けいえい知っ得: 2009年5月アーカイブ
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二十一話~
今回のおにぎり屋たんと【経理編/本編】は第21話。
今回の「たんとさん」は、
最近ちまたで噂の「PDC」。経営者なら是が非でも知っておいて欲しい「PDC」。
今回はその「PDC」とはなんぞや?という小町さんの質問に答えていきます。
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子です。
からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。
引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。
*******************
『まず、PDC支援事業部の" PDC "とは・・
・P=Plan(計画)
・D=Do(実行)
・C=Check(検討)
この、3つの言葉を指します。』
そう言ってレポート用紙に書かれたのは3つの英単語だった。
分かりやすいようにと気を遣ってくれたらしい。
もっと聞いたことの無いような単語の頭文字かと思っていたのだが。
意外にも私でも知ってるような簡単な英単語だったせいか、少し安心した。
どうも私は難しいこと、特に頭の許容量を超える問題や
話はそこで思考が停止してしまい、
聞きたくなくなるという悪いクセがある。
しかしどうやらこの説明はちゃんと聞いていられそうだ。
・・・・質問しておいて実はこんなことを思っていたってばれたら
また苦笑されそうだけれど。
『それでですね。』
「は、はいっ。」
いけない、いけない。話は続いているんだった。
『・・?
ええと、今三つと言いましたが
本当はこれに" A "を加えた" PDCA "が正しい名称なんですよ。
ちなみに・・Aが意味するのは・・これですね。』
・A=Action(処置・改善)
「・・・処置、改善・・。」
『はい。少し長くなりますけれど
PDCの前準備からお話させて頂きましょうか。』
「え?あ、はい。お願いします。」
心なしか海苔巻さんの表情が変わった気がするけど・・・気のせいだろうか・・。
『まず、PDCをきちんと行う為に必要なのが、
その会社さんの会計データですね。
これがどういう状態であるかを確認します。
肝心のデータがきちんとしたものであるかを確認し、
問題なければ次のステップへ。
もしも少しデータがごちゃごちゃしてしまっている場合はそれを整理します。
こうして、経営戦略に使用できる状態へと整備するわけですね。
そして、その整理した会計のデータを元にその会社が
どういう状態なのかということを分析をして実態を把握します。
ここまでやって、ようやく「PDC」の「P」へと進めることが出来るんですよ。』
「・・・・・・へぇ。」
(事前に色々としなあかんことがあるんやなぁ・・・。)
でも、確かに計画とやらを立てるのに極端な話、
今日私が持ってきたみたいなデータを渡したら
そういう準備が間違いなく必要になるに違いない。
と、自分がつけていた帳面を思い出した。
『さて、それでは「P」についてですが。
「P=計画」ということからも分かるように、
この段階では先程の準備で整備したデータを使って、
何度も数値計画をシュミレートし、
目指すべき方向を行動計画と共に具体化していきます。
こうすることによって、様々な実行しなくてはならない課題が
浮き彫りになってくるんですよ。』
「・・・・・・・はぁ。」
なんか、説明し出してから心なしか
海苔巻さんが生き生き?としているような・・・。
『その課題を実行するための計画を作り(ここまでが「P」ですね。)、
それを「D」で実行する、というわけです。
これは私共では出来ませんからお客様の仕事になりますね。
その結果、計画通りにいったのか。もしそうであれば何が良かったのか。
うまくいかなかったのならその部分を徹底的に見直す。
これが「C」の検討にあたります。
この検討で新たに出てきた課題点、
それに対する改善策の模索などを次の計画、
つまり「P」で考えるわけですね。
先程本当は「A」がある、と言いましたが、
今説明したようにうちではそれがPに含まれている様なものなので
あえて挙げていないんですよ。
そして、このようなP→D→Cといったサイクルは
会社の健全な経営には・・・・』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
『・・・・小町さん?・・・どうかしましたか?』
はっ。
「・・・・えーと・・・・すいません。途中からよく分からなく・・。」
甘かった。やっぱり難しい。(分かるような分からないような感じだった。)
自分の店がもう少し大きかったら分かる話かもしれないが・・・。
今の私にはいまいちピンとこない。
大事なことなんだろうなぁ・・とおぼろ気に思うばかりだ。
『あー、すいません。つい熱が入ってしまいまして。』
海苔巻さんが恥ずかしそうに頭をかいた。
「いえ、こちらこそ飲み込み悪くてすみません・・・。」
なんだかお互いが謝り合う変な事態に発展してしまった。
『・・・・そうですね、ではこういうのならどうでしょうか。』
少し考えるそぶりを見せた後、海苔巻さんは改めて説明をし始めたのだった。
・・・・・・本当、申し訳ないです・・・。
第22話へ続く。
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二十話~
今回のおにぎり屋たんと【経理編/本編】は第20話。
今回の「たんとさん」:小町さんは何か気になることがあるようです。
いったい何でしょう。経理編だけに経理のことでしょうか、はたまた・・・
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子です。
からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。
