労務事業部のブログ記事
残業計算の落とし穴!
労務事業部です。
今回は、残業代の計算の仕方についてお話ししたいと思います。
残業代を計算される時の残業単価は、どの様に計算されていますか?
(基本給+残業計算に含まなければならない手当)
÷1カ月の所定労働時間=1時間当たりの単価を算出し、
それに1.25などの割増率を考慮して算出されていると思います。
ここで質問なのですが、
分母である1カ月の所定労働時間は、何時間にされていますか?
案外とここに落とし穴があります。
6月の労働日数は25日、1日の所定労働時間は8時間だから
25日×8時間=200時間なんてされてませんか?
細かい話しですが、
このような計算の仕方で計算した残業代だと
未払残業代が発生する可能性があります。
労働基準法施行規則19条では、
『月によって定められた賃金については、
その金額を月における所定労働時間数(月によって
所定労働時間数が異なる場合には、一年間における
一月平均所定労働時間数)で除した金額』と規定されています。
たいていの会社では月によって所定労働時間数が異なるので、
括弧書きで規定されている、
『1年間における1ヶ月平均所定労働時間数』を
採用することとなります。
この1年間における1ヶ月平均所定労働時間数は、
下記の方法で算定します。
会社の休みが土曜日、日曜日、祝日、お盆、年末年始で
年間合計125日だとすると、
(365日-125日)×8時間(1日の所定労働時間)÷12ヶ月=160時間/1ヶ月
これが、1ヶ月平均所定労働時間数となります。
本来なら160時間で残業代を計算するべきところ、
前述した200時間で計算をしていると、
未払残業代が発生していることになります。
例えば基本給20万円の従業員が残業を20時間したとすると、
200時間で計算した場合の残業代は、
20万円÷200時間×20時間×1.25=25,000円
160時間で計算した場合の残業代は、
20万円÷160時間×20時間×1.25=31,250円
31,250円-25,000円=6,250円の未払残業代
ということになります。
塵も積もれば山となってしまいます。
早い段階で正しい残業計算に改めて頂きたいと思います。
免除対象高年齢労働者
労務事業部です。
今回は雇用保険の免除対象高年齢労働者について
お話させていただきます。
もうすぐ、労働保険(労災保険+雇用保険)申告書の
提出期限(今年は7/12)となります。
この申告をされる際に、『免除対象高年齢労働者』という文字を
目にされたことがあると思います。
毎年 ※保険年度の初日(4月1日)において満64歳以上の方は、
被保険者であっても雇用保険料が全額免除されます。
これは、被保険者負担分、事業主負担分ともに
免除されることになります。
この方たちを『免除対象高年齢労働者』と言います。
※毎年4月1日から翌年3月31までの1年間
免除されるのは、あくまで保険年度の初日に64歳以上の人です。
ですので、保険年度の途中で64歳になったとしても、
その保険年度の年度末(3/31)までは保険料を
控除しなければならないので、注意が必要です。
平成22年度は、確定保険料については
昭和20年4月1日以前に生まれた方、
概算保険料については昭和21年4月1日以前に生まれた方
が対象となります。
免除に関して、特に申請などは必要ないですが、
対象者の保険料を間違って控除しない為にも、
毎年4月1日に従業員の年齢確認を忘れずにしてください。
賞与時の介護保険料(誕生日に注意)
来月は7月ということで、賞与を支給する会社も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、賞与時の介護保険料の注意点について書いていきます。
介護保険料を健康保険の被保険者が40歳以上65歳未満の場合は
徴収する必要があることはご存じの方が多いと思います。
これは給与時だけでなく、賞与時にも同じく言えることなんです。
さっそく、下記の2つの例をみてみましょう。
①7/10賞与日で、7/15誕生日の人場合
②7/10賞与日で、8/ 1誕生日の人場合
2つの例をみて「おや?」と思った方はなかなか鋭い!
