けいえい知っ得: 2009年1月アーカイブ
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第四話~
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子です。
からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。
引き続き会計事務所での小町さんをご覧下さい。
女性の職員さんがお茶を二人分持ってきて、
私と、その向かい側に湯呑みを置くと
再び一礼をして静かに部屋を出て行った。
お茶に口を付け、少しの間そのままソファーにかけていたが、
落ち着かなくなりおもむろに立ち上がると左側にある窓に近づく。
この来客室の窓は壁の部分が
ほとんどないんじゃないかというくらい大きなもので。
左や右は言うまでもなく。上は天井、下は床までという大きさだ。
向かい側が御所という立地条件をうまく使っているなぁと感心する。
ここは2階なので窓の側に立つと、
自然と下を歩く人々を丁度見下ろす形になり、
ちょっとお偉いさんにでもなったような気分が味わえる。
そんな馬鹿なことを考えていると、
後ろで「コンコンコンコン」とノックの音が聞こえた。
慌ててソファの前に戻り、緊張の面持ちで立ったままノックの主を迎える。
「お待たせいたしました。失礼します。」
扉を開け、部屋へ入ってきたのは同年代くらいの男性で。
もっといかめしい感じの年配の人を想像していた私は少し拍子抜けした。
・・・・・緊張が解けたとも言うが。
「小町さんですね。」
担当者らしき男性は
「初めまして」、
と軽く礼をすると名刺を取り出し差し出した。
これがドラマとかで見る名刺の交換(してないけど)か、
などと妙な感動を覚えつつ
どうも、とおずおずとその名刺を受け取った。
(えぇと・・税理士法人 久保田会計事務所 PDC支援事業部・・・・
・・・・PDCってなんやろうか・・。)
「税理士の海苔巻、と申します。本日は私がご相談をお受けいたします。」
どうぞよろしくお願いします、と変なとこにひっかかりを覚えたせいで
最後まで名刺を見終える前に自己紹介されてしまった。
慌ててこちらも挨拶をする。
「小町と申します。本日は・・あの、宜しくお願いしますっ。」
勢いよく頭をさげる。
すると
「そんなに緊張されなくても大丈夫ですよ」
とちょっと笑われてしまった。
・・・うう、恥ずかしい・・・。
・・・とりあえず。
後で聞けたら聞いてみよ・・・(今は無理や・・・)。
第5話へ続く。
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第三話~
前々回のおにぎり屋たんと【経理編/本編】~第一話~では、
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子ですね。
前回のおにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二話~からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂きました。
今回の第三話での小町さんはどうなるのでしょう・・・
+++++++++++
どきどきしながら階段をあがると、ガラスの扉の向こう側にはすでに
女の人がスタンバイしていた。
慌てて、階段を上りきり扉を開ける。
『いらっしゃいませ。』
同年代くらい(といってもあちらは20代前半くらいだろうが)の
女の子に、にこやかに出迎えられた。
・・・少し安心する。
「あの・・1時から予約をしていた小町ですが・・。」
「はい、小町様ですね。こちらへどうぞ。」
そういって、案内をしてくれた先は・・・。
ここで1対1で話すんですか?