引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。
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聞きたいことがある、と私が切り出すと
『なんでしょうか?』
と海苔巻さんが姿勢を正した。
しかし、私が尋ねたかったのはそんな真面目なお話などではなく・・。
和やかな雑談ムードから一転、お仕事モードへと切り替わった
海苔巻さんの様子にちょっと慌てる。
「あ、ええとそんなピシってならないでください。
全然経理のことについての質問とかじゃないんです。」
『・・・?はぁ、そうなんですか?』
そんなにピシってなってましたかねぇ・・と苦笑する海苔巻さん。
うっかり変な表現をしてしまっただろうか・・。
・・・今日だけでこの表情を何回見ただろう・・と少し遠い目になった。
『それでは、どんなことをお聞きになりたいんですか?』
海苔巻さんが不思議そうな顔で尋ねる。
「あ、ええとですね。」
そう言うと、私は一番最初に貰った名刺をごそごそと
メモの海から探し出し(いつの間にか埋まってた)
そこに書いてあった『PDC支援事業部』という言葉を指した。
「あの、これがさっき海苔巻さんが仰ってたPDC事業部ってやつですよね?」
"PDC事業部の方で小町さんに合わせた内容・・・"
Excelデータで現金出納帳を作ってくれる、
という話をして貰ったときに出た言葉だったのだが。
そういえば、名刺を受け取った時も「なんだろう?」って思っていて。
後で聞けそうだったら聞いてみようと思っていたのだ。
「その" PDC "ってなんなのか、分からなくて。
えーと、たいした質問じゃなくて申し訳なかったんですが・・。」
苦笑して海苔巻さんを見る。
『ああ、そういうことでしたか。
いえいえ。興味を持って頂けて嬉しいですよ。』
合点がいった、というように海苔巻さんが笑う。
「その言葉って一般的によく知られた用語とかだったりするんですか?」
聞いたことはないけれど、もし誰もが知っているような言葉だったら
恥ずかしいなぁと思いつつ。
それなら尚更知らない方が恥ずかしいだろうと、思い切って尋ねてみた。
『いえ、一般的にはあまり馴染みの無い言葉だと思いますよ。
経営者の方では"PDC"を意識されてる方も多いかとは思いますが・・・。』
(よかった。)
心の中でほっと胸をなで下ろす。
どうやら今度は恥をかかないで済んだらしい。
「そうでしたか。・・・ちなみに、それってどういったものなんですか?」
一応、1人だけで店をやってるとはいえ
私も「社長」さんには違いないのだから、と。
せっかくなのでさらに詳しく内容を聞いてみることにした。
第21話へ続く。
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第十九話~
今回のおにぎり屋たんと【経理編/本編】は第19話。
今回の「たんとさん」は・・・。
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子です。
からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。
引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。
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『現金の出納帳の件なんですが・・・
小町さんはパソコンをお持ちですか?』
「・・・パソコン、ですか?そんなに新しいものじゃないですけど・・。」
一応、あります。と、
出納帳とパソコンとの関係が分からず、首を傾げながら答えた。
『ああ、それは丁度良かった。って、すいません。
意味が分からないですよね。
さっきまでの説明で、今後の処理に現金出納帳がもう一冊
必要になることがお分かり頂いたと思うのですが・・』
そういえば現金出納帳は出金用と入金用に
分ける必要があるんだった。
確かに一方は今の続きを使うとしても、
もう一方は新たに用意する必要がある。
『今日見せて頂いた出納帳をもう一冊用意して頂くのでも
全然構わないんですが、うちで小町さん専用の日計表・・
ええと現金出納帳をExcelデータでお作りして、
お渡しできる、ということをお伝えし忘れていたので・・』
うっかりしてました、と苦笑する海苔巻さん。
「へぇ、そんなことをしてもらえるんですか。」
思ってもみなかった申し出に目を瞬かせる。
『はい。うちの事務所のPDC事業部の方で
小町さんに合わせた内容、様式で作成させて頂きますよ。
けれど、これはいわばひな形の様なものですから、
後で「ん?」と思うところがあれば小町さんの使いやすい様に
手を加えてもらえればいいかと思います。』
「それは便利そうですねぇ。
・・・ただ、私。学生の時以来、ネット以外の機能は
まともに使ってないですけど。」
笑いながら言う。
しかし、Excelで帳面を作ってもらえるのなら便利かもしれない。
(あと、帳面買わなくて済む♪)
それにいくらまともに触ったのが遠い昔の事とは言え、
基本的な操作くらいは覚えている。
なんとかなるだろう。
『あはは、もし分からなければ指示さえ頂ければ改良しますよ。
それに、直接入力ではなく直接記入するのでしたら、
紙に打ち出してのお渡しも可能ですし。』
「あ、家にプリンタはあるのでそれは大丈夫です。
お気遣い、有り難うございます。」
そこまでしてもらうのは流石に申し訳ない。
自分で出来ることはなるべく自分でしないと・・。
それにしても・・・。色々細かなとこまでサポートしてくれるんだなぁ、
と思わず感心した。
(あ。・・・・・そういえば・・。)
私も、一つ聞きたかったことを思い出し海苔巻さんへと切り出した。
「海苔巻さん。あの私も一つお聞きしていいですか?」
第20話へ続く。
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第十八話~
今回のおにぎり屋たんと【経理編/本編】は第18話!!
