けいえい知っ得: 2009年2月アーカイブ
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第八話~
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子です。
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二話~
からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。
引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。
*******************
『では、先程お話した小口現金ですが・・・
ここにはまず、5~10万円程度のお金を
支払専用として用意しておきます。』
5~10万円・・・と・・。
忘れないように、とメモをとる。
『そして、忘れてはいけないこと。
それは、何か出費があった時は必ず領収書を貰うということです。』
・・・そういえば・・・今まであんまりきっちり貰ってなかったかも。
コンビニとかではうっかり貰い忘れとかしていたかもしれない。
『もし無かったら・・・後で大変なのは誰か・・・分かりますよね?』
「・・・はい・・・。私デス。」
嫌ってほど知っています、はい。
『ははっ。ではその領収書ですが、
電車賃など、場合によっては貰えないこともあるでしょう。
そんな時は出金伝票を作りその内容を書いて頂ければと思います。』
「ああ、たしかにそうですよね。ええと・・出金伝票・・・・・。」
『出金伝票には、「日付・金額・相手先・内容・出金者」を記入してください。』
今は小町さんだけなので出金者は無くても構いませんけどね・・と
私の疑問を察したのか、海苔巻さんが尋ねる前に書き方を教えてくれた。
「・・分かりました。では、その伝票や領収書を元にして
後で帳面をつければいいってことですね。」
『はい、そうです。ですので、貰った領収書は
必ず金庫へと入れておいてくださいね。』
それが全ての元となるのなら気をつけなければ・・・・。
メモを取りつつ頷いたのだった。
第9話続く。
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第七話~
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子です。
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二話~
からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。
引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。
*******************
『たいていの場合、現金というものは盗難にあったり、
火災にあったりといったリスクが考えられますので、
普段から手元にはできるだけ置かず銀行に預けておくものなんです。』
・・・・そうなんだ。いつでも手元に、とか、ある程度貯まったら、とか
そういうものじゃないんだ・・。
『とはいえ、やはりちょっとしたお客様がお見えになった場合に
必要な茶菓子代や仕入に必要な交通費など
細々した支払があることが考えられますよね。』
たしかに。
大金は必要ないけれど、少額の支払いはちょこちょことあるだろう。
そう思い、小さく頷く。
『けれど、その都度金庫を開けてから現金を出すのでは面倒ですし、
いちいち出金の処理をしなくてはならないなど、事務上手間がかかります。』
・・・・・いまいちピンとこない。
「・・・あの、金庫を開けて現金を出すのが
どうして手間がかかる、になるんですか?」
別に普通のことの様に思える。
それに別に出金の処理なんて後で
時間のある時にすれば良いだけだと思うのだけれど・・。
『ああ、そうか・・そう思いますよね。すみません、説明不足でしたね。』
海苔巻さんが苦笑する。
・・・・うう、経理に関してド素人で申し訳ナイデス・・・。
『ええとですね、「現金」というものは管理を厳しくする必要があるんですよ。
ですので、帳簿残高と実際の残高の照合は毎日すべきで、
その為には出金があった場合の会計処理も
速やかに行う必要がある、ということなんです。』
まぁ、あくまで理想、という感じなんですけれどね、と海苔巻さんが笑う。
「・・・はぁ、そうなんですか・・。初めて知りました。」
それは確かに面倒そうだ。
小規模の店(1人)でしている私がそう思うのなら、
従業員がいるようなお店だったらもっと大変に感じるだろう。
『そう言う意味で、「手間がかかる」ので・・それならば、
と週末、もしくは月末などにまとめて処理することが出来るように
設けられたものが「小口現金」だと思って頂ければ良いと思います。』
「・・・なるほど・・・。それにすれば『現金』のように
いちいち気にしなくていいってわけですね。」
『・・・そういうわけでも・・いえ、はい・・
まぁそんな感じだと思って頂ければ・・。』
海苔巻さんは私の言葉に苦笑気味だ。
・・・・なんか変なことを言っただろうか・・???
