所長: 2009年2月アーカイブ

訴訟社会と税務

訴訟社会になったとよく言われています。

争いごとを、話し合いで決めるのではなく、裁判で決めようとする

動きですが、当事者間の解決方法としての直接的な効果だけではなく、

判決なり、その結果が、間接的に税務にも及ぼす影響が大きくなって

くると感じた事件がありましたので、少し紹介します。

 

先日、日経新聞社の株式譲渡に関する最高裁の判決が下されました。

日経新聞社の元社員が譲渡した日経新聞社の株式譲渡に対する制限

の有効性を認める内容となっています。

 

以下、新聞報道の概略です。

 

日刊新聞を発行する新聞社では、日刊新聞法という法律に従って、

株主資格を事業に関係ある者に限定することがみとめられています。

この法律を適用している新聞社は多いと思われます。

 

しかるところ、日経新聞社では株式の売買を管理するため、社員等

で構成する団体である「共栄会」を設立して、株式売買の金額や、

方法などを規則化し、社員株主制度を機能させてきました。

 

今回、訴訟になったのは、元社員が、共栄会の規則に反して、決め

られた譲渡価額100円/株ではなく、1000円/株で他の元社員

に譲渡したことについて、会社がこの譲渡を認めなかったことから、

元社員が提訴したものでした。

 

結果、この譲渡を無効とする日経新聞社が勝訴しました。

以下の4点について検討した結果となっています。

①制度の趣旨や目的に合理性があるか

②株主に一方的に不利にならないか

③自由意志による合意だったか

④投下資本の回収が不当に妨げられていないか

 

注目したいのは、この株式の相続税評価額はいくらになるのか、

という点です。通常の評価方法を適用すれば、日経新聞社ほどの会社で

あれば、おそらく、100円/株であるとは考えられません。

 

しかしながら、流通する金額は100円/株に制限されることになり、

相続税評価額についても100円/株としなければ、担税力から

考えても不合理に思います。

 

当然、判決の中には相続税評価については一切ふれていませんが、

非上場株式の相続税評価額は大変高額になる場合が多く、

事業継承の大きな障害になることが多くあります。

 

一般の会社でも、今回の「共栄会」のような社員持株会を

設立している会社があります。私のお客様にはありませんが、

中には、節税だけを目的としたとしか思えないような

社員持株会もあるように聞いています。

 

そこで、社員持株会で定めた種々の規則について、

改めて今回の判決(上記4点の条件)と照らし合わせて、

制度上の不備がないか、確認しておく必要がでてきました。

 

うっかりすると、節税を否認されたり、株主構成や持株比率が

変わってしまい、会社の運営にも支障がでる場合も予測できます。

 

昨今では、税務に関する訴訟も多く、私自身、補佐人として

弁護士さんと一緒に裁判に参加することもあります。

通常税務の現場で一般的に検討されるのは、税金に関する訴訟記録

や裁決例となるのですが、改めて、税務以外の訴訟記録も確認してお

くことの重要性を認識させられました。

 

税法には、曖昧な規定も多く、実務上の判断に迷うことも多くあります。

今後も、いくつかある判例や裁決例などを駆使して、適確な税務判断を

提供できるよう、専門家として頑張っていきたいと思います。

 

ご支援よろしくお願い致します。

 

税理士法人久保田会計事務所 税理士 久保田博之

 

政府紙幣

政府が検討している経済対策の中に

「政府紙幣」を発行する案が出てきました。

要するに、日本政府が輪転機でお札を刷って

公共投資などの財政支出に使うというものです。

そんな手があったのか!と驚いた私は、

多数派、それとも数少ない勉強不足派なのでしょうか?

米国では南北戦争時に

戦費調達のために発行されたことがあると聞いています。

 

政府紙幣を発行するとどうなるのでしょうか。

税収に左右されず、借金もふやすことなく、

紙代と印刷代の負担だけ財政支出を賄うことができます。

一方で、一気に流通させると急激なインフレをまねく、

円の価値が下がる、などなど、弊害が指摘されています。

 

そこで、いったいいくらの紙幣を発行するとインフレになるのでしょうか。

穏やかなインフレと円安であれば、

むしろ歓迎されるべき弊害なのでしょうか。

 

日銀のお札は、政府紙幣とは根本的に異なると理解していますが、

果たして、本当にきっちり管理できているのでしょうか。

 

偽札が大量に出回っても同じことがおこるのでしょうか。

 

改めて考えると、経済対策とお札(お金)の流通について

無知なことが多いのに、我ながら反省しています。

大学のマクロ経済学でならったはずなんでしょうが、

情けない次第です。

 

また、きっちりと勉強していきたいと思う今日この頃です。 

後継者経営塾

いよいよ、21年4月より後継者経営塾を開講します。

 

私が理事長を拝命している、総合経済京滋税理士協同組合が主催します。

 

戦後開業された企業や、老舗企業の後継者難が

大きな問題となっている昨今ですが、

特に、中小企業において、

後継者の存在は大変大きなポイントとなっています。

現に、金融機関の会社評価の中にも、

後継者の状況により判断される場合も多いと聞いています。

 

そこで、様々な取組が必要となってきます。

政府も税法や民法の特例をつくるなどで、全面的に支援しています。

 

主に財産の引継についての対策に政府は力をいれていますが、

本当に重要なことは、財産承継だけではなく、

経営そのものの承継であり、さらに、実際に引き継がれる

後継者のやる気や考え方などのマインド部分のフォローだと思います。

 

 

後継者に自信を持って経営を引き継いでもらうためには、

幅広いスキルが求められますが、

実務に即したスキルを学ぶことは簡単ではありません。

 

そこで、税理士グループならではの人脈とノウハウを余すことなく活用して、

他に類を見ない充実した講師と内容で実施することになりました。

 

 

企業にとって「存続」は社会的責任です。

そのためには、健全な事業承継が欠かせません。

真剣に事業承継を考えておられる後継者の方、

また、既に事業承継をされた方で、体系的な経営者としての

スキルアップを目指される方は、是非ご参加下さい。

 

 

昨今の不況で、大手企業のサラリーマンを目指していた方の中にも、

少しの赤字で、すぐにリストラせざるを得ない現状を見て、

改めて地に足を付けた中小企業の良さや、

やりがいを再発見された方がおられると思います。

 

多くの方が、企業経営を通じて夢を実現できる社会になってほしいと

心から願って止みません。

 

 

皆さんのご参加、お問い合わせをお待ちしています。

                                          詳しい内容は↓こちらまで

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定額給付金

国会審議を経て、いよいよ定額給付金が支給される事になりました。

皆さん、どうされますか?

 

国からのキャッシュバックのような感じですが、

とっても違和感があります。

 

税金の無駄使いを問題にしながらも、景気刺激のためには、

給付金を使わなければ効果がでないことになります。

 

とは言え、決まったのですから、悪策かどうかは別にして、

しっかりもらって、上手く使いましょう!

 

景気浮揚のきっかけになることを願ってます。

それと、受け皿となられる小売、サービス業界の方にも

気持ち良く使えるアイデアを期待しています。