所長: 2009年10月アーカイブ
モラトリアム(返済猶予制度)
いよいよ、民主党政権の目玉施策の一つ、
中小企業の借入金を一時返済猶予する制度の概要が固まりつつあります。
いわゆるモラトリアムです。
亀井大臣が就任直後より突如発表され世間をあっと言わせた政策です。
現在、判っている法案では、
①一律に中小企業に対する銀行借入を返済猶予するものではない。
②銀行などの金融機関には、その実績、状況を報告させ、公表する。
③返済猶予する貸付金には、万が一貸倒た場合に政府の保証をつける。
その保証割合は40%とする。
④すでに緊急融資など、信用保証協会の保証を受けているものは、
今回の保証対象から除く。
⑤政府保証は信用保証協会を通じて行い、保証料は2.2%とし、
借り手である中小企業が支払う。
⑥金融機関は保証対象となった借入金について、
金利は低い優遇金利を適用すること。
従来の保証制度では、保証割合は80%のところ、40%となるため、
金融機関の貸倒リスクは高まり、中小企業は2.2%と
高い保証料を支払い、政府は40%の保証をすることで、
三者みんなで損を分け合うことになりそうです。
当初はなんでもかんでも返済猶予されると思われていましたが、
実際には、金融機関、中小企業の双方にとって
かなりハードルが高い気がします。
また、報道はされていませんが、
通常は、返済猶予先には新規融資はできないことになります。
従って、高い保証料を支払って、返済はストップできても、
期中の運転資金が不足する危険性が十分あります。
どの程度実行されるのかわかりませんが、
果たしてこれで本当に中小企業対策になるんでしょうか?
少し疑わしくなってきましたね。
税理士法人 久保田会計事務所
税理士 久保田博之
2010年度予算概算要求
先日、各省庁より2010年度予算の概算要求額がでてきました。
財布の紐を握っている財務省に他の省庁が
予算付けを要求するものです。
今回の予算要求額は昨年の要求額を下回るように、
首相から各省庁に通達されていたはずなのに、
結果は過去最高額の要求額となったようです。
もともと、無駄な支出は減らすが、国民への還元は大きくするという、
かなり無理のある政策を実行しようとするわけで、
首相の思い通りに行かなくても仕方ないとは思います。
結果は、予想どおり、赤字国債の発行になるようです。
今後は、この予算の内容を吟味して、
いや、査定して、減額交渉が始まります。
報道を見ていると何か子供が母親にお小遣いをねだっているようで、
微笑ましくも感じられ、不思議な感じがします。
差詰め、予算査定をする国家戦略室はお父さんでしょうか。
国民の血税と財産に係わることですから、方針がぶれることなく、
最後まで投げ出さない厳格な親父であることを期待してしまいます。
税理士法人 久保田会計事務所
税理士 久保田博之
情報
先日、第7回後継者経営塾が開催されました。
今回は「人事戦略」の基本を学ぶ回で、
人事コンサルタントの松本順市先生に講師をして頂きました。
いくつもの事例をご紹介頂きながら、社員を成長させるための
人事制度の作り方について、丁寧に教えて頂きました。
そして、最後のスピーチの中で、次のようにお話されました。
「本日集まられている皆さんは、企業の後継者として同じような立場で、
現場で頑張っておられる方ばかりです。ここには約50名の受講者が
おられます。毎回、ここで学ばれたことをきっと現場で実践しておら
れると思います。
せっかく何かのご縁で集まられていますので、是非、その実践された
感想や実践方法など、互いにお話下さい。いわゆる情報交換です。
そうすることにより、一人でできる経験ではなく50人の生きた経験
をすることができます。
情報というのは、情けに報いると書きます。
つまり情報を多く発信した人にさらに情報が
集まってくることになっています。
どうか、積極的に生きた情報を発信しそして、
また、生きた情報を持って帰ってください。」
本当に素晴らしいお話でした。
自社のことをいくら話しても何の得にもならない、と思いがちですが、
思い切って話してみることで良い情報が入ってくるとなれば、
何の迷いもありません。
主催者もしっかり勉強させて頂ける塾でした。
税理士法人 久保田会計事務所
税理士 久保田博之
訴訟判決の影響
先日、京都地裁において
賃貸建物の更新料について注目すべき判決がありました。
マンションの契約更新に際して支払った
更新料の返還を求めた入居者と、家主が争った事件です。
判決では、更新料を定めた契約条項は、
「消費者の利益を一方的に害する契約は無効」とする
消費者契約法に基づき、家主に更新料の返却を求めた。
更新料収入は不動産賃貸事業の計画には
当初より組み込まれていることが多く、
今後、家賃の値上げなど相当な手当をしなければ、
賃貸事業の継続が困難になると思われます。
今回の裁判は控訴されていますので、
今後上級審でどのように確定するかが注目されます。
いずれかに決まるとしても、消費者保護の基本理念のもと、
かつての業界常識が変わって行かざるを得ないことを、
しっかり認識しておく必要がありそうです。
そして、これらの事態は不動産業界のみならず、
さまざまな業界でも予想されます。
また、その兆候は今回のような具体的な判決によって
トレンドが形成されていきますので、決して他山の石とせずに、
自社の業界常識について見直す良い機会にしていくべきだと思いました。
税理士法人 久保田会計事務所
税理士 久保田 博之



