2009年3月アーカイブ

「Changeと経営計画」№3

PDC支援事業部です。

前回は、

激変し続ける社会環境の個人の対処方法について考えてきました。

今回は、

組織・企業のそれに対する対処方法について考えてみたいと思います。

 

企業の場合も基本的には一緒です。

結論から申しますと、

「P-D-C」の経営サイクルをしっかり確立することだと思います。

それに加えて組織・企業に求められるのは、

トップ又は幹部の強い"リーダーシップ"です。

 

業績が順調なときは、「マネジメント」をしっかりしていれば良いのですが、

激変し続ける社会環境に於いては、その場その場の判断が求められ、

強いリーダーシップが必要となってくるのです。

そして、そのトップや幹部は高い価値観に裏付けされた

人格者でなければなりません。

このことは次回で詳しく触れることにして、

前回の内容を企業版でまとめてみましょう。

 

1.現状を知る

    財務分析・風土分析で、会社の現状を正しく把握してください。

    専門家や第三者に依頼するのも良いでしょう。

    そして、その現状から逃げずに受け入れてください。

2.目的を明確にする

    「目的」のない組織は基本的には存在しないと思います。

    起業の時の思いや、先代から引き継いだ思いであったり、

    今考えていることでもかまいません。

    先ずトップが明確な目的を持つことです。

    そしてそれが組織全体に浸透しているか?

    激変し続ける社会環境に耐えうる普遍性を持ち続けるか?

   をしっかり検証して下さい。

3.経営計画を立て実行する

    やるべきことが決まれば、その目的達成のための計画を立て

    実行あるのみです。激変し続ける社会環境において、

    行き当たりばったりでは太刀打ち出来ません。

    前項の1.2.を踏まえた行動計画に裏付けされた

    数値計画を立てることが肝要です。

4.実行したことを検証する

     P-D-Cは、「仮説」-「実践」-「検証」とも言われていますが、

    「検証」するこ   とで、必ず新しい「仮説」が生まれるはずです。

 

経営者の中には、「経営計画を立てると売上が上がるのか?」

「経営計画を立てると利益が出るのか?」

「経営計画立てる暇があったら一件でも営業に回った方が良い。」

等々を仰る方がいますが、確かに経営計画を立てただけでは

売上も上がらないし、利益も出ません。

 

しかし、この激変し続ける社会環境下だからこそ、

良く考えることが必要になってくるのです。

人間の脳は、良く考えたことを蓄積する能力を持っているそうです。

そして何かの判断に迷ったとき、その蓄積された脳の引出から

無意識に飛び出してくるそうです。

これがいわゆる「天の声」とか「神の声」と言われているものかも知れません。

 

大量生産・大量消費に慣れ親しんだ我々マニュアル人間にとって、

良く考える時間と場所を持つことは大事なことであり、

経営計画は、企業が自身の過去・今・未来を良く考える

時間と場所ではないでしょうか。

そしてしっかりとした経営計画を立て実践していくことが、

激変し続ける社会環境生き抜く近道だと思います。

 

会社と社員の一体感

松徳ガラスという会社をご存じでしょうか。

「うすはりガラス」と言えばピンとくるかもしれませんね。

極薄のガラスでできたグラスなどの

ガラス製品を製造されている会社です。

 

このグラスで飲むビールは本当に最高です。

持った瞬間空気のような軽さにまず驚き、

その後注がれたビールの味がなんとも美味しいグラスです。

 

今日の話は、お酒の話ではありません。

 

先日、この松徳ガラスさんがテレビで紹介されていました。

今回の不況を長年かかって養われた

匠の技で乗り切る老舗会社の紹介番組です。

 

一度、ホームページ(http://www.stglass.co.jp/index.html

をご覧頂ければ、いかに、すごい職人の技により製造されているか、

判っていただけると思います。

 

この美術品ともいえるグラスの売れ行きがすごいらしいです。

番組では、ここまでになられるまでの苦労話などが

紹介されていたのですが、その一つに、感動の一話がありました。

 

この会社でもかつて、売れ行き不振に喘いだ時期があったそうです。

経営者のかたは、廃業も視野に入れざるを得ない状況で

悩まれていたようです。

その時、熟練の技を持つ職人の方たちから、

「給料はなしでも、このうすはりガラスの製造を続けたい!」

との申し出があり、無事、危機を乗り越え、

今日に至ったと、話されていました。

 

どうですか。すごい話だと思いませんか。私は本当に感動しました。

この不況を乗り越える知恵は、ここにあるように思います。

 

このように書くと、単純に、賃金カットを勧めているように

誤解されると困るのですが、経営者をはじめ、そこに働く人が、

給料がなくても働きたいと思える会社になることが、

まず一番大事なことだと感じました。

 

ほとんどの会社が、全員無給で働けば(実際には最低賃金が

法律で決まってはいます)利益はでるはずで、事業の継続も可能です。

 

大手企業では、春闘と言われる労使交渉がきっちり行われ、

経営者と社員が、会社と社員が少ないパイの取り合いを

しているように見えます。

 

一方、中小企業の場合は、経営者の顔も見えやすく、

会社と社員と経営者が一体感を持ちやすいのではないでしょうか。

一体感を持ってこの不況に立ち向かい、そして生き残れば、

きっと明るい将来が約束されていると思います。

 

そして、そのために重要なのは、会社の経営理念であり、

経営者の考え方だと思います。

だれもが無給でも働きたいと思える会社になるために。

 

言うは簡単、ですが、私も、そこを目指して頑張りたいと思います。

 

では、また次回に!

