けいえい知っ得: 2009年6月アーカイブ

おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第二話~

先週から始まりました、おにぎり屋たんと【事業拡大編】第2話。

実は4編目なんです。

1編目は、おにぎり屋 "たんと" で学ぶ経営と会計【開業編】

2編目は、おにぎり屋たんと【経理編/導入部】

3編目は、おにぎり屋たんと【経理編/本編】

開業時に考えておきたいこと。

経理をしていく上での心構えや注意点。

を見ていただきました。

今回の4編目、

おにぎり屋たんと【事業拡大編】を通じて・・・。

 

ご覧いただいて確認していただきましょう!

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『なんや、全然わからへんのかいな。』

 

勉強不足ちゃうか、と笑われてちょっと悔しい。

でも、ここでへそを曲げられたら答えがもらえないのでじっと我慢。

 

『そやなぁ・・。でも、食べ物屋っていうのはええとこついてるで。

・・・・・・なんとな、それ、「たこ焼き」やねん。』

 

・・・・・・へぇ。って。

 

「ええ!?たこ焼き?・・・それってピザみたいに注文うけてから焼いて

持って行くんですよねぇ・・?」

 

思わず聞き返す。鉄板焼き屋みたいな、自分で焼けるたこ焼き屋さんとかが

あるのは知っているが、デリバリーとは驚きだ。

そんなチラシを見たら、ちょっと好奇心で注文してしまいそうな気がする。

 

驚く私の反応に気を良くしたのか

お馴染みさんが自慢気にそうだろうそうだろう、と

頷いている。

 

『な、びっくりするやろ?うちも驚いてん。

詳しい内容とかはあんまり覚えてへんねんけど・・・。

面白いこと始める人がいはるわぁって思ってなぁ。』

 

たしかに。・・・詳しい内容を出来るならちょっと聞いてみたかったのに。

残念だ。

 

「たこ焼きって言ったらやっぱり屋台のイメージとかが強いですもんねぇ。」

 

『そうそう。・・・なぁ、そういえばおねえちゃんとこはそんなんせぇへんの?』

 

ちょっとそのデリバリーを探してみようか、などと興味を惹かれていると

そんな事を尋ねられて苦笑する。

 

「いややわぁ、私1人だけやのに配達なんてできませんて。」

 

『けどそんなん人を雇ったらええんとちゃうの。

仕込みから何から何まで1人とかしんどいやろ?』

 

「いやぁ・・・その辺は家族が手伝ってくれてますし・・

完全に私1人ってわけじゃないんで。」

 

というか、人を雇うにも先立つものが必要だということを思い出して欲しい。

なんとなく思いつきを言ったのだろうが、

簡単に言ってくれるなぁ・・と心の中で苦笑する。

 

『ああ、そうなんかいな。でも、これから先ちょっとでも

新しいことを取り入れていかな生き残っていけへんのとちゃう?

それに、おにぎりの配達っていうのもあんまりないし面白いんとちがう?』

 

何故かノリノリで押してくるお馴染みさんに今度は苦笑を浮かべる。

 

「とか言って。それって単に奥さんが持って来て欲しいだけとちゃいますの?」

 

そう言えば。

 

『ああ、あかん。ばれてしもた。』

 

悪びれなく笑う相手に、しょうがない人やなぁと笑いを返す。

 

『だって、それやと楽やないの。

いちいち外に出んでもいいし。

ああ、もしそれでうちに来てくれたらお茶くらい出してあげるで?』

 

お馴染みさんの気軽さで、「なぁ、あかん?」と目で訴えられて・・。

 

「はぁ・・。馴染みの奥さんのお願いとあったらしゃあないですね。

わかりました。今度お持ちさせてもらいます。」

 

降参、と手をあげて了承する。

ただし、店番の家族がいる時だけという条件付きで。

 

『おおきに、さすがおねえちゃんやわ。これからもひいきにするさかい。』

 

なんて調子の良いことを言って上機嫌で「ほなね」と帰って行くその姿を見送る。

 

ほんの軽い気持ちで引き受けたこのおにぎりの配達が、これ以後。

思いがけない展開を迎えるとは、その時の私はまだ何も分かっていなかったのである。

第3話へつづく。

おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第一話~

新編突入!!

満を持して、おにぎり屋たんと【事業拡大編】 が今日から始まります。

実は4編目なんです。

1編目は、おにぎり屋 "たんと" で学ぶ経営と会計【開業編】

2編目は、おにぎり屋たんと【経理編/導入部】

3編目は、おにぎり屋たんと【経理編/本編】

開業時に考えておきたいこと。

経理をしていく上での心構えや注意点。

を見ていただきました。

今回の4編目、

おにぎり屋たんと【事業拡大編】を通じて・・・。

 

ご覧いただいて確認していただきましょう!

