2010年11月アーカイブ
経営支援事業部です。
今月は3回に渡って、損益計算書・貸借対照表・
キャッシュフロー計算書について説明してきました。
そこで最後に、財務諸表をどのように経営に活かしていくのか
について触れてみたいと思います。
財務諸表に表される経営データは、会社の客観的経営力を示し、
自社の過去の取り組みが総合結果として示され、
自社の発生型問題の80%を見せてくれると言われています。
ただじっと眺めているだけでは、よほど精通者でない限り
簡単には問題を把握することは出来ません。
そこで役に立つのが「財務分析」です。
「財務分析」は、財務諸表を様々な観点から分析することにより、
会社の経営成績や財政状態の良否を判断することです。
財務分析を大きく分けると、「実数分析」と「比率分析」があり、
実数分析は、財務諸表の実数をそのまま利用して分析し、
比率分析は財務諸表の実数から関係比率又は構成比率
を算出して分析します。
【実数分析】
主に自社の過去データと比較することで増減分析を行い、
その原因等を検討することにより今後の経営に役立てるものです。
1.種類
・売上高・利益増減分析
・原価差異分析
・経常収支分析
・キャッシュフロー分析 等々
2.方法
販売実績の比較を販売地域別・営業所別・営業担当者別・
商品群別・市場ルート別などに区分し、期間比較をする。
また、販売数量の増減による影響や販売単価の上下による影響も
分析する必要がある。
3.効果
増加・減少の要因を分析することによって、
何処にどのような問題があるのか、
何時までに何をしなければいけないのか、また、
それは解決できるのか、というように改善策を探っていきます。
【比率分析】
仮に経営成績の良否の判定を同業他社と比較しようとした場合、
業種別の同業他社平均値と比較することになりますが、
企業の歴史や規模(売上高・従業員数等)が異なるため、
単純に実数を並べても比較することが出来ませんが、
実数を比率に置き換えると、規模の大小にとらわれず
比較することが出来ます。
1.種類(4つの視点)
①収益性(損益計算書で経営成績を分析)
売上高経常利益率、総資本経常利益率、総資本回転率 等々
②生産性(ヒト、モノ、などの経営資源の活用度を分析)
労働生産性、労働分配率 等々
③安全性(貸借対照表で財政状態を分析)
流動比率、当座比率、固定比率、固定長期適合率、自己資本比率 等々
④成長性(期間比較で会社の成長性を分析)
対前年売上高伸び率、各利益の伸び率 等々
2.方法
自社の実数を決められたルールで比率に置き換えて、
同業他社平均値等と比較する。
3.効果
同業他社の数値(比率)と比較することにより、
上記の4つの視点において何処に問題があるのかを把握し、
比率の計算式を分解分析することにより改善策を探ることが出来ます。
財務分析について見てきましたが、財務分析を行ううえで最も大切なことは、
正しい数値を把握することだと思います。
仏教用語に「因果応報」という言葉がありますが、広辞苑によると、
「過去における善悪の業に応じて現在における幸不幸の果報を生じ、
現在の業に応じて未来の果報を生ずること。」とあります。
自社の経済活動の結果が自社の財務諸表であり、
それを正しく分析することで必ずや経営の改善策、
今後の方向性が見えて来ると思います。
こんにちは、経営支援事業部です。
4回にわたって財務諸表のお話をさせていただいていますが、
第3回目の今回は「キャッシュフロー計算書」についてです。
損益計算書や貸借対照表は知っていても、
キャッシュフロー計算書と聞いても頭に「?」
が浮かぶ方も多いかもしれません。
キャッシュフロー計算書は2000年に日本に導入された財務諸表で
比較的歴史の浅い財務諸表です。
しかし、企業活動の生命線となる「キャッシュ」の流れを示した
デフレ時代の今非常に大切なものなのです。
以下でその内容を簡単に説明させていただきます。
実際の書類の説明に入る前に、
この書類で示される「キャッシュ」とは何かを書かせていただきます。
この書類でいう「キャッシュ」とは...
1.現金
2.当座預金、普通預金などすぐに現金化できるもの
3.短期(三か月以内)の定期預金
の3つが挙げられます。単純に現金のみではなく、
短期間で現金化できる預金も含まれることになります。
そして、このキャッシュの流れを「営業活動」、「投資活動」、「財務活動」の
3つのカテゴリーから示したものがキャッシュフロー計算書です。
まず、「営業活動」によるキャッシュフローです。
これは商品の仕入、製造、そして販売という企業利益を得るための
活動によるキャッシュの流れを示しています。
ここがマイナスとなってしまうと会社の存続自体が
非常に厳しいことになってしまう最も重要なカテゴリーです。
次に、「投資活動」によるキャッシュフローです。
これは設備投資や投資目的の有価証券に対する
キャッシュの流れを示しています。
将来に向けての設備投資などが記載されますので、
一般的にはマイナスとなります。
上記2つを合わせたキャッシュフローのことを
一般に「フリーキャッシュフロー」といい、
企業本来の事業活動でのキャッシュフローを見ることができるため、
非常に重要な指標となります。
最後に、「財務活動」によるキャッシュフローです。
これは企業活動を行うための資金調達、その返済を示しています。
通常は借入金の返済、株主への配当支払い
といった理由でマイナスになります。
損益は野球、資金はボクシングという例えがあります。
これは、一時的に損益がマイナスになってしまっても倒産はしませんが、
資金がマイナスになってしまう(KOされてしまう)と
倒産してしまうということです。
このように、会社の資金管理は経営上非常に重要な管理項目です。
一度、ご自身の会社でもキャッシュフロー計算書を作ってみて、
会社資金の流れを眺めてみてはいかがでしょうか。
ここ最近のトピックに経済連携協定の締結があります。
TPP、EPA、FTA
何のことか、すっと理解されていますか?
