2010年1月アーカイブ

中小企業金融円滑化法の使い方

中小企業金融円滑化法の現状についてセミナーを受講してきました。
 
税理士や公認会計士を対象としたセミナーでした。
われわれ会計人をはじめお客様の関心が非常に高いテーマなので、
会場は満杯で、また少し殺気立た質問もあり、
久しぶりに内容の濃いセミナーでした。
 
内容は、昨年12月に中小企業金融円滑化法が施行された後、
実際に返済猶予の申し出をされた時の体験談と、
そこから理解しておくべき法律の内容や
使い方についてがメインのお話でした。
 

金融機関には、都市銀行、地方銀行、信用金庫、政府系金融機関など

いくつかの種類があります

が、この法律ができたことで、ほぼすべての金融機関で

返済猶予の申し出に対して積極的に対応

してもらえるようになたったようです。

 

特に、都市銀行ではその取り組みがかなりしっかりしているようです。

もともと地方銀行や信用金庫では、返済猶予について

積極的に取り組まれてましたので、都市銀行の積極姿勢により

身のある制度となったと思われます。

 

ポイントを簡単に説明します。

金融機関では融資先を格付けしていることは

みなさんご存じだと思います。

通常、返済を猶予するとその格付けは大きく下がり、

金融機関にとっては貸倒引当金を積み増すなど、

大きな損失となってしまいます。

それが、今回の法律により、返済を猶予しても

格付けが落ちないように手当されたことが大きなポイントです。

 

当然ながらなんでも猶予するわけではなく、

経営改善計画を1年以内に確実に作成することなど、

いくつかの条件はあります。

 

(当事務所でも経営改善計画の作成のお手伝いは得意としてますので、

是非お問い合わせください。)

 

次にもっとも注意すべき点です。

いくら格付けを下げないとはいえ、

もっとも上位の格付け「正常先」について返済を猶予する場合には、

いやでも1ランク下の「要注意先」には下がってしまうことです。

 

つまり、現在すでに「要注意先」になっているところは、

返済猶予を申し出ても、なんら問題ないのですが、

現在「正常先」の企業が返済猶予を申し出る場合には、

格付けが下がってしまいますので、安易な申し出は厳禁です。

 

「正常先」から「要注意先」に下がってしまうと、

新規融資を受けることがかなり難しくなります。

現在、金融機関からあまり厳しいことを言われていない会社は、

きっと「正常先」だと思われます。

そんな会社が一時的に資金に困ったとしても、

不足資金の新規借入を申し込か、別の資金調達方法が」ないかなど、

何か別の方法がないかしっかり検討する必要があります。

 

決して安易に返済猶予を申し出ない方がよさそうです。

 

また、状況がわかりましたら、ブログにアップしたいと思います。

 

税理士法人 久保田会計事務所

税理士 久保田博之

税理士法人 久保田会計事務所

おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第三十一話~

今回は、おにぎり屋たんと【事業拡大編】第31話。

 

初めてご覧いただく方は是非

おにぎり屋たんと【事業拡大編】第1話

からどうぞ。

 

限界利益・損益分岐点を学んだ小町さん。

自分の計画を改めてみてみると・・・

+++++++++++++++++++++

 

『では・・売上を伸ばす為に何をどう見直せばいいか、というのを考えていきましょうか。』

 

自分で現況でこれくらいだろうという予想で立てた計画。

それがすでに機能しないものだとすると、

もう無理なんじゃないのかと思ってしまうのだが。

そうではないらしい。

 

『例えば・・。小町さんの計画では1日あたりの売上の予想は

 

・@550円/食

・一日に4人/件→20件くらい見込みあり?(オフィス街など)

 

と、ありますね。

ですので、一度先程出した売上から逆算して1日あたり何件の注文が

必要なのか調べてみましょう。』

 

説明を受けながら、白紙の用紙にさらさらと書かれていく計算式をのぞき込む。

 

【45,428÷@550円÷4人/件=20.64.....】

 

手早く電卓を打つ海苔巻さん。計算された答えが記されていく。

そして出た答えは。

 

『ふむ・・。どうやら1日あたり21件以上はないと

苦しいことになりそうですね。』

 

たしか、当初はオフィス街も配達区域に入れて考えていたはず。

そして、こういう注文は単独1人より数人分まとめての方が多いので

一件あたり4人くらい。それを、20件程度は・・と見込んだのだが・・。

それでもかなりぎりぎりのラインだったようだ。

 

「・・・・ますますもって、この計画駄目なんじゃないでしょうか・・・。」

 

話が進むほどに気落ちしてくる。

本当に、見直すことできちんと動ける計画になるのだろうか・・・?

