けいえい知っ得のブログ記事

おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第五十三話~

今回の  おにぎり屋たんと【事業拡大編】  第53話。

 

初めてご覧いただく方は

是非 おにぎり屋たんと【事業拡大編】第1話 からどうぞ。

 

今回は、売上を伸ばす為、利益を伸ばす為に

どうすればいいのか考えてみましょう。

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『はい、小町さんのその考え方はどこもおかしくありませんよ。』

 

よほど私は自信なさげだったらしい。笑いを含んだそんな返事が返ってくる。

海苔巻さんの反応を見る限り、どうやら駄目出しはされずに済みそうだった。

 

『経費の削減に加えて単価のUPは勿論、有効でしょう。

・・・小町さんの理解度を知るためと、経費の削減に移る前の話を

思い出してもらうという意味も含めての質問でしたが・・・

いやはや、これはどうやら失礼な質問だった様ですね。』

 

にこにことそんな風に言われれば悪い気はしない。

しないが、こうやって考えることができる様になったのは

目の前に座る人物のおかげだと思っている。

 

「きっと・・きちんと頭に内容が残っているのは話が理解できたからです。

つまりは海苔巻さんの説明が良かったから、ですよ。

・・・・と言っても。忘れそうなのでこうやってメモも取ってますけどね?」

 

笑って見せたのはメモの束。

次にまたこうした機会があればノートにすべきだろうか

とちょっと考えてしまう程度には厚かった。

 

『はは、では私の努力と小町さんの努力の賜という訳ですね。』

 

笑みを浮かべる海苔巻さんにつられて私も笑う。

 

『あとは・・付け加えるとするなら、年間の販売数を伸ばす方法でしょうか。

単価UPのお話と一緒に少しお話したと思うのですが・・・。』

 

覚えていますか?と問いかける視線を受けて少し考える。

しかし。

 

「ええと・・・・ちょ、ちょっと待ってください。」

 

なんだったか思い出せず、がさがさとメモを探し出す。

 

『はは、どうぞどうぞ。』

 

慌てる私とは対照的にのんびりとした声が響き、海苔巻さんは優雅に

お茶を飲んでいた。

 

そして数分後。

 

「ええと・・。お客さんの人数・・つまり販売数を伸ばすには

ランチだけではたしか厳しいというお話でしたよね。」

 

当初の自分の計画では経費が利益を上回るという痛い結果に終わっていて・・。

それを逆転させる為にどうしたらいいか、という話の中で聞いた方法だった。

 

『そうそう。ではランチ以外にも・・となると。

何が効果的だと考えられますか?』

 

海苔巻さんが問いかけ、私は答えた。

 

「それは・・・残業食、です。」

 

『はい、そうでしたね、そうしておにぎりの価値を高めることができれば

集客力のUPにも繋がると思われます。』

 

「ええ。忙しい合間でも手軽に食べられるおにぎりは

夜食として最適だと私も思いますし、提案をお聞きして

実際にやってみるだけの価値はあると思いました。」

 

ランチだけでなく残業食にも対応となると、

さらにそこには人件費や諸々の経費がかかってくるわけなので、

計画の大幅な見直しは必要となってくるだろう。

しかし、うまく軌道にさえ乗ってくれれば・・・得るものは大きい、と思う。

 

『出だしから好調とはなかなか難しいものはあるでしょうが、

お客さんの間で認知度が高まれば、

利用者も増えるのではないかと思いますよ。』

 

なんとかは1日にしてならず、という所だろうか。

商売には忍耐力というものも必要なのかもしれないなぁと

思いながら頷いたのだった。

 

第54話へつづく。

税理士法人 久保田会計事務所

おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第五十二話~

今回の  おにぎり屋たんと【事業拡大編】  第52話。

 

初めてご覧いただく方は

是非 おにぎり屋たんと【事業拡大編】第1話 からどうぞ。

 

