労務事業部: 2009年2月アーカイブ

年金と税金

労務事業部です。

確定申告シーズン真っ直中、

今回は、年金と税金についてお話したいと思います。

 

「えっ、年金はもらっているけど

それに対する税金を払った覚えはないけど?」と思われた方。

知っておいて損は無いと思います。

税金を払うか否かは一定の基準があるんです。

 

 

まず、年金にかかる税金というのは、所得税の源泉徴収を指します。

老齢基礎年金・老齢厚生年金等は、所得税法の雑所得に該当し、

所得税課税対象になります。

(ちなみに遺族年金等の非課税対象となる年金もあります。)

 

源泉徴収の対象となるのは、年金受給者全員ではなく、

その年中の年金支払額(年額)が108万円(65歳以上は158万円)

以上の人です。

 

所得税には各種の控除がありますので、

社会保険庁に「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」を提出すると、

下記の表の各種控除をうけられることになり、

年金額が下表の非課税限度額以下の人は源泉徴収されません。

           65未満            65以上
  単身者 70未満配偶者あり   単身者 70未満配偶者あり
公的年金控除および基礎控除相当 年金月額の25%+6.5万円または9万円のいずれか 年金月額の25%+6.5万円または13.5万円のいずれか
配偶者控除相当     3.25万円     3.25万円
非課税限度額 月額9年額108) 月額13年額156) 月額13.5年額162) 月額16.75年額201)

私は年金収入だけで確定申告をする必要がないと思っている方も、

上記の源泉徴収の際に控除を受けることができずに

源泉徴収税額が納めすぎとなる場合には、

確定申告を行うことで還付をうけることができます。

 

以上のことふまえて自身が確定申告をすべきかどうか

一度確認してみてはいかがでしょうか。

 

 

『2つの歯止め』がある高年齢雇用継続給付金!

労務事業部です。

 

今回は高年齢雇用継続給付金について書きたいと思います。

 

以前もブログでお話させて頂いておりますが

高齢者の最適な賃金設計を考える場合、

高年齢雇用継続給付金のことを考えなければいけません。

 

高年齢者の最適な賃金設計を考える場合、

『下がった賃金』+『在職老齢年金額』+『高年齢雇用継続給付金』で

計算した総手取額が最大になるようにすれば良いと言うことでした。

しかし、従業員に対してそれぞれ個別の対応をしてしまうと、

色々な条件の違いから矛盾が生じたりしますので、

高齢者の継続雇用については『高齢者の賃金決定ルール』

をつくって下さい!

とお話しさせていただいておりました。

 

しかし、実際は、どの様な基準で考えたら良いのか?

が知りたいところだと思います。

 

今回は、その1つの要素である『高年齢雇用継続給付金』

の特徴についてお話しします。

 

この制度は、60歳以降の各月の賃金に対して『最大で15%』

給付してくれる制度です。

60歳以降の各月に支払われる賃金が、

60歳時点の賃金月額を基準として75%未満である場合に、

低下率に応じて60歳以降の各月に支払われる賃金に対して

1%~15%の給付金を支払おうとするものです(ザックリした表現です)。

 

ですので、最大の15%の給付をさせたいところですが、

そのためには、60歳到達時の賃金を基準として考えた場合

低下率を61%以下にしなければなりません。

しかし、単純に61%にすれば良いわけでは無いのです。

 

この制度には『2つの歯止め』が存在します。

 

第1に『60歳到達時の賃金月額』については上限が設けられています。

現時点では、449,400円です。

 

第2に『各月の賃金額(交通費を含む概念です。)』

が337,343円を超える場合は、給付金は、支給されません。

 

具体的に言うと、

60歳以前の賃金額が600,000円だった人は、

600,000円×61%=366,000円(60歳以降の各月の賃金としたとすると)

366,000円×15%=54,900円の高年齢雇用継続給付金とはならないのです。

366,000円÷600,000円=61%ではなく、

366,000円÷449,400円(第1の歯止め)=81.44・・・%で

60歳時点の賃金月額の75%未満と言う要件からはずれてしまいます。

 

さらに、

366,000円>337,343円(第2の歯止め)となり、

要件からはずれています。

 

この2つの歯止めを意識しながら、

15%の高年齢雇用継続給付金をもらうためには、

449,400円×61%=274,134円

274,134円<337,343円(要件該当)

と言うことで、

交通費込みの賃金月額として、

274,134円以下の賃金で

高年齢者の賃金設計を考えるべきなのでしょう。

 