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小町さんが経理の基本を学び、

無事に確定申告を終えてから数ヶ月が経ちました。

あれから小町さんはどうしているのでしょうか?

少し覗いてみましょう。

 

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あれから数ヶ月が経ち、私は相変わらず1人でこの小さな城である

「おにぎり屋」を切り盛りしていた。

売上はうなぎのぼり!・・とまでは行かないが、

家族や友人知人の地道な応援のおかげもあり、

ありがたいことになんとか赤字にならずに済んでいる。

最近では固定客・・というかお馴染みさんが出来て、

会話を楽しむ余裕も出てきていた。

 

そんなある日。

昼のピークを過ぎ、仕事が一段落した頃、

いつもの様に馴染み客の1人である、

近所の年配の女性と話をしていると・・・。

 

『ああ、そういえば、あんたは知ってるやろか?

最近うちに面白いチラシが入ってたんやけど・・。』

 

ふと思い出したように言われ首を傾げた。

 

「え?いくらなんでもそれだけではわかりませんて。

面白いちらしってどんなんやったんですか?」

 

肝心な所を言わない相手に苦笑しながら問いかける。

 

『ああ、それもそうやねぇ。ごめんごめん。

ええっとなぁ。なんかほら、配達サービスのチラシってよく入るやん?』

 

ああ、そうですねぇと相づちを打って先を促す。

 

『でな、その中に変わったんがあってなぁ。

おねえちゃんはなんの配達やと思う?』

 

・・・・なぞなぞになってしまった。

 

「ええと・・・そうですねぇ・・・。

私に知ってるか?って聞くくらいやから

同じ食べ物屋さんなんかなぁって思いますけど・・・。」

 

検討つきませんねぇ、と笑うと。お馴染みさんも笑って。

私はあれこれと色々な配達を思い浮かべながら答えを待った。

第2話へ続く。 

おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二十三話~

今回のおにぎり屋たんと【経理編/本編】は第23話。

 

今回の「たんとさん」は・・・

涙あり、笑いあり?23回にわたってやってきた【経理編/本編】もついに最終回!!

これを通して少しでも多くの人に経理を身近に感じていただけると幸いです。

 

おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第一話~では、

おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。

徐々に事務仕事にも慣れた様子です。

 

おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二話~

からはすこし時間を巻き戻して、

会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。

 

引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。

 

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「ってことは、いずれ私が従業員を雇ったり、おにぎり屋として

 何か他にやってみたいことが出来た時なんかは・・・。」

 

『勿論、今ご説明したPDCが必要となってくるでしょうね。』

 

「・・・やっぱり。やはり、早い内に計画って立てた方がいいんですよね?」

 

『そうですね。なるべくなら新しい事を始める前に、

 ご相談頂けるといいかと思います。』

 

「そういうものなんですか・・。」

 

『はい。もし、それが自分では絶対上手くいく!

 と自信がある構想であっても。実際に事を起こすとなると

 様々な問題に直面するわけでして。

 それらの問題は初めての方だと想像できなかったりしますから・・・。』

 

「ああ、そっか。そうですよね・・。」

 

自分にも思い当たることがあり、しみじみと頷く。

 

『逆に、我々は色々な事例に関わらせて頂いておりますので、

 その経験を生かしたアドバイスが出来ます。

 どんな商売にもリスクはつきものですが、

 そのリスクを最小限に抑える為にもこうした早め早めの相談や、

 計画を立てる、といった行動を私達は推奨しているんですよ。』

 

再び海苔巻さんが熱く語り出してしまった。

温厚そうな人だと思ったが、なかなかどうして。

 

「・・・・海苔巻さんって、意外に熱くなるタイプだったんですね。」

 

笑ってそう言えば。

 

『いや・・・またやってしまいました。

 この手のお話はついつい力が入ってしまって・・。』

 

再び恥ずかしそうに笑う海苔巻さんの姿がそこにあったのだった。

 

計画を立てて、それを実行して、それがきちんと計画に沿っているか

確認して課題点を見つけ・・

次に生かす、か・・。

・・・なんだか経理のやり方を教えてもらったのと同じくらい

勉強になった様な気がする。

 

今はまだ小さなお店だけど、いずれ何か事を起こす時は必ず相談しよう。

そう、心に決めて。

私は海苔巻さんに礼を言い、初めての会計事務所訪問を終えたのだった。


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(その後)

2/16(月)

今日から確定申告の受付が開始された。

海苔巻さんの所の会計事務所さんに色々教えてもらったおかげで、

あれから帳面を付けるのがスムーズになって・・・結果。

無事に所得税の確定申告書を作成することが出来た。

(初めて自分で作成するので、分からない所は申し訳ないと思いつつ

海苔巻さんに電話で聞いたりもしたけど)

