所定の手続きを欠く就業規則の効力について

労務事業部です。

今回は就業規則の効力についてお話ししたいと思います。

 

就業規則は『常時10人以上の労働者を使用する』場合には、

作成しなければなりません。

 

そして労働基準法は、

この就業規則について下記の3つの義務を課しています。

①労働者代表の意見を聴く義務(労働基準法90条)、

②労働基準監督署へ届け出る義務(労働基準法89条)、

③労働者へ周知する義務(106条)。

 

これら①②③の義務がひとつでも欠けていたら、

就業規則の効力はどうなるのでしょうか?

 

①の意見を聴く義務が欠けていたり、

②の届け出る義務が欠けていたりしても就業規則の『効力』自体には

影響はないとされています

(当然、労働基準法違反としての罰則はあります)。

 

また、③の周知する義務については、

裁判例で下記のような判断がされています。

(関西定温運輸事件 大阪地裁 H10.9.7)

労基法所定の周知方法が採られていないからといって、

直ちに就業規則の効力を否定するべきではないが、

使用者において内部的に作成し、

従業員に対し全く周知されていない就業規則は

労働契約関係を規律する前提条件をまったく欠くというべきであるから、

その内容がその後の労使関係において反復継続して実施されるなど

の特段の事情がない限り、効力を有しないと言うべきであり、

特段の事情があったと認めるに足りる証拠もない。

 

要は『実質的に周知』がされていれば

その就業規則は、有効とされると言うことです。

 

ただし、この実質的な周知とはどういうものかについては、

明確な基準が示されている訳ではありません。

 

以上のように、

労働基準法の義務を欠いたからといって、

直ちにその就業規則が無効とされるわけではありません。

 

しかし、

労働基準法違反ということで罰則(労働基準法120条)が存在しますし、

これらの手続きを欠くということは、

労働者とのトラブルの原因をつくってしまっているともいえます。

 

実際には、色々な思いがあって周知されていない場合もあると思いますが、

以上のことから、是非周知していただきたいところであります。

 

労働基準法が義務としているから作成するという就業規則ではなく、

労働者との良好な関係を築いていただくための

就業規則作成のお手伝いが出来るように

我々も努力していきたいと思っております。

 

税理士法人 久保田会計事務所

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