けいえい知っ得のブログ記事

おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第十八話~

今回は、おにぎり屋たんと【事業拡大編】第18話。

 

初めてご覧いただく方は是非

おにぎり屋たんと【事業拡大編】第1話

からどうぞ。

 

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すっかり気落ちしてしまった私を見て海苔巻さんが苦笑する。

 

『まぁまぁ、そんなに気を落とさないでください。

まだ、採算の取れない計画だと決まった訳ではありませんよ。』

 

しかし、その言葉は慰めの言葉にしか聞こえず・・。

 

「・・・・だってマイナスですよ?無理ですよ、無理。」

 

いつか黒字になるかも!なんて到底思えなかった。

 

『おやおや、随分弱気になってしまわれましたね。

マイナスになってしまったと言っても

実際に事を起こした訳ではないでしょう?』

 

「・・・まぁ・・そうですけど・・」

 

あんな穴だらけの計画でも1日あたりの売上は

現実的に考えて出したものだった。

経費だって・・まぁ人件費以外は問題はないはず・・・。

それで足が出たのだから・・やはり無理なのだと思う。

 

『今回は人件費が小町さんが思っていたよりも高くついた為に

利益が減ってしまいましたが・・・。

では、逆に。利益がマイナスにならない境界線って

いくらぐらいだと思いますか?』

 

「ええっ?マイナスにならない境界線、ですか・・?」

 

海苔巻さんは頷いて、返事を待っている様子だったので慌てて考える。

 

「・・・えーっと・・・。・・・・・かかる経費よりも上ってことくらいしか・・。」

 

分からないと申し訳なさそうに答えると、

海苔巻さんは頷いてさらに説明を続けた。

 

『はは、そんなに恐縮しなくても考え方は合っていますよ。

実は、かかる経費から逆算することで

だいたいの売上を出すことが可能なんです。

そして、その答えから「最低でもこれだけ売れたら大丈夫」

という基準が分かれば・・・

今度はその数字の実現もしくはその上を行く為には

何をすれば良いかと考えることができると思いませんか?』

 

「・・はぁ。」

 

(・・・わかるような・・わからないような・・?)

いまいちピンとこないまま曖昧な返事を返す。

それが伝わったのか・・

 

『・・まぁ、こうしてクドクドと説明するよりも実際にしてみた方が

きっと分かりやすいですよ。

とりあえず・・・小町さんのこの計画を元に考えてみましょうか。』

 

「・・あ、はい。」

 

案ずるより産むが易し、ということなのか。

もしくは習って覚えろということなのか・・。

 

どちらにせよ、あまり頭でじっくり考えるタイプでは無かったので・・

そちらの方が私には向いていそうだと思った。

けれど・・。

(・・・私、もう諦めようと思ってたんやけどなぁ・・)

なんとなく海苔巻さんにのせられる形で。

いつの間にやら話は計画の立て直しへと突入していったのであった。

 

第19話へつづく。 

 

税理士法人 久保田会計事務所

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おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第十七話~

今回は、おにぎり屋たんと【事業拡大編】第17話。

 

初めてご覧いただく方は是非

おにぎり屋たんと【事業拡大編】第1話

からどうぞ。

 

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ひとしきり笑った後、私は再び自分の案を書き出したメモに目をやった。

 

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【ランチ】

・@550円/食

・一日に4人/件→20件くらい見込みあり?(オフィス街など)

 

・バイト(配達要員)4人

・バイト代→@900円(1日2時間くらい)→1人あたり1,800円/日

 

・キャノピー(配達車両)×2台 *中古車で一台20万くらい

・自転車(配達用)×2台 *中古車なら1台1万以内

・ガソリン代などの雑費 3,000円くらい?

ーーーーーーーーーーーーーーーー

【売上】550円×(20件×4人)=44,000円/日

【材料費】44,000×30%=13,200円/日

【人件費】900円×2h×4人=7,200円/日

 

◆1日あたりの利益◆

44,000円-(13,200円+7,200円)=23,600円/日

(*雑費3,000円を△してだいたい 20,600円くらい?)

 

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予測した一日あたりの利益は2万と少し。

修正後は利益が出てもわずかでしょうと言われた私の計画。

今のままだとどれくらいの利益が手元に残ることになるのか・・。

先程、海苔巻さんから受けた指摘を元に計算し直してみることにした。

 

(ええっと、人件費が28,800円だったから・・・)

 

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◆1日あたりの利益◆

×44,000円-(13,200円+7,200円)=23,600円/日

○44,000円-(13,200円+28,800円)=2,000円/日

==================

(利益・・・2,000円・・・?)

