労務事業部のブログ記事

改正労働基準法Ⅱ

労務事業部です。

今回は、前回改正内容の②としてあげていた

「割増賃金引き上げなどの努力義務」

についてお話させて頂きます。

 

今回の改正により、企業規模にかかわらず、

「割増賃金引き上げなどの努力義務」が

労使に課されることになります。

 

具体的には、

「時間外労働の限度基準」(平成10年労働省告示

第154号:限度基準告示)により、

例えば、1ヶ月に45時間を超えて時間外労働を行う場合、

あらかじめ労使で特別条項付きの時間外労働協定(通称「36協定」)

を締結する必要がありました。

 

改正労働基準法では、新たに、

(1)特別条項付きの時間外労働協定を締結する場合は、

   月45時間を超える時間外労働に対する割増賃金率も定めること

(2)上記(1)の率は法定割増賃金率(25%)を超える率とするように努めること

(3)月45時間を超える時間外労働をできる限り短くするように努めること

    (※今後、法改正の施行までに、限度基準告示が改正される予定です。)

 

という3点が必要となります。

 

時間外労働の限度基準において定める『限度時間』、

『特別条項付きの時間外労働協定』。

普段あまり耳にしない言葉なので、

なんのことだろうと思われる方もいらっしゃると思いますので、

簡単にご説明させて頂きます。

 

『限度時間』→ 労使協定を結べば、1ヶ月45時間、

年間360時間(1年単位の変形労働時間制の場合は1ヶ月42時間、

年間320時間)を上限として働かせることができる。

 

『特別条項付きの時間外労働協定』→ 臨時的に特別な事情がある場合

に限り、この協定を結ぶことで、限度時間を超えて働かせることができる。

 

この改正により、率を引き上げる場合は、

就業規則などの変更が必要になってくるなど、

今まで以上の細かな労務管理が求められるようになります。

 

現段階では、この論点については努力義務のため、

多くの会社は現行通りの率に据え置くと考えられますが、

いつ義務化されるかわかりません。

 

今すぐとはいかないまでも、対応できる環境作りを

目指してみてはいかがでしょうか?

 

税理士法人 久保田会計事務所

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改正労働基準法

労務事業部です。

 

今回は平成22年4月1日から施行される改正労働基準法について

お話させて頂きます。

 

改正内容としては、

①時間外労働の割増賃金率の引き上げ

②割増賃金引き上げなどの努力義務

③年次有給休暇の時間単位取得

 

の3つがあげられます。

 

すでにご存じの方も多いとは思いますが、

どんなことが改正になるのか、

1つずつご紹介したいと思います。

 

①の改正ポイントとしては下記の項目があげられます。

・1ヶ月に60時間を超える時間外労働については、

 法定割増賃金率が、現行の25%以上から50%以上

 に引き上げられます。

 (休日労働、深夜労働の割増賃金率の変更はありません)

・事業場で労使協定を締結すれば、

 1ヶ月に60時間を超える時間外労働を行った労働者に対して

 改正による引き上げ分(25%以上から50%以上に引き上げた

 差の25%以上分)の割増賃金の支払いに代えて

 有給休暇を付与することができます。

 ただし、労働者がこの有給休暇を取得した場合でも、

 今まで通りの25%以上の割増賃金の支払は必要になります。

 

2つ目のポイントを具体的に見てみると

時間外労働を76時間行った場合は、

月60時間を超える16時間分の割増賃金引き上げ分を

25%と考えると、16時間×0.25=4時間分の

有給休暇の付与に代えることができます。

(ただし、今まで通りの76時間×1.25以上の

賃金の支払いは必要となります)

 

この有給休暇の付与に関しては、③の論点につながりますので、

後日改めてお話させて頂きます。

 

①の改正内容は中小企業については、

当分の間、適用が猶予されます。

(法の施行から3年経過後に改めて検討することとされています)

「じゃあうちには関係ない」という事業主様もいらっしゃると思います。

 

しかし、近いうちに企業規模にかかわらず、

適用される可能性は大いにあります。

今はまだ大丈夫でも、適用されることが決まった時に慌てない為にも、

この機会に対策を立てられてはいかがでしょうか?

