わせて、
制度上の不備がないか、確認しておく必要がでてきました。
うっかりすると、節税を否認されたり、株主構成や持株比率が
変わってしまい、会社の運営にも支障がでる場合も予測できます。
昨今では、税務に関する訴訟も多く、私自身、補佐人として
弁護士さんと一緒に裁判に参加することもあります。
通常税務の現場で一般的に検討されるのは、税金に関する訴訟記録
や裁決例となるのですが、改めて、税務以外の訴訟記録も確認してお
くことの重要性を認識させられました。
税法には、曖昧な規定も多く、実務上の判断に迷うことも多くあります。
今後も、いくつかある判例や裁決例などを駆使して、適確な税務判断を
提供できるよう、専門家として頑張っていきたいと思います。
ご支援よろしくお願い致します。
税理士法人久保田会計事務所 税理士 久保田博之
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第七話~
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子です。
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二話~
からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。
引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。
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『たいていの場合、現金というものは盗難にあったり、
火災にあったりといったリスクが考えられますので、
普段から手元にはできるだけ置かず銀行に預けておくものなんです。』
・・・・そうなんだ。いつでも手元に、とか、ある程度貯まったら、とか
そういうものじゃないんだ・・。
『とはいえ、やはりちょっとしたお客様がお見えになった場合に
必要な茶菓子代や仕入に必要な交通費など
細々した支払があることが考えられますよね。』
たしかに。
大金は必要ないけれど、少額の支払いはちょこちょことあるだろう。
そう思い、小さく頷く。
『けれど、その都度金庫を開けてから現金を出すのでは面倒ですし、
いちいち出金の処理をしなくてはならないなど、事務上手間がかかります。』
・・・・・いまいちピンとこない。
「・・・あの、金庫を開けて現金を出すのが
どうして手間がかかる、になるんですか?」
別に普通のことの様に思える。
それに別に出金の処理なんて後で
時間のある時にすれば良いだけだと思うのだけれど・・。
『ああ、そうか・・そう思いますよね。すみません、説明不足でしたね。』
海苔巻さんが苦笑する。
・・・・うう、経理に関してド素人で申し訳ナイデス・・・。
『ええとですね、「現金」というものは管理を厳しくする必要があるんですよ。
ですので、帳簿残高と実際の残高の照合は毎日すべきで、
その為には出金があった場合の会計処理も
速やかに行う必要がある、ということなんです。』
まぁ、あくまで理想、という感じなんですけれどね、と海苔巻さんが笑う。
「・・・はぁ、そうなんですか・・。初めて知りました。」
それは確かに面倒そうだ。
小規模の店(1人)でしている私がそう思うのなら、
従業員がいるようなお店だったらもっと大変に感じるだろう。
『そう言う意味で、「手間がかかる」ので・・それならば、
と週末、もしくは月末などにまとめて処理することが出来るように
設けられたものが「小口現金」だと思って頂ければ良いと思います。』
「・・・なるほど・・・。それにすれば『現金』のように
いちいち気にしなくていいってわけですね。」
『・・・そういうわけでも・・いえ、はい・・
まぁそんな感じだと思って頂ければ・・。』
海苔巻さんは私の言葉に苦笑気味だ。
・・・・なんか変なことを言っただろうか・・???
『それでは、小口現金についてなんとなくイメージを持ってもらえた所で、
その処理の仕方をお話しましょう。』
そういえば、その都度じゃなくていいっていうのなら
帳面とかはどうやって書けばいいのだろうか。
私はひとつ頷くと、続く説明に耳を傾けたのだった。
第8話へ続く。
『2つの歯止め』がある高年齢雇用継続給付金!
労務事業部です。
今回は高年齢雇用継続給付金について書きたいと思います。
以前もブログでお話させて頂いておりますが
高齢者の最適な賃金設計を考える場合、
高年齢雇用継続給付金のことを考えなければいけません。
高年齢者の最適な賃金設計を考える場合、
『下がった賃金』+『在職老齢年金額』+『高年齢雇用継続給付金』で
計算した総手取額が最大になるようにすれば良いと言うことでした。
しかし、従業員に対してそれぞれ個別の対応をしてしまうと、
色々な条件の違いから矛盾が生じたりしますので、
高齢者の継続雇用については『高齢者の賃金決定ルール』
をつくって下さい!
とお話しさせていただいておりました。
しかし、実際は、どの様な基準で考えたら良いのか?
が知りたいところだと思います。
今回は、その1つの要素である『高年齢雇用継続給付金』
の特徴についてお話しします。
この制度は、60歳以降の各月の賃金に対して『最大で15%』
給付してくれる制度です。
60歳以降の各月に支払われる賃金が、
60歳時点の賃金月額を基準として75%未満である場合に、
低下率に応じて60歳以降の各月に支払われる賃金に対して
1%~15%の給付金を支払おうとするものです(ザックリした表現です)。
ですので、最大の15%の給付をさせたいところですが、
そのためには、60歳到達時の賃金を基準として考えた場合
低下率を61%以下にしなければなりません。
しかし、単純に61%にすれば良いわけでは無いのです。
この制度には『2つの歯止め』が存在します。
第1に『60歳到達時の賃金月額』については上限が設けられています。
現時点では、449,400円です。
第2に『各月の賃金額(交通費を含む概念です。)』
が337,343円を超える場合は、給付金は、支給されません。
具体的に言うと、
60歳以前の賃金額が600,000円だった人は、
600,000円×61%=366,000円(60歳以降の各月の賃金としたとすると)
366,000円×15%=54,900円の高年齢雇用継続給付金とはならないのです。
366,000円÷600,000円=61%ではなく、
366,000円÷449,400円(第1の歯止め)=81.44・・・%で
60歳時点の賃金月額の75%未満と言う要件からはずれてしまいます。
さらに、
366,000円>337,343円(第2の歯止め)となり、
要件からはずれています。
この2つの歯止めを意識しながら、
15%の高年齢雇用継続給付金をもらうためには、
449,400円×61%=274,134円
274,134円<337,343円(要件該当)
と言うことで、
交通費込みの賃金月額として、
274,134円以下の賃金で
高年齢者の賃金設計を考えるべきなのでしょう。