 

第32話へ続く。 

税理士法人 久保田会計事務所

医療費控除

財務事業部です。

前回は年末調整について書きましたが

年末調整では手続できない分については確定申告があります。

 

昨年は 新型インフルエンザなど世間を騒がせましたが

生計を一にする配偶者その他家族の為に21年度中に支払った医療費が

一定の金額以上ある時に還付が受けられる場合が有ります。

 

控除の対象となる医療費は 診療や治療の対価や

治療のためのあんまやマッサージなどによる施術の対価など

治療や療養に必要な医療品の購入の対価が含まれます

その他に 通院費や入院時の部屋代や食事代、

寝たきりの人のおむつ代などが有ります

すべて領収書が必要になりますが(おむつ代については

「おむつ使用証明書」が必要)

 

医療費に含まれないものとして

インフルエンザなど予防の為の医療費や

容姿・容ぼうを変えるなどの目的で行った整形手術の費用や

自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車料金などが有ります

 

医療費(*)-10万円(所得金額が200万円以下の場合所得金額×5%)

=医療費控除額(最高200万円)

(*)保険などで補てんされる金額を差し引いた額

医療費控除額は源泉徴収票の所得控除額の合計額に加算出来ます

少し手間ですが一度自宅に有る医療費の領収書を掻き集めてみては・・・

 

税理士法人 久保田会計事務所

22年度税制改正大綱(その2)

本年もよろしくお願い申し上げます。

さて、昨年末の決定された22年度の税制改正大綱について、

続けてコメントさせて頂きます。

 

特に大きな影響がありそうな項目について、

 

①全てのご家庭に影響のあるもの

子供手当の創出と公立高校の無料化にともない

扶養控除が一部廃止になります。

子供手当が支給される方は増税と手当で大きな損得なし。

子供手当という飴で人気を取って、

一方ではしっかり増税がセットされているという結果です。

何か腑に落ちませんね!

②資産家の方に影響のあるもの

生命保険を活用した過度な節税封じとして

定期金の評価がみなおされます。

節税商品と財務省のイタチごっこ昔からのことで

自然のながれかもしれませんがこれも増税です。

相続時に一定の自宅や事業用地に適用された評価減

(小規模宅地の評価減といいます)が縮減されます。

これも増税ですね。

③法人に影響のあるもの

100%グループ法人間での寄付や資産の譲渡損益を認識しなくなります。

これは、増税とも減税ともとれませんが、

組織再編税制との調整が難しいのではないか、と言うことと、

今まで気を使っていたグループ間取引について、

かなり様相が変わりますので、専門家としては気の引き締めて

対処すべき項目です。

悪名高き特定同族会社の役員報酬の損金不算入規定が廃止されます。

廃止は大歓迎ですが、思えば2年前に大騒ぎしたこの制度、

いつか懐かしむ日がくるのでしょうか。とにかく、この項目は減税です。

 

法人税率の引き下げについては先送りされました。    

 

他にも、ガソリン暫定税率の実質継続やタバコ税の増税など、

民主党の選挙時の期待感とは裏腹な項目ばかりが目につきました。

それほど、日本に元気がない証かもしれませんね。

 

税理士法人 久保田会計事務所

税理士 久保田博之

税理士法人 久保田会計事務所

おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第三十話~

今回は、おにぎり屋たんと【事業拡大編】第30話。

 

初めてご覧いただく方は是非

おにぎり屋たんと【事業拡大編】第1話

からどうぞ。

 

限界利益・損益分岐点などの言葉を知った小町さん。

その後・・・

+++++++++++++++++++++

 

 

H21.12.12分たんと.JPGなにやら、先程は一つのくくりに入っていた『固定費』が抜き出されるような形で
右側に表示されている。

 

「45,428円って、確か・・・ええと・・。」

 

そもそもなんの数字だったか・・と首を傾げる。
色々間に挟んだせいか少し記憶が危うくなっていた。

 

『最低限、ぎりぎりラインの売上の数値ですよ。』

 

間に色々説明しましたからねぇ、と海苔巻さんが笑いながら答えてくれた。

 

「あ、そうでしたそうでした!