そうです。誕生日の前日というのが介護保険料の資格取得日
および資格喪失日を考えるにあたってのポイントとなります。
よって、②のケースのような8/1が誕生日の人は、
誕生日の前日である7/31に40歳になると考えるため、
40歳に到達する7月の賞与から介護保険料を徴収する必要が出てきます。
また、65歳に到達する7月の賞与からは介護保険料を徴収しないことになります。
つまり、①のケースと②のケースはおなじ結果となるわけです。
・40歳の誕生日の前日が属する月に支給される賞与からは介護保険料を徴収する。
・65歳の誕生日の前日が属する月に支給される賞与からは介護保険料を徴収しない。
最後にまとめると、「誕生日の前日が属する月」
というのがポイントとなります。
賞与日当日に40歳および65歳に到達しているかどうかではなく、
賞与日の該当月が「誕生日の前日が属する月」
になるかどうかが判断基準となります。
支給日の後に誕生日がくる場合(上記例の様なケース)
は誤りやすいため、判断基準を押さえて十分注意してくださいね。
最強の残業対策!
労務事業部です。
今回は、残業対策として、
就業規則で出来る対策を一つ紹介したいと思います。
『固定残業手当』と言うものがあります。
これは例えば「○○手当には、毎月40時間分の残業代を含む」と
就業規則に規定するものです。
このように規定することにより、
未払残業代の請求が来たときに、
随分と被害をおさえることが出来ます。
注意しなければならない点としては、
単純に今採用されている○○手当について、
「○○手当には毎月40時間分の残業代を含む」
とすれば良いと考える事です。
ここで特に注意しなければならないのは、
最低賃金を下回らないということです。
さらに、
①残業代相当部分がそれ以外の賃金部分から
明確に区別されていること、
②実際の残業時間に対する残業代が、
固定残業手当を超えた場合には、その超えた差額を支給すること、
が必要です(国際情報産業事件 東京地判平3.8.27)。
固定残業手当は、
残業対策としては最強だと思います。
しかし、結果としてこの仕組みを採用すると、
給与計算のベースとなる1時間当たりの賃金が下がってしまうので、
従業員にとっては不利益な変更となってしまいます。
よって、採用される場合には、
従業員様それぞれに合意を取って頂きたいと思います。
雇用保険制度改正
労務事業部です。
今回は、4月に制度改正があった雇用保険について
お話させていただきます。
変更内容としては、
①非正規労働者の方(パート・アルバイト等)の雇用保険適用範囲の拡大
②雇用保険料率の変更
③雇用保険資格取得届の提出に関する変更
となっています。
では、具体的にどう変わったのか、見ていきたいと思います。
まず①に関してですが、
平成22年4月1日から「31日以上の雇用見込みがあり、
1週間の所定労働時間が20時間以上」であれば
雇用保険に加入できるようになりました。
(以前は、6ヶ月以上の雇用見込みがあることが要件でした。)
「31日以上の雇用見込み」とは、
31日以上雇用が継続しないことが明確である場合を除き、
この要件に該当するとされています。
例えば次の場合には、雇用契約期間が31日未満であっても、
原則として31日以上の雇用が見込まれるものとして、
雇い入れ時から雇用保険が適用されることになります。
・雇用契約において更新の規定があり、31日未満での雇止めの明示がないとき
・雇用契約に更新規定はないが同様の雇用契約により雇用された労働者が
31日以上雇用された実績があるとき
また、4月1日以前から引き続き雇用されている従業員に関しては、
4月1日時点において、4月1日以後に31日以上の
雇用見込みがあるかにより判断されます。
要件にあてはまれば、4月1日から適用されることになります。
次に②に関してですが、
雇用保険の財政基盤の強化を目的に、
一般の事業の場合、11/1000(事業主負担:7/1000、
被保険者負担:4/1000)から15.5/1000
(事業主負担:9.5/1000、被保険者負担:6/1000)に
雇用保険料率が変更になりました。
最後に、③に関してですが、平成22年4月1日から、
届出期限を過ぎて提出する等例外を除き、
資格取得届の提出の際に、原則として添付書類(雇用契約書等)は
不要となりました。
雇用保険は労働者が失業した場合に必要な給付を行ったり、
労働者の生活や雇用の安定を図ると共に
再就職の援助を行うなどを目的とする制度です。
今回の①~③の制度改正により、今まで以上に多くの人が
雇用保険に加入でき、これらの制度を受けれる環境になり、
雇用の安定につながっていくのではないでしょうか。
※(「雇用保険に未加入とされた方の遡及適用期間の改善」が
今後施行される予定です)