しかしその結果は想像以上に悪く・・。

 

海苔巻さんに言われた様に、

初めから完璧な計画なんてないのだと分かってはいても・・

だんだん、自分のやろうとしていたことがものすごく無謀なことの様に思えてきて

『やっぱりやめようかなぁ・・。』などと考えてしまう。

(あ、違う。雑費を考慮に入れてなかったから・・それを引いて・・・。)

すでに2,000円となっていた利益から更に雑費の3,000円を引くと、

当たり前だが数字はマイナスになるわけで。

 

「海苔巻さん、なんだかこの配達ビジネス・・・

やめた方がいいんじゃないかって思えてきました・・」

 

人件費を見直してもらっただけでこの有様である。

 

ここへ来る前の勢いはどこへやら。

先程持ち直した雰囲気も、マイナスになると分かった後は再び暗くなってしまい・・

すっかり意気消沈した私なのであった。

 

第18話へつづく。 

 

税理士法人 久保田会計事務所

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おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第十六話~

今回は、おにぎり屋たんと【事業拡大編】第16話。

 

初めてご覧いただく方は是非

おにぎり屋たんと【事業拡大編】第1話

からどうぞ。

 

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人を時給900円の2時間業務で雇おうとしていた私なので。

やっと分かったのか、と呆れられても可笑しくないのだが、

海苔巻さんにそういう素振りはなかった。

少なくとも、表面上は。・・・・流石は専門家さん。

いや、専門家さんにだって偉そうな態度をとる人はいるだろうから、

これは人柄の問題かもしれないが・・・なんにせよ有り難かった。

ここでもし、馬鹿にでもされていたら恥ずかしすぎて

穴にでも入りたくなっただろう。

 

に、してもだ。

(・・・・・なんで気づかなかったんだろう・・わたし・・・。)

 

この分だと他にもざくざく問題が出てきそうだなぁ・・と、

心の中でそっとため息をつく。

そして更に、思考の海に潜りかけて・・・・

 

『・・・・・・・・と、いうのはどうでしょうか?』

 

海苔巻さんからの問いかけにハッとした。

 

「え、は・・はい?」

 

(・・・・・話が再開されてたのに気づかなかった・・。)

 

「す、すみませんっ!えっと・・・・・・・・な、なんでしたっけ・・?」

 

授業中に内職を見つかった生徒の様な気持ちでこわごわと視線をあげる。

 

『いえいえ、そんなにかしこまらなくても・・・』

 

そう言うと海苔巻さんは嫌な顔ひとつせずに

もう一度説明をしてくれたのだった。

 

『私が人件費で問題がある、と思ったのは勤務時間だけなので

そこを考え直せば大丈夫ですよ。

ですので・・・この、2時間というのを・・。』

 

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【小町さんの案】

・バイト(配達要員)4人

・バイト代→@900円(1日2時間くらい)→1人あたり1,800円/日

   ↓

【修正後の案】

・バイト代→@900円(1日8時間くらい)→1人あたり7,200円/日

 

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『・・・このくらいに増やして、1人あたり1日7,200円

とするのはどうでしょうか?

そうすると・・・それが4人分ですので・・・』

 

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◆修正後の人件費

→(900円×8時間)×4人=28,800円

 

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『単純に考えて人件費はこのくらいかかる事になりますね。』

 

レポート用紙に書かれた計算に目を落とす。

確かに、このくらいなら募集をかければ人は来てくれそうだと思う。

しかし、そうなると・・・。

 

顔をあげて海苔巻さんを見ると、その顔が頷いた。

 

『そうです。人件費がこれだけかかる、ということは

当初の計画のままでは利益が出たとしてもわずかでしょう。

ですから・・計画を根本から見直す必要がある、ということになりますね。』

 

(ああ、やっぱり・・・。)

 

半ば想像していた事とは言え、がっくりと肩を落とす私に。

 

『まぁまぁ、そう落ち込まないで。既に実行に移した訳ではなく、

小町さんはまだまだ計画の段階なんですよ?

これからいくらだって練り直せます。

それに・・・。』

 

「・・・それに・・?」

 

途切れた言葉に視線をやると、そこには真剣な顔があって思わず緊張する。

が。

 

『計画の立案初心者のお客様に

いきなり完璧な計画を立てられてしまったら、

私の仕事が無くなってしまいます。』

 

そうなったら奥さんにも怒られてしまうので困りますねぇ。

と、そんな事を言うものだから、少し笑ってしまった。

 

「・・・・それは・・とても・・困った事態ですね。」

 

わざとそんな言い方をしたのだろう海苔巻さんが、

未だ真面目な顔を崩さないで『そうでしょう?』

と相づちをうったので。

私はまた、笑ってしまったのだった。

 

第17話へつづく。 

 

税理士法人 久保田会計事務所

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おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第十五話~

今回は、おにぎり屋たんと【事業拡大編】第15話。

 

初めてご覧いただく方は是非

おにぎり屋たんと【事業拡大編】第1話

からどうぞ。

 

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【ランチ】

・@550円/食

・一日に4人/件→20件くらい見込みあり?(オフィス街など)

・バイト(配達要員)4人

・バイト代→@900円(1日2時間くらい)→1人あたり1,800円/日

・キャノピー(配達車両)×2台 *中古車で一台20万くらい

・自転車(配達用)×2台 *中古車なら1台1万以内

・ガソリン代などの雑費 3,000円くらい?