と思わず聞きたくなるような広さ(←個人的な感想)の応接室。
しかも、壁一面が窓なので、向かいの御所がよく見える。
ちょうど、御所への入り口らしく犬と散歩をする人が中へと入って
行くのが見えた。
向かい合わせに置かれたソファにどちらに座れば?とまごまごしていると
「あちらへどうぞ。」
と促された。
「すぐに、担当者が参りますので、少々お待ち下さいね。」
そう言って軽く一礼をすると、女の子は扉のむこうへと姿を消した。
「・・・・・・・。」
とりあえず、外の風景をぼーっと眺めていたが頭の中は
(どんな人が来るんやろ・・。)
というのでいっぱいだった。
第4話へつづく。
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二話~
前回のおにぎり屋たんと【経理編/本編】~第一話~では、
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子ですね。
今回の第二話からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂きましょう。
+++++++++++
12月某日。
約束の時間、約束の場所へと私は来ていた。
ネットで見つけた会計事務所。
HPから印刷をした地図を見て確認する。
御所の南側で、グレーの壁のビル・・。
「・・・ここ、やんなぁ・・。」
近い、という理由だけで選んだその事務所は・・なかなかに立派だった。
少し・・いや、かなり緊張する。
先日相談の予約をするためにかけた電話をとったのは女の人で・・・
まぁ、感じは良かった。
(もっとツンケンした感じの対応を思い浮かべていただけに)
その時は、『あ、怖くなさそう』と安心したのだが・・。
「・・・あかん、やっぱ来うへんほうが良かったかも・・。」
すこし、怖じ気づく。
・・・しかし、約束の時間までもう5分も無い。
(・・・まぁ・・。悪徳商法やないんやし・・。
合わへんと思ったら、やめたらええんやし・・。)
よしっ、と気合いを入れて事務所へと続くであろう2階へと向かった。
第3話へ続く。
◆おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第一話~
前回、会計事務所を見つけた小町さんでしたが・・・。
その後、無事連絡を取り、相談することができたのでしょうか。
ちょっと様子を見てみましょう。
***********
「・・・えっと、今日の天気は『曇り』気温は・・『10度』・・
お客は・・・女性客が多め・・やったなぁ・・。」
本日のデータを支払用に用意した現金出納帳に書きとめる。
領収書を整理し、出金額と照合した。
どうしても合わない端数は「過不足」分として処理しておく。
売上の入金分は、これまた入金用にと用意した現金出納帳と照合し、
一致することを確認。
その後、忘れないうちにと本日分の売上金として銀行へ振込に行った。
「・・・あとは・・何があったかなぁ?
通帳の記帳には3日前の木曜日に一回行ってるから・・
次は・・明後日の水曜くらいに行っておけばいいし・・。」
今日中に処理すべきことを一つ一つ思いだしながら、これは済み、
これはまだ大丈夫、と確認していく。
「・・・よっしゃ。ほなこれで今日の分の処理は終わりやな。」
開けていた帳簿類や通帳を閉じて片付ける。
チェック済みの領収書は金庫へとしまっておく。
「だいぶ、この作業に慣れてきたなぁ・・。」
会計事務所に相談に行ってはや3週間。
教えてもらった通りにこなせるようになってきた。
慣れてしまえば、後は単純に繰り返しの作業なので時間も
以前ほどかけずに済むようになっていた。
きちんと処理をするようになって、毎日の積み重ねが大事だと
改めて実感する。
以前は『またあとで』『面倒やし適当でいいか』そんな処理だったので
尚更だ。
あれでは時間がかかって当たり前、というかあんなどんぶり勘定で
店をしようとしていたことが少し恥ずかしい・・・。
「・・・っていうか、あれを先生に話したっていう自分の過去を消したい・・・。」
きっと、海苔巻さんも呆れてたと思う。
にこにこ笑ってたけど、内心苦笑してたんじゃないかと思う。
(私が相談受ける立場やったら顔に出してたかもしれん。)
「さすがプロの先生やわ・・・。」
・・・思わず変な感心の仕方をしてしまった。
「・・・とりあえず、月々の帳面が出来たら
その都度持って行くってことやったし。」
次に報告に行くときは、少しは褒めてもらえるだろうか。
「なんか先生に宿題を提出するみたいな気持ちやなぁ・・。」
苦笑しつつ、食卓兼事務机の上を片付け始める。
「・・・あいたたた・・・。」
・・・・・腰にキた。
腰を拳でとんとん、と叩きながら作業を続ける。
「なんか、どっと老けた気がする・・。」
どうやら同じ姿勢で帳面を付けていたので
身体が固まってしまったようだ。
片付けを終えると、伸びをして身体をほぐす。
首をまわすと、音が鳴った。
(さっさとお風呂入って今日はもう寝よう。)
・・・・・こうして、私の一日は過ぎていったのだった。
*****************
どうやら、うまくいっているようですね。
以前の様に、「どうしたらいいのかわからへんっ!」と
頭を抱えることも無くなったようです。
では、小町さんはどのようなアドバイスをもらったのでしょうか?
少し、時間を巻き戻して見ていくことに致しましょう。
第2話へ続く。