 

頼めば作成してくれるそうだけれど、

一番最初だけは自分で作成したいと伝えた。

海苔巻さんは笑って「分からなくなったらいつでも聞いてくださいね。」

と言って応援してくれた。

その時のことを思い出し、良い先生に会えて良かったなぁ

と表情が緩んでしまう。

 

「・・と、ここでいいのかな。」

 

申告書を持ってたどり着いた先には『中京税務署』の大きな看板。

人は初日のせいかまだまばらだった。

正面玄関の自動ドアの向こう側には受付らしきカウンターが見えている。

ニュースで期限間近の税務署の様子を見ることがあるが、

あれとは雲泥の差があった。

 

「わー、えらいすいてるわ。」

 

これならすぐに受け付けてもらえるだろう。

足取りも軽く、私は受付へと向かったのだった。

 

特に問題もなく、生まれて初めての申告書の提出を終えた私は。

自分へのご褒美、ということで。

そこから少し移動した先にある寺町の

とあるケーキの美味しい喫茶店で至福の時を過ごしたのだった。

 

                                                      ー終ー

 

おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二十二話~

今回のおにぎり屋たんと【経理編/本編】は第22話。

 

今回の「たんとさん」は、

前回お話しした「PDC」を具体的におにぎり屋たんとに当てはめてイメージしてみます。

  

おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第一話~では、

おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。

徐々に事務仕事にも慣れた様子です。

 

おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二話~

からはすこし時間を巻き戻して、

会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。

 

引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。

 

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『さっきお話しした「PDCA」という言葉は、大丈夫ですよね?』

 

今度はこちらの反応を確かめながら話を進める海苔巻さん。
どうやら本当にさっきは熱くなってしまっていたらしい。

 

「はい、それは大丈夫です。」

 

うなずいて海苔巻さんを見る。

 

『では、もっとイメージがしやすいように例を出してみましょう。』

 

「例、ですか?」

 

『はい。例えば・・一つの商談が持ち上がったとします。』

 

ふむふむ。

声には出さす、相づちを打つ。

 

『するとまず最初に、その商談をどうしたいかを考えなくてはなりません。

注文をもらいたい、と考えるのなら

その方向で計画を立てる、ということですね。』

 

私の立場で考えると・・・

おにぎりをお弁当屋さんみたいに配達をしたいと考えた、とか

そんな感じなのかな。

だとすると・・

そうするにはどうしたらいいかっていうのを考えて、計画を立てるってことか。

 

『では、実際にその商談相手と話し合いをしたとしましょう。

この時、その商談で指針となるのは

最初に立てた計画、ということになります。』

 

この場合の相手は、注文をくれるお客さんかな。

注文がもらえないと配達の仕事できないし。

ええと、さっきので立てた計画をもとに

お客さんから注文をもらえるように頑張る感じだろうか?

 

『そして、結果商談がまとまった、と言うのならば「うまくいったこと」が。

残念ながら破談、となってしまったと言うのならば「改善できる点」が。

それぞれにあるはずですよね。』

 

結果、配達という試みが上手くいったのかいかなかったのか。

駄目だったのなら何が駄目だったのかを考えるってこと・・でいいのかな。

 

「・・・・ああ。それがCの"チェック"にあたるわけですね。」

 

そんな感じで行動を振り返って。

そして、その課題点を改善するようにするのが『アタック』、と。

・・・なんかちょっと分かった気がする。

あ、でもここの事務所ではそれが次のサイクルの『プラン』にあたるって

さっきの熱い説明で聞いたっけ。

 

『そうそう、そうです。今度は上手く伝わったみたいですね。』

 

にこにこと海苔巻さんが笑う。

先生に褒められた様で少し嬉しい。

 

『私達は、このPDCのサイクルを回し続けることが

会社の健全経営に繋がると考えているんです。

ですので、今ご説明したサイクルが

会社さんで確立できるようにとお手伝いさせて頂くのが、

一番最初の質問にあった「PDC支援事業部」ということになります。』

 

「なるほど・・・・。

頭の中で『謎の事業部』だったのが、

ようやくきちんと『PDC支援事業部』として

認識されました。」

 

笑いながらそう言うと、「ひどいなぁ」と苦笑する海苔巻さんの姿が目に映った。

 

もしあのまま質問しなかったら「PDCA」なんて言葉は知らないままだったわけで。

海苔巻さんの居る事業部さんもずっと『謎の事業部』のままだったわけで。

海苔巻さんが気軽に質問できる雰囲気の先生だったことも大きいけれど、

聞いてみて良かった、と改めて思ったのだった。

 

第23話へ続く。