有給休暇PART2

労務事業部です。

 

今回は前回に引き続き『有給休暇』について書きたいと思います。

前回の内容で有給休暇の大半はおわかりいただけたと思います。

 

では今回はどんな内容かといいますと・・・・。

パート・アルバイトの有給休暇について、お話させていただきます。

 

「パートに有給ってあるの?」とか

「パートの有給の存在を知っていても管理の仕方が面倒」

というような考えを持っている会社は多いと思います。

 

正社員が6ヶ月以上勤務し全労働日の8割以上出勤した場合、

法律上当然に有給休暇の権利が発生するというのは

前回お話しましたが、たとえ週3日出社のパート・アルバイトでも、

6ヶ月勤務してその間の出勤率が8割以上である場合には、

当然の権利として有給休暇が発生するのです!!!

 

何日の有給休暇となるのかは、

出勤日数などによって異なってきます。

この出勤日数は

雇用契約書に記載されている日数です(雇用契約時に決まった出勤日数)

 

1週5日以上または週30時間以上働く場合は

正社員と同じ有給休暇が発生します。

例えば、

1日4時間で週5日働くような人は正社員と同じ有給日数となります。

 

週30時間未満で1週4日以下または年間216日以下の場合は、

正社員の人と比較した出勤日数に応じて発生することになり、

「比例付与日数」と呼ばれています。

 

では実際にどのように日数が決まるかといいますと、

下記の式に当てはめて計算することになります。

 

通常の労働者の有給休暇日数 × 比例付与対象者の週所定労働日数

 ÷ 通常労働者の週所定労働日数(5.2日)

 

例えば、継続して2年6ヶ月(正社員なら12日)で

週の所定労働日数が3日の人の有給日数は

12日 × 3日 ÷ 5.2日 = 6.923・・・(1日未満の端数は切り捨て)

→ 6日

ということになります。

 

正社員と同様、パート・アルバイトの有給休暇の考え方、

管理の仕方はややこしいので、注意してください!

 

わかっているようでわかっていない有給休暇!

労務事業部です。

 

今回は、『有給休暇』について書きたいと思います。

 

年次有給休暇は、入社日から6ヶ月以上勤務して、かつ、

労働日の8割以上出勤した従業員に対して初めて10日与えられ、

以後1年経過ごとに

11日(勤続1年6ヶ月、その1年間で8割以上の出勤必要:以後も同様)、

12日、14日、16日、18日、20日と付与日数が増加します。

 

注意していただきたいのが、

この付与日数と言う表現です。

 

例えば、

入社してから1日も休まず6年6ヶ月継続勤務した場合を考えると、

10日+11日+12日+14日+16日+18日+20日=101日

と単純にはなりません。

 

案外とご存知ない方がおられるのですが、

『2年の時効』が存在します。

 

ですので、上記のような従業員さんの場合は、

18日+20日=38日の有給休暇の権利を与えてあげれば、

労働基準法上は、問題がありません。

当然それ以上の権利を従業員さんに与えてあげるのは、

労働者有利なので問題がありません。

 

この時効の絡みで少し細かい論点がございます。

法律上、有給休暇の『消化の順番』については規定されていません。

 

何が言いたいかと言いますと、

上記のような従業員さんの場合、

18日+20日=38日の有給休暇の権利をもっておられます。

その従業員さんが、有給休暇を取得される場合、

18日から有給休暇の消化をするのか?

20日から有給休暇の消化をするのか?です。

 

通常の場合は、

18日から消化をするのですが、

20日から消化させることもできます。

 

会社側の立場からは、

20日から消化させたほうが得です。

 

なぜなら、

10日間、有給休暇を取得させる場合を考えると、

20日から消化する場合、18日+(20日-10日)=28日

18日から消化する場合、(18日-10日)+20日=28日

 

算式結果は同じなのですが、

2年の時効を考えると(言い方を変えれば、

1年間は有給休暇の繰越は可能ですので)

 

20日から消化する場合は、

次の年に繰り越される日数は、

20日-10日=10日(18日分は時効消滅)

 

18日から消化する場合は、

次の年に繰り越される日数は、

20日(18日-10日=8日が時効消滅)となります。

 

まあ、この様な取扱をする場合は、

就業規則にその旨を規定することが必要ですが。

 

有給休暇ってわかっているようでわかっていない論点って

結構ありますよね!

 

さらに、管理・取扱も非常に難しいです。

神経質な問題ですので、細心の注意を払ってください !!