労務事業部のブログ記事
健康保険の『被扶養者』の範囲について
こんにちは労務事業部です。
今回は健康保険(協会けんぽ)の被扶養者の範囲、
つまり扶養に入れることができる人について
お話したいと思います。
まず、大きく①『生計維持関係』のみでよいグループと
②『生計維持関係』と『同一世帯』の両方が
必要なグループとが存在します。
この『生計維持』とは、扶養する人(以下「被保険者」)の収入によって、
扶養される人(以下「被扶養者」)の主な暮らしが
まかなわれることを意味します。
また『同一世帯』とは、被保険者と被扶養者が
住居及び家計を共同にすることを意味します。
まとめると被扶養者の範囲は、下記のようになります。
①生計維持関係のみでよいグループ
・被保険者の直系尊属
・配偶者(事実上を含む)
・子
・孫
・弟妹
②生計維持関係と同一世帯の両方が必要なグループ
・上記①以外の3親等内の親族
・事実婚の配偶者の父母及び子
・事実婚の配偶者の死亡後のその父母及び子
紛らわしいのは、
従兄弟・従姉妹は、4親等であるので
たとえ生計維持関係と同一世帯の両方の要件を
クリアしていたとしても扶養に入れることはできません。
また、兄・姉を扶養に入れる場合は、
②のグループに該当するので、
生計維持関係と同一世帯の両方が必要になってきますが、
弟・妹の場合は、
①のグループに該当しますので生計維持関係のみで
良いことになります。
被扶養者の範囲の基準については、
結構紛らわしいのですが、
従業員様からの質問も多いと思いますので、
参考にしてみて下さい。
中退共における懲戒解雇時の退職金について
中小企業退職金共済制度は、
中小企業退職金共済法に基づき設けられた
中小企業のための国の退職金制度であり、
毎月の掛金を事業主が全額負担します。
そして、従業員が退職した際には直接従業員へ退職金が支払われます。
ある従業員を懲戒解雇した場合、
その際の中退共における退職金を減額することはできるのか?
という疑問に直面すると思います。
結論から申し上げますと、
従業員を懲戒解雇したような場合、
厚生労働大臣の認定を受けたうえで、退職金を減額することができます。
①退職金を減額したい場合は、「退職金共済手帳」に綴られている
「被共済者退職届」に懲戒解雇のため退職金を減額したい旨を記入し、
《中退共本部保全課》に送ります。
②また、減額について厚生労働大臣の認定を受けるために
退職日の翌日から起算して20日以内に、「退職金減額認定申請書」を
《厚生労働省労働基準局勤労者生活課》あてに送付します。
③退職金の減額が認められ厚生労働省から
「認定書」が送られてきましたら、送付を受けた日の
翌日から起算して10日以内に、「退職金減額申出書」に
「認定書」(写)を添えて《中退共本部給付管理課》にお送ります。
上記①~③の手続を行うことで退職金の減額することができます。
ただし、
退職金が減額された場合でもその減額分は共済制度における
長期加入者の退職金支払財源に振り向けられるため
事業主には返ってくるわけではない点は知っておきたい部分となります。
(懲戒処分について、処分理由とこれに対する懲戒の種類・程度が、
就業規則上明記されており、退職金規定に支給制限(減額)規定
があることを前提としております。)
最低賃金について
労務事業部です。
今回は最低賃金についてお話したいと思います。
最低賃金制度とは、使用者が労働者に支払わなければならない、
賃金額の最低限の値を定めた制度です。
仮に最低賃金より低い賃金を労使合意の上で定めても、それは
法律によって無効とされ、最低賃金額と同様の定めをしたものと
みなされます。
最低賃金には、各都道府県内のすべての労働者と
その使用者に適用される「地域別最低賃金」と、
各都道府県内の特定の産業の労働者とその使用者に
適用される「産業別最低賃金」の2種類があります。
産業別最低賃金は地域別最低賃金よりも
高い金額水準で定められています。
使用者は、地域別と産業別の両方の最低賃金が
同時に適用される場合は、
高いほうの最低賃金以上の賃金を支払わなければなりません。
この最低賃金は正社員だけでなく、
原則として事業場で働くパートやアルバイトなど
雇用形態に関係なくすべての労働者とその使用者に適用されます。
次に、実際にどのようにして最低賃金をチェックするのか
を見ていきたいと思います。
対象となる賃金は毎月支払われる基本的な賃金になります。
しかし、下記の給与は算入しないので、注意が必要です。
①精皆勤手当、家族手当、通勤手当
②臨時に支払われる給与(結婚手当など)
③賞与など1ヶ月を超える期間ごとに支払われるもの
④時間外労働、休日労働、深夜残業に対して支払われる給与
①~④を除外した給与をもとに最低賃金をチェックします。
具体的には、下記の方法で計算します。
A:時間給の場合