今回は、売上を伸ばす為、利益を伸ばす為に

どうすればいいのか考えてみましょう。

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『それでは、小町さんに納得頂いたところで・・・。

1つ復習を兼ねた問題を出してみましょうか。』

 

「問題・・・・。」

 

『はは、そんなに固まらないでください。とはいえ、

ただ「○○とはなんですか?」と尋ねるのではひねりがありませんので

問題というよりは質問に近いですけどね。』

 

(・・・別にひねらなくてもいいのに・・。)

思わず心の中で呟く。

なんだか大学の卒業試験での質疑応答を思い出して

私の方にだけ一方的に緊張が走った。

 

『ペナルティはありませんからご安心を。気楽に考えてください。

では・・・。今まで売上を伸ばす為、利益を伸ばす為、

色々な方法についてご説明させて頂いた訳ですが・・・。

それ以外で何か、小町さんなりにこうしたらいいのではないか、

と思いつくことはありますか?』

 

「私なりに、・・ですか?そうですね・・。」

 

それは応用問題といった感じの問いかけだった。

ただし、試験の様にこれらに決まった正解は無いはずで

海苔巻さんの言うようにペナルティが課せられる訳でもない。

例え突拍子もない事を言ったとしても良い点は良い、悪い点は悪い、

ときちんと指摘してもらえるのだからと経営初心者なりに考えてみることにした。

少し記憶を巻き戻し、受けた説明を反芻する。

 

「利益を上げる方法としては、包装費等の変動費の削減や

人件費のような固定費の見直しがあって・・・

それ以外には・・・あ、確か包装費の話に移る前に単価をUPさせる、

というお話もされていましたよね。」

 

『はい、そうですね。』

 

海苔巻さんが頷いて肯定する。

それを見ながら頭の中を整理して答えを探した。

 

「サイドメニューを増やすっていう提案でしたっけ。

・・・あれも一緒に考えるともっと効果あるんじゃないかな、

とか・・・思いました。」

 

あの時は確か売上は【単価×人数】で考えられるから・・・。

単価をUPさせる方法と、お客さんの人数を増やす方法を考えると

効果的ですよ、という話を聞いたのだったと思う。

途中から経費の削減の方へ話が移ってしまったので、

少し記憶は曖昧だったが間違いではないはずだ。

 

今の私が出した案は、特別ずばぬけて素晴らしいというものでは無かったが

これから経営者として成長できればいつか、相手を唸らせるような提案を

できる様になるんだろうか?

 

・・そんなことを思いながら出題者の駄目出しという名の判定を待ったのだった。

 

第53話へ続く。

税理士法人 久保田会計事務所

おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第五十一話~

今回の  おにぎり屋たんと【事業拡大編】  第51話。

 

初めてご覧いただく方は

是非 おにぎり屋たんと【事業拡大編】第1話 からどうぞ。

 

今回は、変動費と売上の関係について学んでいきましょう。

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『そうそう、小町さんの仰るとおりです。

固定費の削減では減らすのに成功した分しか

利益として反映しませんが、変動費の削減では

固定費を減らすのに成功した分以上の利益が

場合によっては見込めるということなんです。

だんだんのみこみが早くなってこられて嬉しい限りですよ。』

 

教え甲斐があっていいでしょう、などと軽口を叩いたが

気になるフレーズがあったのでついでに質問をしてみることにした。

 

「さっき海苔巻さんは、成功した分以上の利益が

『場合によっては』見込める、と仰いましたが

どういうことなんですか?」

 

『これはこれは・・・本当に教え甲斐のある生徒さんですね。』

 

どこか嬉しそうな様子で海苔巻さんが口を開く。

 

『つまりですね、変動費の削減の場合は

売れなければ意味が無いんですよ。

売れ行きが良くて売上が伸びればその分どんどんと

利益は削減成功分の+αを加えた状態で増していきます。

しかし、例えば梅雨の時期などで

お店に直接来店されるお客さまが減ってしまったとしましょう。

すると、いくら経費を削減したと言っても

利益への貢献度合いは低いままということになりますよね。』

 

