けいえい知っ得のブログ記事
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第六話~
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子です。
からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。
引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。
『・・・そうですね。まずはお金とその扱い方からいきましょうか。』
「・・・お金、ですか?」
『はい、小町さんは売上金の入った金庫から
時折お金を出金していたりしませんか?』
「・・・はい、急な支払とかで手元に現金が無い時なんかは・・。
後で返したらいいかと思って、つい・・。」
『まず、それが問題ですね。後で返す、がきちんとされていれば
結果的には大丈夫かもしれませんが
やはり「うっかり忘れる」ことが無いとは言えません。』
たしかに。
お金を頂戴した回数と返した回数は一致してないと思う。
・・・うろおぼえだけど。
『ですから、決して金庫のお金には手をつけないこと。
これをまず頭に置いてください。』
「は、はい。」
そうか・・・。
金庫の残高と帳面が合わない原因の一つはそれなんだ・・。
『そして次にしなくてはいけないことですが・・・。』
なんだろう?
『金庫の中身を管理しやすいように、
売上の入金用の現金・・これは釣り銭用ですね、
それと支払用の小口現金とに分けておきましょう。』
「・・・・・こぐちげんきん・・・?」
聞き慣れない単語に首を傾げる。
『ああ、すみません。小口現金というのは・・・』
海苔巻さんがさらさらと開いてあったレポート用紙に何かを書き付け、
私に見えるように見せてくれた。
「・・・小口現金・・・へぇ、こんな字なんですね。」
でも字面からはどういうものなのか、
普通の現金とどう違うのかさっぱり見えてこない。
それを察したように海苔巻さんが説明をしてくれた。
『はい、ちなみにこんな名前ですが
性質上は「現金」となんら代わりはありません。』
「え、そうなんですか?」
それなら現金でいいんじゃ・・・?
『はは、今「何の為にそんなことをするんだ」って思われたでしょう。』
「・・・あ、ばれましたか。」
うっかり顔に出していたらしい・・・。
ずばりと言い当てられてしまった。
『そうですね・・では・・。まずは小口現金についてお話しましょうか。』
よろしくお願いします・・・
第7話へ続く。
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第五話~
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子です。
からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。
引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。
「どうぞ、おかけになってください。」
その言葉にようやく私は腰をおろした。
その後で、海苔巻さんも向かいのソファに座り、
レポート用紙と筆記具を用意すると
「本日はどのようなご相談でしたでしょうか」
と、当たり前だが早速本題をふってきた。
貰った名刺をガラスのテーブルの上にそっと置くと、
私はここへ来ようと思った経緯を話し出したのだった。
+++++++++++++++++
「・・・・なるほど。」
私の話を聞き終えた海苔巻さんは
私が持ってきた帳面などの資料に目を通してくれていたのだが、
そんな呟きが聞こえドキドキと目の前の人物を見つめた。
「ああ、すみません。」
わたしの視線に気づいたのか、海苔巻さんが苦笑をもらす。
「いえ、あの・・・やっぱり・・・・変ですか、それ。」
今、彼が手にしているのは
現金の出納帳だ。(背表紙の金文字がまぶしい。)
どんなダメ出しがされるのだろうか、
と気分はもはや職員室に呼び出された生徒状態だった。
「そうですねぇ・・・。変、という訳ではありませんが帳面の付け方としては
少々問題がありますね。」
やんわりと遠回しに言ってくれてるけれど・・・
「・・・・駄目なんですね・・?」
ずばり、と言えば海苔巻さんはちょっと困った様な顔して結局は頷いた。
「あの、別に気を遣って頂かなくても大丈夫なので
どうぞびしびし言っちゃってください。」
覚悟はできていますっ!とそう告げる。
「・・・はは、分かりました。では・・遠慮無く。」
そう言った海苔巻さんの笑顔を見て
ちょっと早まったかと思わなくもないが・・。
「・・・はい、ヨロシクオネガイシマス。」
神妙に頷いたのだった。
第6話へ続く。
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第四話~
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子です。
からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。
引き続き会計事務所での小町さんをご覧下さい。
女性の職員さんがお茶を二人分持ってきて、
私と、その向かい側に湯呑みを置くと
再び一礼をして静かに部屋を出て行った。
お茶に口を付け、少しの間そのままソファーにかけていたが、
