2009年6月アーカイブ

社会保険の資格喪失日と注意点

昨今の不景気に伴い退職者が出るケースが増えていると思います。

 

その場合必要になってくる手続きとして、

「社会保険」「雇用保険」「住民税」の3種類があります。

 

その中でも今回は

「社会保険」の資格喪失日と注意点について書きたいと思います。

 

●社会保険の被保険者資格の喪失理由は4つ

・退職した場合→退職日の翌日

・死亡した場合→死亡した日の翌日

・70歳に達した場合(厚生年金保険のみ)→70歳の誕生日の前日

・75歳に達した場合(健康保険のみ)→75歳の誕生日

 

●月末退職者は要注意

前提として、

社会保険料は被保険者資格喪失日が属する月の前月までを徴収します。

つまり、資格喪失日の属する月の社会保険料は徴収しないということです。

原則的に社会保険料は翌月徴収されるため、

毎月の給与から徴収されているのは

前月分の社会保険料ということになります。

 

例を挙げてみると、

   6月25日に退職した人は、

  (退職日の翌日である)6月26日が資格喪失日になります。

  前述の前提をふまえると、5月分までを徴収し、

   6月分は徴収しないということです。

  よって、前月の5月分の社会保険料を

   6月の給与から徴収して終了となります。

  労務ブログの表①H21.06.17.JPG   

次は注意すべき例を挙げてみると、

   6月30日付で退職した人は、

  (退職日の翌日である)7月1日が資格喪失日になります。

  前述の前提をふまえると、6月分までを徴収し、

   7月分は徴収しないということです。

  月末退職の場合は資格喪失日が翌月にずれ込むため、

  退職日が6月25日の場合に比べ、

  1ヶ月分社会保険料負担が多くなります。

  ここが注意すべき点です。

  本来なら6月分の社会保険料は7月分の給与から徴収すべきですが、

  今回のケースのように6月30日で退職しており、

   7月に支払う給与がない場合等は、本人に了承をとったうえで、

   6月に支払う給与から5・6月の2ヶ月分を

   まとめて徴収することも可能です。

  労務ブログの表②H21.06.17.JPG     

上記をふまえると、退職者は自己負担が増え、

処理する側も事務負担が増えることから

月末退職を選択しないという選択もあるのかもしれません。

 

なにはともあれ、注意すべき点をしっかり押さえて

正しい処理をすることが第一ですね。

 

緊急保証制度と経営改善計画

 堅いタイトルですみません。

まず、緊急保証制度の現状についてお知らせします。

この制度は中小企業が金融機関から融資を受ける際に、

信用保証協会が返済を保証する制度です。

従って、借りた企業が倒産して返済できなくなっても、

信用保証協会が肩代わりして金融機関に返済するので、

金融機関は融資しやすくなり、貸し渋り防止に繋がります。

 

さらに、通常は80%しか肩代わりしないところ、

昨年10月より実施されている緊急保証制度では、

100%肩代わりすることになったので、金融機関のリスクは

ほとんどなくなり、借り手である中小企業と

貸し手である金融機関双方にとってメリットがあり、

かなり利用が進んでいます。

 

4月末での保証累計は10兆円を超えており、

2008年度の補正予算で計上された20兆円の保証枠が

2009年度の補正予算で10兆円追加され、

総額30兆円の保証枠が確保されています。

今後さらに、この緊急保証制度を利用した融資が増えていくと思われます。

それでは、この保証制度により融資された資金は、

中小企業でどのように使われているのでしょうか。

保証協会の資金使途別保証承諾状況を見てみますと、

98%は運転資金となっており、設備資金は0.8%、

その他が1.2%となっています。

 

さらには、その内約30%は既存の借入からの借り換え案件のようです。

2~3年の返済期限の借入金をこの制度により

最長10年の借入金に借り換え、毎月の返済資金を減額することにより、

手元の運転資金を確保しておられるようです。

 

ここで、よく考えておかなければいけないのは、緊急保証制度であっても、

10年返済であっても、返済をしなければならないことには

何ら変わりがないことです。補助金をもらったのとは訳が違います。

ただでさえ売上が減少し、利益も減少して、

資金繰りが厳しい状況ですから、一時的に効果があったとしても、

収益つまり儲けが改善しなければ、いずれ返済資金につまることは

目に見えています。単にその時期を遅らせただけです。

 