「・・・ああ、それで『場合によっては』と仰ったんですね。」

 

なるほど、と納得する。

 

『はい。ちなみに・・・。この図式をさらに分解するとですね・・・。』

 

そう言うと、海苔巻さんが新たに何かを書き加えていき。
次の様な式を目にすることになった。

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【おにぎり価格に対して2%のコストダウン成功=

                                    おにぎりの年間売上×2%の利益貢献】

                  ↓

【おにぎり価格に対して2%のコストダウン成功=
             (おにぎり単価×おにぎり年間販売個数)×2%の利益貢献】

     ※注意→%の数値は変動します。
──────────────────────────────────────────

「・・ええと・・?おにぎりの年間売上の所を

さらに詳しく書かれたんですか?」

 

『はい、そうなんです。このように売上を構成する

1つ1つの要素を明確にして理解することで

今現在、売上や利益をあげる為に自分が出来ることは何か

ということが考えやすいのではないかと思いまして。』

 

「・・と、いうと・・?」

 

『少し説明が漠然としてしまいましたか。

つまりですね、簡単に言えばこの図で表している通り年間売上は

(おにぎり単価×年間販売個数)で計上される訳ですよね。』

 

「あ、そうか!わかりました。ということは・・・・

売上を伸ばして利益をUPさせたいと考えるならその2つの要素の

どちらか、もしくは両方について出来ることを考えたり

見直したりすることが重要ということですよね!』

 

どうです?と相手を窺えば。

良くできましたとばかりににっこりと笑みを浮かべた「海苔巻先生」の姿が

そこにあって、なんだか嬉しくなる。

 

『はい、その通りですよ。

ちなみに、ここでは2%のコストダウンに成功した場合を

例として式を書いていますが、おにぎりの単価を上げたり、

下げたりすることで当然この利益貢献の率というものも

変わってきますのでご注意くださいね。』

 

「あ、そうか。そこは変動費の引き下げ率ですものね。」

 

おにぎりの価格に対して何%下げられたか?と考えるのだから

変動して当たり前である。

けれど、自分で自分のうっかりさ加減を自覚しているので

この補足は有り難かった。

(後で、あのメモを貰えないか聞いてみよう。)

 

気をつけます、と頷きながら密かに海苔巻メモを狙う私なのであった。

 

第52話へ続く。
 

税理士法人 久保田会計事務所

おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第五十話~

今回の  おにぎり屋たんと【事業拡大編】  なんと、第50話!!

 

初めてご覧いただく方は

是非 おにぎり屋たんと【事業拡大編】第1話 からどうぞ。

 

今回は、変動費の意味・固定費との違いについて学んでいきましょう。

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「つまり、そこが変動費の削減の場合との違いってことですよね。

変動費の場合はどういう利益の出方になるんですか?」

 

『おや、随分積極的な質問ですね。』

 

感心感心、となんだか本当に先生のような反応が返ってきて苦笑する。

 

「一応、成長してるんです。で、どうなんです?」

 

全てを一気に理解するのは難しいが少しずつでも内容が理解出来てくると

もっと知りたいという欲が出てくるものだと思う。

少なくとも私はそういう人種らしい。

 

『はは、まぁそう急かさないで。

小町さんの仰るとおり変動費は固定費の削減の場合とは

異なった形で利益に影響をもたらします。』

 

「・・と、なると・・・固定費で浮いた分が

直接利益に結びつくってことだから・・・

変動費の場合はそれが間接的・・・?」

 

駄目だ、対照的な言葉でごまかしたが言っていて意味が分からない。

 

『いえ、間接的にというのは少し語弊があるでしょうか。

そうですね、先程強調したポイントを思い出してください。』

 

「えっと・・100万の利益はあくまで100万円ということですか?」

 