国と国の間に商品や人の移動をしやすくすることを
目的に締結される協定のことです。
EPAというのが経済連携協定のことです。
この協定の中で、個別に関税や貿易障壁について決定されます。
FTAというのは関税を無くす協定のことです。
基本的に関税をゼロにする協定で、上のEPAの細部です。
TPPというのは、環太平洋戦略的経済連携協定でアジア太平洋地域に
おけるEPAのことで、FTAの含まれています。
こう書いてもまだ難しいですね。
さて、急にこの難しい協定が話題に上がってきました。
実は、世界ではもっと前から取り組まれていて、
日本は完全に鎖国状態だったようです。
リーマンショックに端を発して、経済の回復には貿易しかない、
とようやく重い腰を上げた格好です。
参加の是非を問われてはいますが、早晩参加することになり、
ますます貿易が自由になり世界に近づく日がやってきます。
当然、経済に与えるインパクトも絶大です。
中小企業にも農業にもかなりの影響がありますので、
今から自社への影響を是非検討していただきたいと思います。
我々の会計業界でも日本で税理士試験に合格すれば、
韓国の税務代理業務が行え、またその反対に
韓国の税務代理士が日本で税理士業務を行える日も
やってくるかも知れませんね!
税理士法人 久保田会計事務所
税理士 久保田博之
経営支援事業部です。
今回は、会社の財産状態を表す貸借対照表(バランスシート)について
書いてみたいと思います。
毎月の試算表や決算書に出てくる貸借対照表ですが、
注意深く見ると、間違いではないですが(ある角度から見ると)
正しくないことがいっぱい記載されている可能性があります。
今回はそんな一面を少しご紹介させていただくことで、
貸借対照表をさらにご活用していただければと思います。
可能であれば自社の貸借対照表、無ければどこかのサンプルを
目の前に置いてみて下さい。
おそらく上の方に、○○年××月△△日(現在)とかの
日付が記載されていると思います。
もし、貸借対照表を初めて見る人に「何が書いてあると思いますか?」
って尋ねると、きっと「この日付時点でその会社がもっている財産とか
借金が書かれているのでは・・・。」といったようなお返事では
ないでしょうか。普通そう思いますよね。
でも、実際にはどうでしょうか・・・何十年も前に買った土地がその当時の
購入額で書かれていたり、何年も回収できない債権が載っていたり、
あるいはバブル時代に購入したゴルフ会員権が大きな金額で威張っていたり・・・
日付時点とはかけ離れた価値の数値が並んでいることも珍しくありません。
その時点での時価を原則、といった会計ルールの整備は進んでいますが、
中小企業ではまだまだこうした会計状態が多いのが現状です。
そうなんです、法律違反では無い(=間違いではない?)のですが、
ある角度(ある一時点での実態価値は?)から見ると正しくないのです。
会計の本には、
貸借対照表は会社の財産状態を表す帳票で・・・・・
その中の株主資本の部分は、その会社の体力を表していて・・・・・等々
色々と見方は書いてありますが、記載数字の根拠時期がバラバラでは
到底表現された数字は現実と大きくかけ離れています。
なかなかご自身で実態時価を算出されることは困難だとは思いますが、
経営される上では必須の数値となります。
金融機関も独自に貸付先の
貸借対照表を時価評価しています。
実態なんて聞いたこともない!という経営者の方、ぜひ一度顧問税理士に
「うちの実態時価はいくらくらい?」って聞いてみて下さい。
新たな経営の方向性が見えてくるかも知れません。。。
今回は財務諸表の簡単な説明とその活かしかたについて
4回にわたってお話を進めてまいりたいと思います。
第一回は財務諸表のうちの「損益計算書」についてのお話です。
「損益計算書」は名前のとおり企業の収益と費用を表示し、
企業の経営成績を明らかにするための財務諸表です。
そのフォームはシンプルで3つの区分に分けて表示されます。
第一の区分は、"営業損益計算"の区分です。
売上高から売上原価を差し引いて、さらに人件費など
営業にかかった諸々の経費を差し引いてやることによって
企業の純粋な営業活動から生じる損益(営業損益)を表示します。
ここでは企業の経営成績、つまり本来のお商売での儲けが明らかとなります。
第二の区分は、"経常損益計算"といって、
ここでは第一の区分で算出された営業利益に営業活動以外の
取引にかかる損益(利息や有価証券の運用による損益等)を影響させて
企業の収益力を明らかにします。
ここで出た損益を経常損益といい、
会社が行った通常サイクルでの活動の利益となります。
そして、第三の区分は、"純損益計算"といって、
第二の区分までで計算された損益に臨時的な損益等の
特別な損益を加減算して企業の処分可能な利益の増加額を明らかにします。
ここで計算されるのが税引前当期純利益であり、
ここから税金の額を計算し、税金をマイナスすることにより、
当期純利益が計算されます。
これが企業の経営成績となるわけです。
損益計算書の区分と利益の構成がハッキリすれば、
どの部分の費用が大きくて無駄なコストがかかっているか、
どの部分で利益が上がっているか等を把握できます。
また、この情報をもとに、前期間との比較、
同業他社との企業間比較等を行うことでも、
損益計算書の数字を活かすことができ、
今年はこの費用が多くかかっているな、ということや
他の会社と比べると原価率が高すぎるので努力しよう、
といった新たな課題や改善点などがみつかるでしょう。



