労務事業部: 2009年6月アーカイブ
再検討の余地あり!『中小企業緊急雇用安定助成金』
労務事業部です。
今回は、『中小企業緊急雇用安定助成金』についてお話したいと思います。
新聞などで一度は目にされているかもしれません。
なんかややこしそうだなあとか、
要件が厳しそうだなあとか、
申請を断念されている方もおられるのではないでしょうか?
助成金は、もらうだけで返す必要はありません。
是非もう一度検討してみて下さい。
この助成金が支給対象としているものとして、
『休業』『教育訓練』『出向』があります。
今回は、特に利用されることが多いと思われる
『休業』のケースを取り上げたいと思います。
まず、大前提として
ザックリとした言い方ですが、
①売上が減少し、さらに
②売上の減少に伴い、
従業員さんを『休ませる』ことを検討されている会社は、
助成金の申請を考えてみて下さい。
手間だけかかっても嫌だし、
結局のところ、いくら助成金がもらえるのか?
が気になられると思います。
大雑把な言い方ですが、
ザックリと、休業日に会社が保障する賃金の80%が
助成金で受けられると思って頂いたらそんなにはずして無いと思います。
もう少し詳しく言いますと、
「会社全体としての雇用保険対象者の
1日ベースの1人当たりの平均的な賃金」を算定し、
それに対して「会社が休業日に従業員に保障する賃金の保障率」を掛け、
さらにそれの4/5(80%)を1日ベースの1人当たりの助成金として、
支給してくれます。
例えば、
会社全体としての雇用保険対象者の
1日ベースの1人当たりの平均的な賃金が@10,000円、
休業日に保障する賃金の保障率が60%だとすると、
@10,000円×60%×4/5(80%)=@4,800円が
1日ベースの1人当たりの助成金となります。
(但し、現在では、雇用保険基本手当日額の最高額
@7,730円が上限とされています。)
これに、実際に休業させた延日数をかけた金額が
助成金の総額となります。
あまり良い表現ではないかもしれませんが、
損得勘定としましては、
相対的に賃金単価の高い従業員さんを休業させ助成金を受ける場合と、
賃金単価の低い従業員さんを休業させ助成金を受ける場合とでは、
賃金単価の低い従業員さんを休業させ助成金を受ける方が『得』となります。
なぜなら、助成金の支給のベースとなる
会社全体としての雇用保険対象者の
1日ベースの1人当たりの平均的な賃金は、変化しないからです。
実際に従業員を休ませ(休業)、
休ませているにもかかわらず、
会社がその休業日に賃金をいくらか支給(保障)している場合に
その事実を受けて
助成金が支給されるわけですが、
その支給(保障)額について
少しポイントがあります。
それは、労働基準法が求めている
平均賃金の60%以上の手当は支払う必要があると言うことです。
その他のポイントとしては、
①助成金の申請は基本的には賃金の計算期間単位で行う。
(20日締めの会社なら21日から20日までの期間)
②助成金の申請をしたい賃金の計算期間『前』に
事前に『休業をする予定日』を書いた計画書の提出が必要となる。
③実際に休業が行われたこと、休業手当が支払われたことの事実確認は、
出勤簿、賃金台帳で行われる。
④③の出勤簿、賃金台帳の提出期限は、
次の賃金の計算期間までとなる
京都の場合、
京都労働局に相談窓口があります。
実際には、色々難しいことを言われ
助成金の申請を諦めてしまいそうになられるかもしれません。
その時は『どうすれば助成金を受けられるのか?』
をキーワードに、
粘り強く相談をされ、
助成金の支給を受けていただきたいと思います。
社会保険の資格喪失日と注意点
昨今の不景気に伴い退職者が出るケースが増えていると思います。
その場合必要になってくる手続きとして、
「社会保険」「雇用保険」「住民税」の3種類があります。
その中でも今回は
「社会保険」の資格喪失日と注意点について書きたいと思います。
●社会保険の被保険者資格の喪失理由は4つ
・退職した場合→退職日の翌日
・死亡した場合→死亡した日の翌日
・70歳に達した場合(厚生年金保険のみ)→70歳の誕生日の前日
・75歳に達した場合(健康保険のみ)→75歳の誕生日
●月末退職者は要注意
前提として、
社会保険料は被保険者資格喪失日が属する月の前月までを徴収します。
つまり、資格喪失日の属する月の社会保険料は徴収しないということです。
原則的に社会保険料は翌月徴収されるため、
毎月の給与から徴収されているのは
前月分の社会保険料ということになります。
例を挙げてみると、
6月25日に退職した人は、
(退職日の翌日である)6月26日が資格喪失日になります。
前述の前提をふまえると、5月分までを徴収し、
6月分は徴収しないということです。
よって、前月の5月分の社会保険料を
6月の給与から徴収して終了となります。
次は注意すべき例を挙げてみると、
6月30日付で退職した人は、
(退職日の翌日である)7月1日が資格喪失日になります。
前述の前提をふまえると、6月分までを徴収し、
7月分は徴収しないということです。