時間給≧最低賃金額(時間額)
B:日給の場合
日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
ただし、日額が定められている産業別最低賃金
が適用される場合には、
日給≧最低賃金額(日額)
C:月給の場合
月給÷1ヶ月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
D:出来高払制その他の請負制によって定められた賃金の場合
出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を、
当該賃金算定期間において出来高払制その他の請負制によって
労働した総労働時間数で除した金額≧最低賃金額(時間額)
E:上記1~4の組み合わせの場合
基本給が日給制で各手当が月給制などの場合は、
それぞれ上のB、Cの式により時間額に換算し、
それを合計したものと最低賃金額(時間額)と比較する
会社が、最低賃金に充たない給与を従業員に支払っている場合は、
過去にさかのぼってその差額を従業員
に支払わなければなりません。また、罰則も定められています。
最低賃金額は随時更新(毎年10月頃)されるので、
その都度確認し、注意するようにして下さい。
労働条件の明示について
こんにちは労務事業部です。
今回は労働条件の明示についてお話したいと思います。
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間
その他の労働条件を明示しなければなりません(労働基準法15条)。
明示の方法としては、書面により労働条件を明示する方法と、
口頭により労働条件を明示する方法とが存在しますが、
法律は下記労働条件については、
書面による明示を義務付けています(労働基準法施行規則5条)。
①労働契約の期間に関する事項
②就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
③始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、
休憩時間、休日、休暇、交替制労における就業時転換に関する事項
④退職に関する事項(解雇の事由を含む)
⑤賃金(退職手当、賞与等を除く)に関する事項
よって、上記以外の労働条件は、
書面による明示までは義務付けられていません。
例えば、昇給に関する事項、退職手当に関する事項、
賞与に関する事項は、
『書面』による明示までは義務付けられていません。
しかし、会社に制度として存在するのであれば、
『何らかの方法』で明示しなければなりません。
つまり①から⑤以外の労働条件の場合は、
『口頭』による明示で良いということです。
ただパートタイム労働法の規定により、
短時間労働者に労働条件を明示する場合は、
前述した口頭による明示でも良いとされていた
『昇給の有無』、『退職手当の有無』、『賞与の有無』の
3つの労働条件については、
①から⑤に追加して『書面』による明示を
義務付けていますのでご注意下さい。
解雇予告及び解雇予告手当についての注意点
長引く不景気により苦渋の決断を迫られる事業主様も多いかと思われます。
今回は、解雇予告及び解雇予告手当についての注意点についてまとめてみました。
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、解雇予告をしなければなりません。
その際、下記の3つに注意しなければなりません。
突然の解雇による労働者の生活の破綻・混乱を避ける等のため規制されています。
今回は、解雇予告に絞ってお話をさせていただきました。
解雇に関しては、解雇予告の他「解雇の判断(※2)」「解雇の制限(※3)」という規制もありますので
後々の問題を避けるため、しっかり上記を踏まえた上で解雇予告を行うようにして下さい。
※1
平均賃金とは?
直前3ヶ月間に支払われた賃金の総額÷直前3ヶ月間の賃金の期間の総日数
直前の3ヶ月に支払われた賃金の総額とは?
通常は、賃金の締切日があるので、直前の賃金の締切日から、3ヶ月をさかのぼって計算します。
直前3ヶ月の賃金の期間の総日数とは?
上記の賃金の締切日をもとに得られた直前3ヶ月の総日数(労働日ではなく暦日で計算します)
※2
解雇の判断とは?
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、
その権利を濫用したものとして、無効とする。
※3
解雇の制限とは?
使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間
並びに産前産後の女性が休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。