 

税理士法人久保田会計事務所  税理士 久保田博之 

 

おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第十話~

おにぎり屋たんと【経理編/本編】もついに第10話!!

 

経理とはなんぞや?という疑問に答えるべく、

税理士と経営者(経理を兼任)の会話形式になっているので気軽に

読んでいただけると思います。

 

 

おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第一話~では、

おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。

徐々に事務仕事にも慣れた様子です。

 

おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二話~

からはすこし時間を巻き戻して、

会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。

 

引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。

 

*******************

 

『では、売上金の金庫ですが、

ここには「毎朝」釣り銭を常に同額入れておいてください。

そうですね、金種を選んで・・・

5万円程度用意をしてもらえれば充分でしょう。』

 

こちらも小口同様に定額を入れておくようだ。

・・・ただし、毎朝。

こまめにチェックしないといけないな、と

朝の店の準備の工程を思い浮かべる。

 

『次に売上の入金現金ですが、これは毎日その日ごとに

封筒等に入れて銀行に入金してしまってください。

ここでの注意としては・・絶対に「支払い」に使わないことです。』

 

「・・・せっかく現金の支払用に小口を作ったのに意味が無いですもんね。」

 

『そうそう。急いている時や慌てている時に使ってしまいたくなる

気持ちは分かりますが、後々処理に困るのは自分ですからね。』

 

「・・・う・・はい。」

 

『はは、でもまぁそれだけが理由でもないんですよ?』

 

「え、そうなんですか?」

 

『はい。処理が煩雑になり残高の把握が出来なくなるから、

というのは一番の理由ではありますが、他にも・・・

・従業員を雇い入れた時に、ある程度安心して任せることが出来る。

・きっちりしている印象を与え、不正に対する牽制となる。

・・・・といったメリットもあるんですよ。』

 

なるほど・・・今すぐには関係の無い話だけれど・・。

今後の事を考えるなら必要なことだと思う。

いつまでも1人で細々と・・・という悲しい未来は迎えたくないものだ・・。

 

「あ、でも2つ目のはなんか分かります!あれですよね。ゴミのポイ捨て!!」

 

『・・・はい?ゴミ、ですか??』

 

突然の話題に海苔巻さんが不思議そうに首を傾げた。

 

「はい、ほらよく聞きませんか?ゴミのポイ捨てとかが多い町で

住民がゴミを拾って道を綺麗にしたらゴミを捨てる人が減ったとか、

居なくなったとか・・。あれと一緒でしょ?」

 

綺麗なところにゴミを捨てるのは気が引けるっていう人の

心理を上手くついた作戦だったとかなんとか・・。

TVニュースの中でどこかの教授が感心した顔で言っていた気がする。

もっとも・・・。

この場合は気が引ける、というより

ボロが出やすいから手を出さないってことだろうけど。

 

『ああ、そういう・・。そうですね、まぁその様なものです。』

 

ようやく合点がいった、という表情で海苔巻さんが頷く。

話が一段落したところで、断りを入れ、教えてもらったことを書かせてもらうことにした。


第11話へ続く。

「Changeと経営計画」№2

PDC支援事業部です。

前回は、社会環境が激変し続けていることについて触れました。

では、我々はこの激変し続ける社会環境に

どう対処していけばよいのでしょうか?

 

先ず第一に「現実」あるいは「今」をしっかり見据えることです。

人は放っておくと楽な方に行く性質があるようですが、

自分がおかれている状況をしっかり理解することは、

何をするにおいても最も大事なことだと思います。

「そんな暇はない。」とか「現実をみたら逆に暗くなって何も出来ない。」

とか仰る方がいますが、それは正しく現実逃避に他なりません。

先ずは現状を正確に受け入れることです。

 

次に、自分の存在と何をすべきかを決めることです。

自分はどこから来たのか? 何故存在しているのか?

時には「自分の生きるを問う」ことも必要だと思います。

また、自分のルーツを探るのも一考でしょう。

この世に存在しているもので不必要なものはないと思います。

ただそれを自覚しているか、否か、で大きく違います。

自分の存在を自覚し、

「何をなすべきか? 何をしたいのか?」

を明確に決めることです。

即ち、「自分の軸を持つ」ことが大事だと思います。

 

そして、すべきことが決まれば実行に移すことです。

過去の歴史を紐解いてみても、

名を残した英雄達の実行力には目をみはるものがあります。

昨年のNHKの大河ドラマ「篤姫」は記憶に新しいと思いますが、

明治維新の英雄達(勝海舟、西郷隆盛、坂本龍馬、大久保利通等々)の

行動力が時代を変えたことは間違いのない事実でしょう。

余談になりますが、「篤姫」の視聴率は

過去の大河ドラマの中で最高の視聴率(平均26%)だったそうです。

これは激動する現在とダブっているところがあり、

「何とかしなければ・・・」と考えてる人がいることの表れではないでしょうか。

 