そうそう、と海苔巻さんが頷いて肯定する。

 

『はい。例えば・・商品の価格というのは作るのにかかった

諸々の費用に加えお客様がこれくらいの値段なら

買ってくれるだろうという価格の上限を考慮にいれて

決めますよね?』

 

「はい。」

 

『もちろん、売上を伸ばすことを目標とするのか

利益を伸ばすことを目標とするのかなど、

設定する目標によって価格設定は異なってきますが、

ここではイメージしやすいこの設定で考えてみてくださいね。』

 

「・・・はい。」

 

ひそかにそんなに価格を決めるのに色々な考え方があるのか・・

と思ったのだが今はその質問はぐっとこらえる。

でないと、何を話していたのかわからなくなりそうで恐ろしい。

 

『では、その設定した価格に対して2%のコストダウンが

包装費の見直しで実現できたとしましょう。その場合・・・』

 

海苔巻さんが手元のレポート用紙に何やら書き込んでいく。

 

【おにぎり価格に対して2%のコストダウン成功

                                                          =おにぎりの年間売上×2%の利益貢献】

 

『この様な図式ができる訳です。

もし、年間売上が400万あったとすれば

内8万円が利益として増える計算ですね。』

 

「・・・なるほど・・・つまり売れれば売れるほど

利益は上がるってことですか・・。」

 

こちらへと向けられた式を見ながら、

固定費の削減との違いの意味をようやく理解したのだった。

 

第51話へつづく。

税理士法人 久保田会計事務所

おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第四十九話~

今回は、おにぎり屋たんと【事業拡大編】第49話。

初めてご覧いただく方は

是非 おにぎり屋たんと【事業拡大編】第1話 からどうぞ。

限界利益・損益分岐点を学び計画を見直しています。

しかしなかなかうまくいきません。

そんななか前回から引き続き今回も、経費削減のポイントについてのお話。

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『さて。それでは先程からお話していたのは経費の削減のなかでも

変動費に焦点をあてたものだったんですが。

経費と呼ばれるものには変動費以外にも

まだあったことを覚えていらっしゃいますか?』

 

「えっと・・・材料費とかが変動費だったからあとは・・。

人件費とか売上の有無に関係なく発生する・・固定費、でしたっけ。」

 

おずおずと答えた。自信満々に言い切れない自分の記憶力に完敗である。

 

『はい、大丈夫ちゃんと合っていますよ。

今答えていただいた固定費ですが・・

こちらも削減することが出来れば

やはり利益を増やすことが出来ます。』

 

「あ、それはそうですよね。

ええと・・人件費は例えばうちだと家族の手を借りて

外部の手は最低限にするとか・・近場であればバイクではなく

自転車を使って燃料を浮かす・・とかでしょうか。」

 

現況に対して実現可能かどうかはこの際置いておいて。

いずれも単純ではあるが、思いついた削減方法を述べてみる。

 

『そうですね、具体的に例をあげるならその辺りが妥当でしょう。

ちなみに。変動費と今あげて頂いた固定費では

利益を生むという点では同じなのですが、

その貢献度・・まぁ影響力とでも申しましょうか、

それが全く違うということは想像できますか?』

 

「・・・いや、全然さっぱりです。

貢献度・・・どっちが得かとかそういうことですか?」

 

『どちらが得とは簡単に判断はできませんが、

経営の状況次第ではそういう見方で捉えることもありますね。

勿論、両方できるのならそれにこしたことはありません。』

 

「・・つまり・・・?」

 

分かったような分からないようななんとも言い難い表情を

自分が浮かべていることは想像に難くなかったが

余計な口は挟まずに先を促す。

 

『つまり、ですね。固定費・・ここでは仮に人件費としましょうか。

それがご家族の協力を得ることで年間100万円ほどの

削減に成功したと考えてください。』

 

ふむふむと頷きながら想像する。

 

第50話へ続く。

 

税理士法人 久保田会計事務所