月末退職の場合は資格喪失日が翌月にずれ込むため、
退職日が6月25日の場合に比べ、
1ヶ月分社会保険料負担が多くなります。
ここが注意すべき点です。
本来なら6月分の社会保険料は7月分の給与から徴収すべきですが、
今回のケースのように6月30日で退職しており、
7月に支払う給与がない場合等は、本人に了承をとったうえで、
6月に支払う給与から5・6月の2ヶ月分を
まとめて徴収することも可能です。
上記をふまえると、退職者は自己負担が増え、
処理する側も事務負担が増えることから
月末退職を選択しないという選択もあるのかもしれません。
なにはともあれ、注意すべき点をしっかり押さえて
正しい処理をすることが第一ですね。
新型インフルエンザの企業対応
労務事業部です。
今回は前回に引き続き
新型インフルエンザに関連するお話をさせていただきます。
新型インフルエンザの感染者数も減少傾向にあると言われていますが、
まだまだ油断出来ない状況が続いています。
一時期は、本当にどこに行ってもマスクがなかったですよね...。
関西以外の感染者が報告されていない地域では、あるのでは!と思い、
他府県の知り合いに聞いてみましたが、どこも完売。甘い考えでした...。
マスク以外でも、感染予防用品として、
空気清浄機が季節はずれの人気になっているようです。
家電の売れ行きが低迷している中、
メーカーとして増産はうれしい話ですが、理由が理由なだけに
なんとも言えない思いなんでしょうね...。
前置きはこれくらいにして、本題に入っていきます。
もし従業員が新型インフルエンザに感染して会社を休んだとします。
この休んだ日数は有給休暇の『8割以上の出勤率』
の計算式(※下記参照)に影響してきます。
※ 出勤日÷全労働日 ≧ 80%
どのように影響してくるのかと言いますと、
式の中の『全労働日(1年の総暦日数から所定の休日を除いた日)』
にカウントされないのです。
有給休暇における出勤日については、労働基準法第39条7項において、
「①業務上負傷し、又は疾病にかかり療養の為に休業した期間
②育児介護休業法にいう育児・介護休業をした期間
③産前産後の女性が第65条の規定によって
休業した期間 は出勤したとみなす。」
と定められているので、「それ以外の日を出勤したものとして
取り扱う必要がない」ということになります。
感染者が出る前に、各自がマスクに加え手洗い・うがいなど
基本的な予防策を実践していくことが重要ですね!
『新型インフルエンザと給与』
労務事業部です。
新型インフルエンザも落ち着いてきたんでしょうか?
神戸の高校生が新型インフルエンザに感染したと報道されたのが
確か5月16日の土曜日だったと思います。
土曜日が出勤日だったので、
次の日の日曜日の朝からマスクを買いにドラッグストアー3軒、
町の薬屋さん3軒に買いに行くも、
在庫があるのは『花粉対応のマスク』と『ガーゼのマスク』ばかり。
私がほしい『99%カットと書いてあるマスク』は、
全て売り切れ状態!
ドラッグストアーの店員さんに、
『もしかしたらビブレだったらあるかもしれませんよ!』と言われ、
素直に駄目を承知でビブレに買いに行くも、
やはり売り切れ状態。
そうだ、インターネットだったら買えるかも?と思い、
検索エンジンに『マスク 販売』と入力。
色んなネット販売会社が出てくるも、
全て『欠品中』!
ここまでくると、
非常に不安感が募ってきて、
何週間か前にドラッグストアーに行ったとき、
『99%カットと書いてあるマスク』を目にしながら、
まだ20枚ほど持ってるし、大丈夫、
日本だから供給がストップすることは無い!
テレビでも誰かそんなことを言っていたはずだ!
と結論付けた自分に、
何をしとるんや!判断ミスやないか!と悔やむばかり。
人間って不思議なものですね!
あれだけ悩んで『いらない』と判断したにもかかわらず、
手に入らないとなるとすごく欲しくなる。
なぜなんでしょう?
まあ、そんなことはどうでもいいとして、
『新型インフルエンザと給与』について少しお話したいと思います。
従業員さんが新型インフルエンザに感染の可能性があり、
自宅待機させる場合、
会社は給与を支払うべきでしょうか?
ザックリとした判断基準としては、
感染が確定していない状態で、
事業主の自主的な判断で自宅待機させた場合は、
給与(平均賃金の60%以上)を支払わなくてはなりません(労働基準法上)。
逆に、感染が確定した場合、
当然、従業員さんには
会社を休んいただかなければなりません(労働安全衛生法上)。
また、その場合、会社は給与を支払わなくても良いということになります。
そして、従業員さんの休んでいる間の所得補償としては、
協会けんぽの『傷病手当金』で補うという流れになります。
まあ、その場合は、『有給休暇』を消化されることになると思いますが、
有給休暇の残日数が無く消化できない従業員さんの場合は、
『傷病手当金』で補うことになるでしょう!
ちなみにインターネットで99%カットのマスクを
50枚購入することができました。
ちょっと割高でしたが。
マスクを使わなくて済むことを祈ります。