最後に実行したことの検証をすることです。

「反省」といえば何かあまり良いイメージしかありませんが、

それは「反省」=「後悔」ということが浮かんでくるからではないでしょうか。

本来「反省」とは自らを省みることです。

ここでいう「検証」とは、自分の行動が信じた信念に照らして

間違っていないかどうかを確認することです。

 

やはり、人生に於いてもPDCサイクルをしっかり確立することが、

激変し続ける社会環境に対応する方法だと思います。

次回は企業の対処方法を考えます。

 

おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第九話~

おにぎり屋たんと【経理編/本編】も今回で9話目に突入です。

これから経理を始める方、経理を始めたばかりの方はもちろんのこと、

いまさら聞けないベテランさんにも役立つこと間違いなし

の内容になっています。是非御覧頂ければと思います。

 

おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第一話~では、

おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。

徐々に事務仕事にも慣れた様子です。

 

おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二話~

からはすこし時間を巻き戻して、

会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。 

  

引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。

 

*******************

 

『・・・ふむ。そうですねぇ・・。

では、よくある小口の処理の例として一つお話しましょうか。』

 

「・・あ、はい。お願いします。」

 

なんとなくおぼろげにしかやり方が想像できなかったので

この申し出は有り難い。

 

『現金を持ってお買い物へ行く場合・・

そう例えば、一万円を持ってスーパーへ行ったとしましょうか。』

 

スーパーへ・・・。

日常でよくあることなので想像はしやすい。

 

『これを後日、まぁ週末にでも領収書とおつりを

金庫に戻したとして考えてみましょう。』

 

レシートがある程度溜まらないと

お財布の整理をしない私がよくやりそうなことだ。

 

『この場合、まず最初の出金した時にはまだ領収書は無いわけですから、

とりあえず出金伝票に1万円と記入します。

そして後日、その時の領収書とおつりを戻した時には・・

まず、おつりと領収金額の合計が一万円になるかどうかを確認してください。

OKだったらその内容を帳簿へ記載します。』

 

ここまでは宜しいですか?

そう聞かれ、一つ疑問に思った事があったので質問する。

 

「あの、処理の仕方は分かったんですが・・

日付ってどうしたらいいんですか?

レシートの日付で書けばいいんですかね?」

 

日付なんて別に重要じゃないだろうし、

そう拘らなくてもいいような気はするが・・・。

 

『ああ、良いところに気づかれましたね。日付は必ず買った日ではなく、

処理をした日で書いてください。』

 

・・褒められてしまった・・。

思っていたより大切なことだったらしい。

 

『処理までに時間が経ったものを遡って領収書の日付で載せてしまうと、

場合によっては現金残高がマイナスになってしまったりするんです。

・・・現金にマイナスはおかしいでしょう?』

 

・・・たしかに。無いモノを使うのはおかしい。

 

「・・・わかりました。出金伝票はマメに、

日付は処理日で書くようにします。」

 

メモに書き足して、○で囲んで強調しておいた。

 

『そうしてください。・・・ああ、そうでした。使った現金の補充ですが・・・

必ず最初に決めた金額になるように入れてくださいね。』

 

「ええと、例えば10万円って決めたら・・・

そこから使った分だけを月末にでも足せばいいってことですか?」

 

『はい、そうです。最終の残高と領収書の合計が

併せて10万円になることを確認できたら

領収書の金額だけを金庫へ補充してください。

これだけで、出金の管理は随分わかりやすくなると思いますよ。』

 

入出金を一緒にする今までのやり方よりは、

「こっちは出金だけ!」となっている分、確かに把握しやすいかも・・・。

 

『・・・大丈夫なようですね。では、ちょっと順番が逆になってしまいましたが・・

次は入金。つまり売上金の扱い方について説明していきましょう。』

 

あ。そうか。

 

「私が小口でひっかかったからですよね、すみません・・」

 

少し申し訳なく思う。

 

『あ、いえいえ。そんなつもりでは無かったのですが・・・』

 

苦笑した海苔巻さんが、まいったなぁと頭をかいた。

 

『分からないことがあればその都度仰って頂いて結構ですよ。

後で聞くとなると分からなくなってしまうでしょう?

私といたしましても、すぐに聞いて頂く方が説明しやすくて助かりますしね。』

 

だから大丈夫ですよ、と海苔巻さんが安心させるように笑って言った。

 

「・・・はい、わかりました。・・・じゃあ、遠慮無く。」

 

相談初めに海苔巻さんが言ったのと同じ台詞を言えば。

どうぞお手柔らかに、と返事が返ってきた。

 

・・・・税理士さんってなんとなく怖くてお堅いイメージがあったのだけれど。

どうやら私の思いこみだったようだ。

 

そう思いながら私は次の説明を聞くべく、姿勢を正したのだった。

 

第10話へ続く。