 

次回は②の改正ポイントについてお話させて頂きます。

 

【参考】

※猶予される中小企業の範囲

資本金等の額または出資の総額が

・小売業 :資本金等5,000万円以下又は常用労働者数50人以下

・サービス業:資本金等5,000万円以下又は常用労働者数100人以下

・卸売業 :資本金等1億円以下又は常用労働者数100人以下

・上記以外:資本金等3億円以下又は常用労働者数300人以下

※上記要件は、事業場単位ではなく、

   企業(法人または個人事業主)単位で判断されます。

 

税理士法人 久保田会計事務所

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新型インフルエンザと給与Part2

労務事業部です。

 

新型インフルエンザが流行期に入って参りました。

 

以前は、従業員様ご自身が

新型インフルエンザ感染の可能性がある場合の

給与の考え方についてお話しをさせていただきました。

今回は、従業員様の家族がインフルエンザに感染したときに、

その従業員を休ませる場合の

給与の考え方についてお話したいと思います。

 

家族に感染者が出た場合、

その従業員は、濃厚接触者として感染の可能性が高いと言えます。

よって、そのまま出勤されると職場に感染を広げるおそれもあります。

会社としては、自宅待機させたいところではあります。

 

しかし、その様な場合の給与の考え方については、

会社が独自の判断で休ませる場合と

行政の要請が出てから休ませる場合とでは取扱が違ってきます。

 

感染症予防法44条の3では、

家族が新型インフルエンザにかかっている者などについて

保健所等で調査を行い当該感染症にかかっていると

疑うに足りる正当な理由のある者と判断された場合については、

都道府県知事が外出自粛の要請を行うこととしています。

 

但し、現時点では同法に基づく上記の要請は出ていません。

 

この感染症予防法に基づく保健所等行政の要請による休業の場合は、

『使用者の責に帰すべき事由ではない』ため、

『賃金』『休業手当』とも支払う必要はないことになります。

 

但し、先にも述べましたように、

現時点では同法に基づく要請は出されていないので、

会社が独自の判断で念のため休業をさせるような場合は、

最低でも休業手当の支払は必要となります。

 

※(休業手当とは)

労働基準法第26条

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、

使用者は、休業期間中当該労働者に、

その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。

 

会社としましては、

基本的なことですが手洗い、うがいなど

感染予防策の周知徹底を図っていただきたいと思います。

 

(厚生労働省「新型インフルエンザ対策パンフレットなど」)

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/inful_pamphlet.html

 

税理士法人 久保田会計事務所

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再検討の余地あり!『中小企業緊急雇用安定助成金』

労務事業部です。

 

今回は、『中小企業緊急雇用安定助成金』についてお話したいと思います。

 

新聞などで一度は目にされているかもしれません。

 

なんかややこしそうだなあとか、

要件が厳しそうだなあとか、

申請を断念されている方もおられるのではないでしょうか?

 

助成金は、もらうだけで返す必要はありません。

是非もう一度検討してみて下さい。

 

この助成金が支給対象としているものとして、

『休業』『教育訓練』『出向』があります。

 

今回は、特に利用されることが多いと思われる

『休業』のケースを取り上げたいと思います。

 

まず、大前提として

ザックリとした言い方ですが、

①売上が減少し、さらに

②売上の減少に伴い、

従業員さんを『休ませる』ことを検討されている会社は、

助成金の申請を考えてみて下さい。

 

手間だけかかっても嫌だし、

結局のところ、いくら助成金がもらえるのか?

が気になられると思います。

 

大雑把な言い方ですが、

ザックリと、休業日に会社が保障する賃金の80%が

助成金で受けられると思って頂いたらそんなにはずして無いと思います。

 

もう少し詳しく言いますと、

「会社全体としての雇用保険対象者の

1日ベースの1人当たりの平均的な賃金」を算定し、

それに対して「会社が休業日に従業員に保障する賃金の保障率」を掛け、

さらにそれの4/5(80%)を1日ベースの1人当たりの助成金として、

支給してくれます。

 

例えば、
会社全体としての雇用保険対象者の

1日ベースの1人当たりの平均的な賃金が@10,000円、

休業日に保障する賃金の保障率が60%だとすると、

@10,000円×60%×4/5(80%)=@4,800円が

1日ベースの1人当たりの助成金となります。

(但し、現在では、雇用保険基本手当日額の最高額

@7,730円が上限とされています。)