落ち着かなくなりおもむろに立ち上がると左側にある窓に近づく。
この来客室の窓は壁の部分が
ほとんどないんじゃないかというくらい大きなもので。
左や右は言うまでもなく。上は天井、下は床までという大きさだ。
向かい側が御所という立地条件をうまく使っているなぁと感心する。
ここは2階なので窓の側に立つと、
自然と下を歩く人々を丁度見下ろす形になり、
ちょっとお偉いさんにでもなったような気分が味わえる。
そんな馬鹿なことを考えていると、
後ろで「コンコンコンコン」とノックの音が聞こえた。
慌ててソファの前に戻り、緊張の面持ちで立ったままノックの主を迎える。
「お待たせいたしました。失礼します。」
扉を開け、部屋へ入ってきたのは同年代くらいの男性で。
もっといかめしい感じの年配の人を想像していた私は少し拍子抜けした。
・・・・・緊張が解けたとも言うが。
「小町さんですね。」
担当者らしき男性は
「初めまして」、
と軽く礼をすると名刺を取り出し差し出した。
これがドラマとかで見る名刺の交換(してないけど)か、
などと妙な感動を覚えつつ
どうも、とおずおずとその名刺を受け取った。
(えぇと・・税理士法人 久保田会計事務所 PDC支援事業部・・・・
・・・・PDCってなんやろうか・・。)
「税理士の海苔巻、と申します。本日は私がご相談をお受けいたします。」
どうぞよろしくお願いします、と変なとこにひっかかりを覚えたせいで
最後まで名刺を見終える前に自己紹介されてしまった。
慌ててこちらも挨拶をする。
「小町と申します。本日は・・あの、宜しくお願いしますっ。」
勢いよく頭をさげる。
すると
「そんなに緊張されなくても大丈夫ですよ」
とちょっと笑われてしまった。
・・・うう、恥ずかしい・・・。
・・・とりあえず。
後で聞けたら聞いてみよ・・・(今は無理や・・・)。
第5話へ続く。
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第三話~
前々回のおにぎり屋たんと【経理編/本編】~第一話~では、
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子ですね。
前回のおにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二話~からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂きました。
今回の第三話での小町さんはどうなるのでしょう・・・
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どきどきしながら階段をあがると、ガラスの扉の向こう側にはすでに
女の人がスタンバイしていた。
慌てて、階段を上りきり扉を開ける。
『いらっしゃいませ。』
同年代くらい(といってもあちらは20代前半くらいだろうが)の
女の子に、にこやかに出迎えられた。
・・・少し安心する。
「あの・・1時から予約をしていた小町ですが・・。」
「はい、小町様ですね。こちらへどうぞ。」
そういって、案内をしてくれた先は・・・。
ここで1対1で話すんですか?
と思わず聞きたくなるような広さ(←個人的な感想)の応接室。
しかも、壁一面が窓なので、向かいの御所がよく見える。
ちょうど、御所への入り口らしく犬と散歩をする人が中へと入って
行くのが見えた。
向かい合わせに置かれたソファにどちらに座れば?とまごまごしていると
「あちらへどうぞ。」
と促された。
「すぐに、担当者が参りますので、少々お待ち下さいね。」
そう言って軽く一礼をすると、女の子は扉のむこうへと姿を消した。
「・・・・・・・。」
とりあえず、外の風景をぼーっと眺めていたが頭の中は
(どんな人が来るんやろ・・。)
というのでいっぱいだった。
第4話へつづく。
おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二話~
前回のおにぎり屋たんと【経理編/本編】~第一話~では、
おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。
徐々に事務仕事にも慣れた様子ですね。
今回の第二話からはすこし時間を巻き戻して、
会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂きましょう。
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12月某日。
約束の時間、約束の場所へと私は来ていた。
ネットで見つけた会計事務所。
HPから印刷をした地図を見て確認する。
御所の南側で、グレーの壁のビル・・。
「・・・ここ、やんなぁ・・。」
近い、という理由だけで選んだその事務所は・・なかなかに立派だった。
少し・・いや、かなり緊張する。
先日相談の予約をするためにかけた電話をとったのは女の人で・・・
まぁ、感じは良かった。
(もっとツンケンした感じの対応を思い浮かべていただけに)
その時は、『あ、怖くなさそう』と安心したのだが・・。
「・・・あかん、やっぱ来うへんほうが良かったかも・・。」
すこし、怖じ気づく。
・・・しかし、約束の時間までもう5分も無い。
(・・・まぁ・・。悪徳商法やないんやし・・。
合わへんと思ったら、やめたらええんやし・・。)
よしっ、と気合いを入れて事務所へと続くであろう2階へと向かった。
第3話へ続く。