今回の「たんとさん」は、経理についての説明が一段落。
ほっと一息と思いきや・・・
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子です。
からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。
引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。
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『さて。これで一通り簡単に、ではありますが
説明をさせて頂いたわけですが・・。』
私がメモを取り終えたのを見計らって、海苔巻さんが口を開く。
『なんとなくでも、処理の流れはイメージして頂けたでしょうか?』
説明の度に、何度も細かく質問を入れたが
嫌な顔ひとつせずに聞いてその都度丁寧に教えてもらえた。
そのおかげもあって、あれだけ頭を悩ませた経理だったが、
今は早く帰って教えて貰ったことを実践したくてしょうがなかった。
・・・決して忘れそうだから早くやりたいわけではないと断言しておく。
我ながら誰に向かって言ってるんだと思うが、
なんとなく心の中でフォローをいれてみた。
「はい、おかげさまで。なんとか出来そうっていう希望が見えてきました♪」
ここへ来た当初のがちがちの緊張状態はどこへやら。
今ではにこにこと返事をする自分が居た。
『そうですか。それはこちらも(頑張って)
説明した甲斐があったというものです。』
「・・・・なんか、今変な含みがありませんでしたか・・?」
『ははは、やだなぁ。気のせいですよ、気のせい。』
そう言ってにこやかに笑う海苔巻さん。
「ほんとですか・・?なんかあやしいですけど。」
和やかに他愛もない会話が続く。
さて、これでそろそろお暇するとしようか。
そう思い、その旨を切り出そうとしたが、
何かを思い出したと言った様子で海苔巻さんがこちらを見た。
『すいません、あともう一つだけ言い忘れていました。』
なんとなく雰囲気で私が帰ろうとしたのが分かったのだろう。
少し、申し訳なさそうな口調で海苔原さんが話し出したのだった。
第19話へ続く。
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第十七話~
今回のおにぎり屋たんと【経理編/本編】は第17話!!
今回の「たんとさん」は、預金通帳の詳しい運用について学んでいるようです。
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子です。
からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。
引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。
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『最初に言っておく事としては、
商売用の通帳は沢山はいらないということです。
増えれば増えただけ手間もかかりますしね。
・・・もっとも、この点に関しては小町さんは大丈夫だと思いますが。』
笑いながら海苔巻さんが言う。
「・・・すいませんってば・・。」
・・・自分の頑固さが恨めしい。
『はは、こちらこそすいません・・つい。ええと、話を戻しますね。』
そうしてクダサイ。
『それでは、新しく商売用の通帳を作ったとして聞いてくださいね。』
頷いて先を促す。
『まずは・・・そうですね、生活費の説明から。』
「生活費、ですか?」
店の話になると思っていたので少し意外に感じた。
『そうです。商売するにしても基本の生活が成り立ってないと
何も出来ないでしょう?』
それはそうだ。
『ですから毎月、定額の給与相当分を
商売用通帳から生活用の通帳へ振り替えるように
してくださいね。』
頷いてメモをとる。
『次に通帳を使用する上での注意なんですが・・・。
個人の物の購入や、支払は必ず生活用の通帳から出金すること。
決して商売用から出金してはいけません。』
「・・・分けた意味、なくなりますよね。」
『そうなんです。それから、銀行への記帳はこまめに。
そうですね・・・10日に一度くらいは行く方が良いでしょう。』
「・・・そうなんですか?」
別にいいんじゃないかという気がするが・・。
『何故かと言うとですね、記帳したからと言って
必ずしも摘要に印字がある訳ではないからなんです。』
「え、そうでしたっけ?」
・・・あまり通帳の摘要欄をまじまじと見たことが無く、思い出せなかった。
公共料金や電話代くらいは記載があったのは覚えているが・・。
『はい、空欄なこともあります。ですから、記帳をしてみて印字がなければ
その場でメモを取っておいたほうが良いでしょう。
後になればなるほど処理が大変で、面倒に感じると思いますから。
・・・それに。』
「・・・それに・・?」
言葉を区切る海苔巻さんに視線を向ける。
『小町さんは記帳自体を全くしないで放っておくと、
どうなるかご存知ですか?』
「・・・?いえ・・・普通に印字されないんですか?」
『それがされないんですよ。
その場合、最悪「まとめ記帳」というものになります。』
「まとめ記帳・・・。というからには・・合計ですか・・?」
はじめて聞く言葉に首を傾げる。
『はい、どれだけ沢山の取引があったとしても・・
どれだけ長期間でも・・・合計一本で表示されます。』
「・・・そうなんですか・・・。」
それは・・困る。非常に困る。
内訳が全くの不明、ということなのだから・・
摘要が空欄とかのレベルではない。
『この場合、銀行さんにお願いしないと
いけないことになりますから・・・。
注意してくださいね。』
「・・・はい、こまめにします・・・。」
(知らんことがいっぱいやわ・・。家帰ったら整理せんと・・・。)
すでに数枚目となったメモには「記帳はこまめに!」と付け足し、
二重線を引いておくことにしたのだった。
第18話へ続く。