ーーーーーーーーーーーーーーーー

【売上】550円×(20件×4人)=44,000円/日

【材料費】44,000×30%=13,200円/日

【人件費】900円×2h×4人=7,200円/日

 

◆1日あたりの利益◆

44,000円-(13,200円+7,200円)=23,600円/日

(*雑費3,000円を△してだいたい 20,600円くらい?)

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メモを見たままじっと考え込む海苔巻さんに

恐る恐る声をかけたのがついさっき。

それでもまだ視線は私が書き出した

「計画」に注がれていたけれど、

ようやく顔を上げた海苔巻さんは「それでは」というようににっこりと笑って。

 

『お待たせしてしまい申し訳ありません。

一つ一つ説明をしながら計画を振り返ってみましょうか。』

 

と、返事が返ってきたのだった。

 

「は、はい・・・。お願いします・・。」

 

内心ついに来た!とドキドキしつつ姿勢を正し、聞く体勢に入る。

 

『それでは・・・そうですね、まずは人件費から考えてみましょうか。』

 

「人件費、ですか?」

 

売上の予想から「これでは無理です」とばっさり切られると思っていた私は

少しばかり意外そうな表情を浮かべて海苔巻さんを見た。

 

『はい。この計画ですと、時給単価は900円、

雇い入れの人数は4人となっていますね?』

 

自分の書いたメモを見ながら頷く。

 

『そこまでは問題はありませんが・・・

勤務時間が2時間というのは少し無理があるのではないでしょうか。』

 

「・・無理、ですか?」

 

なんだろう・・。

 

『うーん、いまいちぴんとこない感じですかね?』

 

私の様子を見て海苔巻さんが苦笑する。

 

「あー・・すみません。

ええと・・・2時間であちこち回るのが無理、という意味でしょうか?」

 

とりあえず思いついたことを述べてみる。

 

『いえ、そうではありませんよ。・・・そうですね、

では小町さんが雇われる側の人だと想像してください。』

 

・・・仕事を探してるってことかな。

頷いて、その状況を思い浮かべる。

 

『求人広告でもなんでも構いません、

今の条件の仕事を見つけたとしましょう。

・・・求職中の小町さんはそれを見てどう思いますか?』

 

・・・・時給900円、2時間勤務・・配達・・・。

・・・・・・・・・あ。

 

『・・・・・気づかれたようですね?』

 

「・・・・・はい・・。そんな短時間のバイト、

誰もしようと思わないですよね・・。」

 

一日あたり1,800円・・・。

単価がもっと良ければ別かもしれないが・・・。

 

『そうですねぇ、ちょっと難しいでしょうね。』

 

「・・・ですよねぇ・・・・。」

 

海苔巻さんの、そんなのんびりとした声にちょっぴり救われた私だった・・・。

 

第16話へつづく。 

 

税理士法人 久保田会計事務所

おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第十四話~

今回は、おにぎり屋たんと【事業拡大編】第14話。

 

初めてご覧いただく方は是非

おにぎり屋たんと【事業拡大編】第1話

からどうぞ。

 

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【ランチ】

・@550円/食

・一日に4人/件→20件くらい見込みあり?(オフィス街など)

・バイト(配達要員)4人

・バイト代→@900円(1日2時間くらい)→1人あたり1,800円/日

・キャノピー(配達車両)×2台 *中古車で一台20万くらい

・自転車(配達用)×2台 *中古車なら1台1万以内

・ガソリン代などの雑費 3,000円くらい?

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先に述べていたことに加えて、さらに続きに書いていく。

 

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【売上】550円×(20件×4人)=44,000円/日

【材料費】44,000×30%=13,200円/日

【人件費】900円×2h×4人=7,200円/日

 

◆1日あたりの利益◆

44,000円-(13,200円+7,200円)=23,600円/日

(*雑費3,000円を△してだいたい 20,600円くらい?)

 

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自分の勝手な見積もりだが・・・一応、計算をしていたのだ。

それでいくと一日あたり20,600円くらい利益が出ると思うのだが・・・。

 

「ええと・・売上は勿論予想なんですけど・・・。こういう配達モノって

だいたい「○千円以上で配達料無料」とかにするので・・。

そっちの方が得だからって人を誘って注文することが多いんですよ。

なので・・オフィス街も対象にいれたら

このくらいかなって思ったんですが・・。」

 

家で計算をしていた時はものすごく自信があって。

本当のことを言えばもっと注文1件あたりの人数を多くして計算をしていた。

けれど・・・。

 

『・・・・・ふむ・・・。』

 

じっと、私が書いたお世辞にも「計画書」とは言えないようなメモ書きを

その道のプロの人に見つめられたら、人数はもっと減らして計算するべきだったかな・・・。

と急に弱気になっても仕方がないと思う。

 

「ど・・どうでしょう・・・?やっぱりどこかに無理がありますか?」

 

沈黙に耐えられず、おそるおそる考え込む海苔巻さんに声をかけたのだった。

 

第15話へつづく。 

 

税理士法人 久保田会計事務所