それが分かっていたら行動の為の計画が立てやすいっていう・・。」

 

そんな話だった気がする。

 

『はい。では思い出して頂いた所で・・。この表を見てください。

さっきは固定費も変動費の下に続きで並んでいたかと思います。』

 

「そうですね。これは・・固定費と・・

変動費と利益を比べて見るということですか?」

 

わざわざ抜き出しているのだからそういうことなのだろうと思う。

 

『まぁ、そのような感じです。どちらかといえば、

固定費と利益を見る感じですけれどね。

では・・先程、固定費とは売上に関係なく発生するものだと

ご説明しましたが・・そこは宜しいですか?』

 

改めて確認され、一つ頷く。そこはメモを取ったせいかちゃんと頭に入っている。

 

「はい。逆に変動費は売上によって左右されるってことでしたよね。」

 

反芻しながら答えた。

 

『その通りです。小町さん、もう完璧ですね。』

 

「あはは、教え方が良いからですよ。」

 

『おや、嬉しいですね。期待を裏切らないようにしなければ。』

 

時折そんなやりとりを挟みつつ話は進み・・・。

 

『小町さんの仰る通り、変動費は売上に左右され、

固定費は例え売上が0円でも発生します。

ですので、変動費の方から最低限の売上の予想は難しいと思われます。』

 

ふむふむ、と頷く。毎回金額の異なる数値から、

というのはあまり専門知識のない私でも無理があるなぁと思えたのだ。

 

『ならば、固定費はどうでしょうか?

固定費は月々だいたい決まった金額で発生します。

その固定費と利益がだいたい同じくらいであれば・・「プラスマイナス0」で、

店は赤字でも黒字でもない状態となり・・・。

けれど、もしも固定費が利益を上回れば店は「赤字」。

逆に、固定費が利益を下回れば店は「黒字」となる

と考えることが出来るとは思いませんか?』

 

「・・・・ええっと・・・。固定費は要は経費で・・それよりも利益が

上回るってことはもうけが出てるってことで・・・。」

 

(ん?あれ・・?)

ふと、疑問が湧く。

 

「あの・・。すいませんちょっといいですか?この図で言うところの利益は・・。

売上から変動費だけを差し引いたもの、でいいんでしょうか。」

 

一番初めの図では、たしか売上から変動費と固定費を引いたものが利益で・・。

でもこの二つ目の図の様に固定費を抜き出した場合は・・・?

利益と固定費を比べるのだから・・・・??

(・・・えっと・・あれ?だから・・どうなるんやろうか・・。)

頭の中をはてなマークが飛び交う。

 

『ああっ。すみません、

どうやら肝心な【限界利益】の説明が抜けていたようです。』

 

そうでした!と手をぽむ、とベタに叩く海苔巻さん。

うっかりしていました、と申し訳なさそうに頭をかいている。

 

「いえ、大丈夫です。それで・・あの、そのなんとか利益っていうのは・・・?」

 

首を傾げる。

 

『【限界利益】、というのはですね。

今まさに小町さんがご指摘されたとおりのものなんです。

つまり、売上から変動費を引いた残りの利益のことを指します。』

 

「あ、やっぱりそれでいいんですか。・・・難しい名前が付いているんですね。」

 

なぜ、こういう経済用語?というのは

とっつきにくい難しい言葉ばかりなんだろうか・・。

幸い、海苔巻さんは難しい名称を使わずに先に説明をしてくれるから

きちんと内容についていけるが。

これでTVに出てくる某かの評論家の先生よろしく

英語やら略語やら難しい言葉を使われた日には

真っ先に理解を放棄してしまうに違いなかった。

 

・・・変な方向に不満を爆発させながら今聞いた説明を元に、

もう一度図に視線を落として整理する。

(・・・多分、今度はちゃんと意味は・・分かる、はず・・。)

本来の利益は売上から変動費と固定費を引いた後に残る分だけれど・・・

ここで言う利益は『限界利益』と言って

変動費を控除後のもので固定費を引く前の数字のこと。

だから・・そこから更に必ず発生する固定費を差し引いて

限界利益が残らなかったら売上とトントン、だったということになって。

限界利益がマイナスになったら赤字、その逆が黒字・・。

つまり・・・その固定費さえきちんと把握していれば・・・

最低限これ以上はないと足が出てしまいますよ

っていう売上の金額がわかるっていうこと・・・。

(で、ええんかなぁ・・。)

計算方法はまだよく分からないものの・・・

自分の考えをおそるおそる口に出してみたのだった。

 

第31話へつづく。 

税理士法人 久保田会計事務所