けいえい知っ得: 2009年11月アーカイブ

おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第二十四話~

今回は、おにぎり屋たんと【事業拡大編】第24話。

 

初めてご覧いただく方は是非

おにぎり屋たんと【事業拡大編】第1話

からどうぞ。

 

「まずは最低でもどれくらいの売上があれば良いのか。」

を把握するに当たって、固定費・変動費を理解した小町さん。

実は・・・。

 

+++++++++++++++++++++

 

そんな殊勝な態度でいた私。けれど、本当は・・・・

 

さっきまで教えてもらっていた固定費や変動費のことが

ところてん方式で頭からすぽーんと出て行きそうだったりする。

説明を聞いて、頭の中で反芻をして・・「OK!分かった!」

そう思ったのは確かなのだが・・・。

 

意味はないと分かっていても、なんとなく耳を片方抑えておきたい。

今はそんな気持ちでいっぱいである。

 

そしてそんな気持ちが顔に出ていたのだろうか。

 

『・・・あの、もし良かったらご自分でもメモを取られますか?』

 

ここで初めて聞いたり、知ったことを。

自分の中できちんと整理して把握する為に自分の言葉で文章に起こすのは

別に特別なことではないらしく。

 

『他の社長さんなんかも、よくメモを取ったりなさいますよ。』

 

「・・・・・そうなんですか?」

 

『ええ。後で話の内容を思い出す良い材料にもなりますから。』

 

小町さんも以前はメモを取ってらしたと思いますが・・・?

そう、不思議そうに言われて苦笑する。

 

以前、帳面の付け方なんかを教えて貰った時には

確かにメモを取っていたのだが・・。

なんとなく、今回はメモを取るタイミングを掴めずにいて・・

そのままだったのだ。

時間が貰えるのなら・・・有り難い。

 

『ああ・・失礼しました。こちらから声かけをするべきでしたね。』

 

もごもごと口ごもる私を見て察したらしい海苔巻さんが頭をかいて苦笑する。

 

「いいえ!とんでもないです。

あの・・ではさっさと書いてしまいますので・・。」

 

少しだけお時間を下さいとお願いすれば、

にこやかに『どうぞ』と返事が返ってきた。

メモを書き終えれば次はいよいよ【45,428】の数字(←第19話参照)についてだ。

海苔巻さんをあまり待たせるのも悪いので大急ぎで得た情報を書き付けていく。

すると、私が傍目にもかなり急いでいたせいだろうか。

焦らなくていいですよ、とでも言うように

 

『では、小町さんが頑張られてる間に・・せっかくですから、

私ももう一つ頑張って図を書いておきましょうかねぇ。』

 

そんなことを言って、海苔巻さんもレポート用紙に手を伸ばして・・。

 

こうして。

・・・・本来であれば誰かしらの話し声が聞こえるはずの客間は。

しばしの間、謎の沈黙に包まれたのであった。

 

 

第25話へつづく。 

 

税理士法人 久保田会計事務所

| | コメント(0) | トラックバック(0)

おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第二十三話~

今回は、おにぎり屋たんと【事業拡大編】第23話。

 

初めてご覧いただく方は是非

おにぎり屋たんと【事業拡大編】第1話

からどうぞ。

 

+++++++++++++++++++++

 

「それじゃあ、もし人件費や雑費以外で固定費の様に

月々ほぼ同額が計上される費用が出たとしても・・・

それに該当しなければ『固定費』じゃないってことなんですね。」

 

固定費と変動費の違い、更にその判別のポイントを教えて貰い、

確認の為に質問をする。

そうしないと、私の場合とんでもない勘違いをしていることが多々あるのだ。

 

『はい、そうなんですよ。』

 

にこにこと頷く海苔巻さん。

ようやく合格点をもらえてほっとする。

 

『勿論、この場合の売上の増減は「ある一定の範囲内」

という前提付きですけれどね。

でないと、とんでもなく売上が伸びても落ちても

固定費は変わらないというおかしな事になりますから。』

 

誤解の無いように、という配慮だろうか。海苔巻さんが補足をしてくれた。

申し訳ないことに私はと言えば、財務に関する知識がさっぱりなので・・・。

誤解も何もそんなことには全然何も引っかからなかったりするのだが・・。

言われてみれば確かに、例えば店の売上が100万になったのに

人件費と雑費の合計が最初に計算した3万いくらのまま、

というのはおかしすぎる。

 

『どうでしょう?納得頂けましたか?』

 

きっとすっきりした顔をしていたであろう私を見て

海苔巻さんがにこにこと尋ねてきた。

 

「ええ、やっと。」

 

自分の考えが面白いくらい間違っていて笑ってしまいそうなくらいだと伝えれば

 

『いやいや、結構皆さん勘違いされてたりするので

大丈夫です大丈夫。』

 

本当かウソか分からないフォローを頂いてしまった。

・・・ここは自分の為にも素直に信じておくことにしようと思う。

 

「あ、ちなみに。この材料費30%っていうのは決まり事なんですか?」

 

たまたま私が計算で使用していた率と同じだったので尋ねてみる。

 