緊急保証制度により一時的に余裕ができたこの時期に、

しっかりとした経営改善計画を作成し、金融機関とよく話し合い、

さらなる借入期限の延長など、今後の返済計画について、

しっかり決めておく必要があります。

そこで、もう一つの緊急対策である、

「金融検査マニュアル改定」が生きてきます。

この点については次週に解説致します。

 

税理士法人 久保田会計事務所

税理士 久保田博之

 

おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二十三話~

今回のおにぎり屋たんと【経理編/本編】は第23話。

 

今回の「たんとさん」は・・・

涙あり、笑いあり?23回にわたってやってきた【経理編/本編】もついに最終回!!

これを通して少しでも多くの人に経理を身近に感じていただけると幸いです。

 

おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第一話~では、

おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。

徐々に事務仕事にも慣れた様子です。

 

おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二話~

からはすこし時間を巻き戻して、

会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。

 

引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。

 

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「ってことは、いずれ私が従業員を雇ったり、おにぎり屋として

 何か他にやってみたいことが出来た時なんかは・・・。」

 

『勿論、今ご説明したPDCが必要となってくるでしょうね。』

 

「・・・やっぱり。やはり、早い内に計画って立てた方がいいんですよね?」

 

『そうですね。なるべくなら新しい事を始める前に、

 ご相談頂けるといいかと思います。』

 

「そういうものなんですか・・。」

 

『はい。もし、それが自分では絶対上手くいく!

 と自信がある構想であっても。実際に事を起こすとなると

 様々な問題に直面するわけでして。

 それらの問題は初めての方だと想像できなかったりしますから・・・。』

 

「ああ、そっか。そうですよね・・。」

 

自分にも思い当たることがあり、しみじみと頷く。

 

『逆に、我々は色々な事例に関わらせて頂いておりますので、

 その経験を生かしたアドバイスが出来ます。

 どんな商売にもリスクはつきものですが、

 そのリスクを最小限に抑える為にもこうした早め早めの相談や、

 計画を立てる、といった行動を私達は推奨しているんですよ。』

 

再び海苔巻さんが熱く語り出してしまった。

温厚そうな人だと思ったが、なかなかどうして。

 

「・・・・海苔巻さんって、意外に熱くなるタイプだったんですね。」

 

笑ってそう言えば。

 

『いや・・・またやってしまいました。

 この手のお話はついつい力が入ってしまって・・。』

 

再び恥ずかしそうに笑う海苔巻さんの姿がそこにあったのだった。

 

計画を立てて、それを実行して、それがきちんと計画に沿っているか

確認して課題点を見つけ・・

次に生かす、か・・。

・・・なんだか経理のやり方を教えてもらったのと同じくらい

勉強になった様な気がする。

 

今はまだ小さなお店だけど、いずれ何か事を起こす時は必ず相談しよう。

そう、心に決めて。

私は海苔巻さんに礼を言い、初めての会計事務所訪問を終えたのだった。


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(その後)

2/16(月)

今日から確定申告の受付が開始された。

海苔巻さんの所の会計事務所さんに色々教えてもらったおかげで、

あれから帳面を付けるのがスムーズになって・・・結果。

無事に所得税の確定申告書を作成することが出来た。

(初めて自分で作成するので、分からない所は申し訳ないと思いつつ

海苔巻さんに電話で聞いたりもしたけど)

 

頼めば作成してくれるそうだけれど、

一番最初だけは自分で作成したいと伝えた。

海苔巻さんは笑って「分からなくなったらいつでも聞いてくださいね。」

と言って応援してくれた。

その時のことを思い出し、良い先生に会えて良かったなぁ

と表情が緩んでしまう。

 

「・・と、ここでいいのかな。」

 

申告書を持ってたどり着いた先には『中京税務署』の大きな看板。

人は初日のせいかまだまばらだった。

正面玄関の自動ドアの向こう側には受付らしきカウンターが見えている。

ニュースで期限間近の税務署の様子を見ることがあるが、

あれとは雲泥の差があった。

 

「わー、えらいすいてるわ。」

 