『それでは、小口現金についてなんとなくイメージを持ってもらえた所で、
その処理の仕方をお話しましょう。』
そういえば、その都度じゃなくていいっていうのなら
帳面とかはどうやって書けばいいのだろうか。
私はひとつ頷くと、続く説明に耳を傾けたのだった。
第8話へ続く。
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第六話~
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子です。
からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。
引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。
『・・・そうですね。まずはお金とその扱い方からいきましょうか。』
「・・・お金、ですか?」
『はい、小町さんは売上金の入った金庫から
時折お金を出金していたりしませんか?』
「・・・はい、急な支払とかで手元に現金が無い時なんかは・・。
後で返したらいいかと思って、つい・・。」
『まず、それが問題ですね。後で返す、がきちんとされていれば
結果的には大丈夫かもしれませんが
やはり「うっかり忘れる」ことが無いとは言えません。』
たしかに。
お金を頂戴した回数と返した回数は一致してないと思う。
・・・うろおぼえだけど。
『ですから、決して金庫のお金には手をつけないこと。
これをまず頭に置いてください。』
「は、はい。」
そうか・・・。
金庫の残高と帳面が合わない原因の一つはそれなんだ・・。
『そして次にしなくてはいけないことですが・・・。』
なんだろう?
『金庫の中身を管理しやすいように、
売上の入金用の現金・・これは釣り銭用ですね、
それと支払用の小口現金とに分けておきましょう。』
「・・・・・こぐちげんきん・・・?」
聞き慣れない単語に首を傾げる。
『ああ、すみません。小口現金というのは・・・』
海苔巻さんがさらさらと開いてあったレポート用紙に何かを書き付け、
私に見えるように見せてくれた。
「・・・小口現金・・・へぇ、こんな字なんですね。」
でも字面からはどういうものなのか、
普通の現金とどう違うのかさっぱり見えてこない。
それを察したように海苔巻さんが説明をしてくれた。
『はい、ちなみにこんな名前ですが
性質上は「現金」となんら代わりはありません。』
「え、そうなんですか?」
それなら現金でいいんじゃ・・・?
『はは、今「何の為にそんなことをするんだ」って思われたでしょう。』
「・・・あ、ばれましたか。」
うっかり顔に出していたらしい・・・。
ずばりと言い当てられてしまった。
『そうですね・・では・・。まずは小口現金についてお話しましょうか。』
よろしくお願いします・・・
第7話へ続く。
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第五話~
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子です。
からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。
引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。
「どうぞ、おかけになってください。」
その言葉にようやく私は腰をおろした。
その後で、海苔巻さんも向かいのソファに座り、
レポート用紙と筆記具を用意すると
「本日はどのようなご相談でしたでしょうか」
と、当たり前だが早速本題をふってきた。
貰った名刺をガラスのテーブルの上にそっと置くと、
私はここへ来ようと思った経緯を話し出したのだった。
+++++++++++++++++
「・・・・なるほど。」
私の話を聞き終えた海苔巻さんは
私が持ってきた帳面などの資料に目を通してくれていたのだが、
そんな呟きが聞こえドキドキと目の前の人物を見つめた。
「ああ、すみません。」
わたしの視線に気づいたのか、海苔巻さんが苦笑をもらす。
「いえ、あの・・・やっぱり・・・・変ですか、それ。」
今、彼が手にしているのは
現金の出納帳だ。(背表紙の金文字がまぶしい。)
どんなダメ出しがされるのだろうか、
と気分はもはや職員室に呼び出された生徒状態だった。
「そうですねぇ・・・。変、という訳ではありませんが帳面の付け方としては
少々問題がありますね。」
やんわりと遠回しに言ってくれてるけれど・・・
「・・・・駄目なんですね・・?」
ずばり、と言えば海苔巻さんはちょっと困った様な顔して結局は頷いた。
「あの、別に気を遣って頂かなくても大丈夫なので
どうぞびしびし言っちゃってください。」
覚悟はできていますっ!とそう告げる。
「・・・はは、分かりました。では・・遠慮無く。」
そう言った海苔巻さんの笑顔を見て
ちょっと早まったかと思わなくもないが・・。
「・・・はい、ヨロシクオネガイシマス。」
神妙に頷いたのだった。
第6話へ続く。