『はい?・・・・ええっと。』

 

・・・・微妙な間があいた。・・何か変なことを聞いてしまったらしい。

 

『・・えー、この30%はですね。

小町さんが計画で立ててらした数字から持ってきたものですよ。

材料費を抑えたいというのであれば、

もっと低い数値で考えることも勿論可能ですが・・

そういう希望は後でお聞きすることにして。

今はとりあえず本題に入る前の説明の段階ですので・・

そのまま使わせて頂きました。』

 

「・・あ、そ、そうなんですか・・・。」

 

(私の計画の数値だったのか・・。)

どおりで変な反応が返ってきたはずだ。

 

『さらに変動費について説明を付け加えると・・

ちょっとややこしいかもしれませんが、変動費は

固定費とは対照的に【売上の増減によって変更する金額】になります。

ですが、その率は変動しません。

・・・そこは混同しないように注意してくださいね。』

 

「はい。」

 

つまり、私の計画上の数値でいくと30%という率がそれに当たるわけか。

(固定費は売上の有無に関係なくかかる費用で・・

変動費は売上の増減によって変わる。

極端な話だけれど、売上0円に30%掛けたとしたら結果は0円になるわけで・・。

売上がなければ変動費も出ないということでいいのだろうか。)

 

図を目で追いながら説明してもらったことを頭の中で整理していく。

(良かった。「材料費=変動費」のことを単純に

「月々で仕入れるものが違うから変動費?」とか自分視点で聞かなくて。)

また苦笑をもらってしまうところだった、とほっとする。

 

・・そういえば。

この材料費の%の数値は

日々の動きからだいたいで出したものだったけれど・・・。

先程の説明でいくとその数値を変えてのシュミレーションも出来るようで、

そちらも少し気になった。

けれど・・・。

 

『では、固定費と変動費についてご理解頂けたところで・・・

先程お見せした電卓の数値【45,428】円について

ご説明いたしましょう。』

 

まずはこっちの説明を聞いて理解する方が先と考えて。

 

「はい、よろしくお願い致します。」

 

再び始まった説明に耳を傾けたのだった。

 

第24話へつづく。 

 

税理士法人 久保田会計事務所

| | コメント(0) | トラックバック(0)

おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第二十二話~

今回は、おにぎり屋たんと【事業拡大編】第22話。

 

初めてご覧いただく方は是非

おにぎり屋たんと【事業拡大編】第1話

からどうぞ。

 

+++++++++++++++++++++

 

私が頷いたのを確認して、海苔巻さんが更に説明を続ける。

 

『そして、更に言えば・・バイト代や雑費といった費用は

極端な話、売上が例え0円でも

ほぼ同額が発生するものですよね?』

 

「・・えっと・・はい、そうですね。」

 

それが一体なんだろうといまいちピンとこないまま、

人を雇えば客がいなくても確かに費用だけは発生するなぁ

と想像して頷いた。

 

『ではここで一つ問題です。

人件費などと同様に発生が考えられる経費として

材料費もありますが・・・

これはメモに書かれていないことからもお分かりの様に、

固定費ではありません。

・・・一体何が違うと思いますか?』

 

・・・なんだか突然問題が出されて焦ってしまう。

当の出題者はそんな私を見ながら

今までの話を聞いていたら分かりますよ、的な表情で

にこにこしていた。

 

妙なプレッシャーを勝手に感じながら

今までの説明を脳みそフル回転で思い出す。

 

「・・こ、固定費は・・月々ほぼ同額のもので・・・。

・・材料費は月々同額とは限らないし・・・

だから、ですか??」

 

『うーん、おしい。90点ですね。』

 

えー!と声を上げると

 

「問題を出す前にせっかくヒントを言ったのになぁ」

 

と海苔巻さんが笑う。

それを聞いてまた、えー!?と声を上げる私。

 

『あはは。じゃあ、せっかくなので

併せて材料費についても説明しましょうか。

ついでに、今度は売上の中身の構造をイメージしやすい様に

図で表してみましょう。』

 

・・・一体そんなヒントをいつ言ったというのか・・・。

少しも思い出せないとってもザルな自分の脳みそを恨めしく思う私を尻目に。

海苔巻さんは手元に開けられたレポート用紙におもむろに何かを書き始めたのだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『よし、書けた。とりあえず簡単に基本的な図にしてみましたので・・・

こちらをご覧頂けますか?』

 

しばらくして、海苔巻さんが書く手を止めると

用紙の向きを私が見やすいように

変えてくれたので改めて視線を向ける。

そこには縦長の長方形の□(四角)が隣同士に2つ並んでいて・・・

それぞれに【売上】・【変動費/固定費(人件費・雑費)/利益】と書いてあった。

 

+++++++++++ たんと(事業拡大編)22話.JPG

 

+++++++++++

売上から費用を引いて残ったのが利益。

確かに、基本的だった。その分私でも分かりやすい。

 

「・・・・材料費は変動費、なんですね。」

 

見せられた手書きの図を見てそう呟く。

・・・・材料費が変動費なのは分かる気がした。

イメージしやすいというか・・。

だって、その日によって作るおかずとか仕入れることが

出来たものによって金額も変わるし・・。

 