これならすぐに受け付けてもらえるだろう。

足取りも軽く、私は受付へと向かったのだった。

 

特に問題もなく、生まれて初めての申告書の提出を終えた私は。

自分へのご褒美、ということで。

そこから少し移動した先にある寺町の

とあるケーキの美味しい喫茶店で至福の時を過ごしたのだった。

 

                                                      ー終ー

 

新型インフルエンザの企業対応

労務事業部です。

 

今回は前回に引き続き

新型インフルエンザに関連するお話をさせていただきます。

 

新型インフルエンザの感染者数も減少傾向にあると言われていますが、

まだまだ油断出来ない状況が続いています。

 

一時期は、本当にどこに行ってもマスクがなかったですよね...。

関西以外の感染者が報告されていない地域では、あるのでは!と思い、

他府県の知り合いに聞いてみましたが、どこも完売。甘い考えでした...。

 

マスク以外でも、感染予防用品として、

空気清浄機が季節はずれの人気になっているようです。

家電の売れ行きが低迷している中、

メーカーとして増産はうれしい話ですが、理由が理由なだけに

なんとも言えない思いなんでしょうね...。

 

前置きはこれくらいにして、本題に入っていきます。

 

もし従業員が新型インフルエンザに感染して会社を休んだとします。
この休んだ日数は有給休暇の『8割以上の出勤率』

の計算式(※下記参照)に影響してきます。

 

               ※ 出勤日÷全労働日 ≧ 80%    

 

どのように影響してくるのかと言いますと、

式の中の『全労働日(1年の総暦日数から所定の休日を除いた日)』

にカウントされないのです。

 

有給休暇における出勤日については、労働基準法第39条7項において、

 

「①業務上負傷し、又は疾病にかかり療養の為に休業した期間

 ②育児介護休業法にいう育児・介護休業をした期間

 ③産前産後の女性が第65条の規定によって

    休業した期間 は出勤したとみなす。」

 

と定められているので、「それ以外の日を出勤したものとして

取り扱う必要がない」ということになります。

 

感染者が出る前に、各自がマスクに加え手洗い・うがいなど

基本的な予防策を実践していくことが重要ですね!

 

公益法人アカウンタント

この度、公益法人アカウンタントに認定登録されました。

聞き慣れない名前かもしれませんね。

「公益法人改革」と言えばもっと聞き慣れない名前かもしれませんが、

 

     民間非営利部門の活動の健全な発展を促進し、

     現行の公益法人制度に見られる様々な問題に対応するため、

     従来の主務官庁による公益法人の設立許可制度を改め、

     登記のみで法人が設立できる制度(一般社団法人・一般財団法人)

     を創設するとともに、そのうちの公益目的事業を行うことを

     主たる目的とする法人については、民間有識者による

     委員会の意見に基づき公益法人に認定する制度

     (公益社団法人・公益財団法人)が創設されました。

 

このような改革を受けて全国で2万5千社ある公益法人は

今一斉に変革を求められています。

 

まずは会計基準が変更、つまり決算書の様式が相当変更されます。

 

次に、財産やお金の使い方によって、

従来どおり公益法人として認められるか、

公益でない法人として残るかの選択を余儀なくされています。

 

そして、どちらにも対応できない場合は、

平成25年11月をもって強制的に解散させられてしまいます。

 

今まで、税務調査が少なかったり、全く無かった公益法人の多くは

大変な混乱をきたされています。

 

そこで、私たち税理士等が、会計や税務の専門知識をもって

お役にたとうと、公益法人アカウンタントの制度を作って、

実務や知識の普及に努めています。

 

企業と人の継続発展を支援して社会に貢献する、当事務所としては、

公益法人の改革を支援しようとこの公益法人アカウンタントの

養成講座を経て、今回、認定登録されました。

かなり複雑な作業を要しますが、

平成25年11月の期限はドンドン迫ってきています。

 

疑問に思われることや、相談するところがわからない公益法人の

関係者の方、是非ご一報下さい。

 

いろいろと問題を指摘される公益法人も中にはありますが、

社会になくてはならない公益法人が大多数だと思います。

専門家の端くれとして、健全なご発展を願っています。 

 

税理士法人 久保田会計事務所

税理士 久保田博之