これに、実際に休業させた延日数をかけた金額が

助成金の総額となります。

 

あまり良い表現ではないかもしれませんが、

損得勘定としましては、

相対的に賃金単価の高い従業員さんを休業させ助成金を受ける場合と、

賃金単価の低い従業員さんを休業させ助成金を受ける場合とでは、

賃金単価の低い従業員さんを休業させ助成金を受ける方が『得』となります。

なぜなら、助成金の支給のベースとなる

会社全体としての雇用保険対象者の

1日ベースの1人当たりの平均的な賃金は、変化しないからです。

 

実際に従業員を休ませ(休業)、

休ませているにもかかわらず、

会社がその休業日に賃金をいくらか支給(保障)している場合に

その事実を受けて

助成金が支給されるわけですが、

その支給(保障)額について

少しポイントがあります。

 

それは、労働基準法が求めている

平均賃金の60%以上の手当は支払う必要があると言うことです。

 

その他のポイントとしては、

①助成金の申請は基本的には賃金の計算期間単位で行う。

  (20日締めの会社なら21日から20日までの期間)

②助成金の申請をしたい賃金の計算期間『前』に

   事前に『休業をする予定日』を書いた計画書の提出が必要となる。

③実際に休業が行われたこと、休業手当が支払われたことの事実確認は、

   出勤簿、賃金台帳で行われる。

④③の出勤簿、賃金台帳の提出期限は、

  次の賃金の計算期間までとなる

 

京都の場合、

京都労働局に相談窓口があります。

 

実際には、色々難しいことを言われ

助成金の申請を諦めてしまいそうになられるかもしれません。

 

その時は『どうすれば助成金を受けられるのか?』

をキーワードに、

粘り強く相談をされ、

助成金の支給を受けていただきたいと思います。

社会保険の資格喪失日と注意点

昨今の不景気に伴い退職者が出るケースが増えていると思います。

 

その場合必要になってくる手続きとして、

「社会保険」「雇用保険」「住民税」の3種類があります。

 

その中でも今回は

「社会保険」の資格喪失日と注意点について書きたいと思います。

 

●社会保険の被保険者資格の喪失理由は4つ

・退職した場合→退職日の翌日

・死亡した場合→死亡した日の翌日

・70歳に達した場合(厚生年金保険のみ)→70歳の誕生日の前日

・75歳に達した場合(健康保険のみ)→75歳の誕生日

 

●月末退職者は要注意

前提として、

社会保険料は被保険者資格喪失日が属する月の前月までを徴収します。

つまり、資格喪失日の属する月の社会保険料は徴収しないということです。

原則的に社会保険料は翌月徴収されるため、

毎月の給与から徴収されているのは

前月分の社会保険料ということになります。

 

例を挙げてみると、

   6月25日に退職した人は、

  (退職日の翌日である)6月26日が資格喪失日になります。

  前述の前提をふまえると、5月分までを徴収し、

   6月分は徴収しないということです。

  よって、前月の5月分の社会保険料を

   6月の給与から徴収して終了となります。

  労務ブログの表①H21.06.17.JPG   

次は注意すべき例を挙げてみると、

   6月30日付で退職した人は、

  (退職日の翌日である)7月1日が資格喪失日になります。

  前述の前提をふまえると、6月分までを徴収し、

   7月分は徴収しないということです。

  月末退職の場合は資格喪失日が翌月にずれ込むため、

  退職日が6月25日の場合に比べ、

  1ヶ月分社会保険料負担が多くなります。

  ここが注意すべき点です。

  本来なら6月分の社会保険料は7月分の給与から徴収すべきですが、

  今回のケースのように6月30日で退職しており、

   7月に支払う給与がない場合等は、本人に了承をとったうえで、

   6月に支払う給与から5・6月の2ヶ月分を

   まとめて徴収することも可能です。

  労務ブログの表②H21.06.17.JPG     

上記をふまえると、退職者は自己負担が増え、

処理する側も事務負担が増えることから

月末退職を選択しないという選択もあるのかもしれません。

 

なにはともあれ、注意すべき点をしっかり押さえて

正しい処理をすることが第一ですね。