『はい、そうなんです。でも、こっちの人件費などは

先程言ったとおり「固定費」になります。』

 

「・・・・毎月ほぼ同額で計上されるから、ですよね。」

 

『はい、概ね正解ですよ。』

 

概ね、という答えのとおり

どうやらそれだけが変動費との違いではないらしい。

ヒントは出したと言われたが・・一体何がどう違うのか、

さっぱり分からなかった。

 

「・・・はぁ・・。」

 

じゃあ、その違いは?と目で説明を促すと察した様に

軽く海苔巻さんが頷いて。

 

『先程も触れましたが・・・固定費なのかどうか、

その費用を判別するのに必要な点は

月々にほぼ同額が計上されていること。

そしてもう一つ。ポイントがあります。』

 

「ポイント・・・。それがさっき言ったというヒントですか?」

 

『はい。そうなんです。もう一つの判別のポイントは

【売上の増減によって変更しない金額】であるか

否か、です。』

 

「売上の増減・・・?」

 

変更しない金額?と小さく首を傾げる。

 

『売上が多くても少なくても、人件費やガソリン代といった

雑費は必ず発生しますよね?

逆に、材料費といった変動費にあたるものは

売上が伸びればそれだけ商品も多く出ているはず

なので、当然かかる費用も高くなります。

反対に売上が落ち込めば品数を減らしたりするでしょうから

かかる費用は低くなります。』

 

「・・・ああ、なるほど。・・・そういう・・って。ああ!」

 

意味なのか、と納得しかけて。思い出した。

確か、問題を出される前に「人件費などは

売上が0円でも発生しますよね?」と、尋ねられていた。

あれがヒントだったのか、とようやく気づく。

 

『・・・・ね?ちゃんとヒントを出していたでしょう?』

 

「・・・ですね。すいません。」

 

楽しそうな海苔巻さんに苦笑を返したのだった。

 

第23話へつづく。 

 

税理士法人 久保田会計事務所

| | コメント(0) | トラックバック(0)

おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第二十一話~

今回は、おにぎり屋たんと【事業拡大編】第21話。

 

初めてご覧いただく方は是非

おにぎり屋たんと【事業拡大編】第1話

からどうぞ。

 

+++++++++++++++++++++

 

+++++++++++++++++++++

【固定費】→人件費+雑費

人件費:900円×8h×4人=28,800円/日

雑費(ガソリン代など):3,000円/日

→28,800円+3,000円=31,800円/日

+++++++++++++++++++++

海苔巻さんが新たに抜き出した数字に目をやる。

(・・・これが計算に必要な数字・・?)

さっきの【45,428】という謎の金額はこれを元に

出したということで・・・。

・・・・さっぱり分からない。

 

『はは、そんな困った顔をしなくても今からきちんと説明致しますよ。』

 

「・・・あ、はい・・。えっと、その前に・・あの。固定費ってなんですか?

メモには人件費と雑費を足すって書いてありますけど・・。

それに、材料費とか関係ないんですか??

私はてっきりかかった経費を全部足したりするのかと・・・。」

 

疑問に思ったことを口に出す。

 

『ああ、そうですね。材料費のこともお話するつもりではいたんですが・・。

ではまずは、固定費や変動費といったものの説明から始めましょうか。』

 

「・・・すみません。」

 

とっても無知で・・・。

恐縮して小さくなる。

 

『初めてご相談に来られた時にも言いましたが・・

分からないことは分からない、とその都度言って頂いた方が

こちらとしても助かるんですよ?』

 

「・・・・はい。・・・そういえば・・あの時もそう言われましたね。」

 

帳面の付け方が分からなくて相談にきた時のことを思い出し、苦笑する。

 

『そうですよ。そう言った後は

あんなに質問攻めだったのに忘れるなんて(笑)

・・では思い出して頂いた所で早速本題に入りましょうか。』

 

海苔巻さんが笑うので。

今度はこちらも笑って「すみません」、と謝ったのだった。

 

『では、まず・・・メモに抜き出したことですし、固定費の説明から。

固定費、と言うのはここに書いている通り小町さんの計画で言うところの

バイト代である【人件費】とガソリン代等の【雑費】にあたります。』

 

分かった、という意思表示に軽く相づちを打つ。

 

「ええと、でも人件費もガソリン代もかかる費用って

その都度変わってきたりしませんか?」

 

どちらも毎月同じだけの費用が計上されるとは限らないと思うのだけれど・・・?

 

『はい、そうですね。

現実的には毎月同額が計上されるということは

ほとんどあり得ないと思います。』

 

「・・・ですよね。」

 

『はい。ですからそれに関しては財務分析上は

月々で余程大きな金額の差が出ない限りは

同じ固定費として見ていくことになります。』

 

「・・へぇ・・そういうものなんですか。」

 

『はい、実はそういうものなんですよ。』

 

確かにそんなに細かく見ていたら分析するのは大変そうだと納得したのだった。

 

第22話へつづく。 

 

税理士法人 久保田会計事務所

| | コメント(0) | トラックバック(0)