労務事業部のブログ記事
4月の給与計算時の社会保険作業
労務事業部です。
今回は4月の給与計算時に行う社会保険作業について
お話させて頂きます。
まず、3月分保険料を4月の給与時で徴収している会社では
「健康保険料率」「介護保険料率」の変更が必要です。
健康保険料に関しては、
毎年必ずしも変更が必要であるわけではないですが、
今後も保険料率が上がる見通しであるとされています。
「健康保険料率」は全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)や
健康保険組合等、会社が加入している保険者によって変わってきます。
協会けんぽに関しては、都道府県によって料率が異なっています。
京都でのH23年度保険料率は、9.33%から9.50%に
引き上げられることになります。
「介護保険料率」も前述の通り、保険者によって料率は変わってきますが、
協会けんぽに関しては、H23年度は1.50%から1.51%の引き上げとなり、
全国一律の変更となっています。
次は、雇用保険料に関する作業です。
毎年4月1日現在において64歳以上の被保険者の従業員は、
被保険者であっても雇用保険料が全額免除されます。
この方達を「免除対象高年齢労働者」と言い、
この確認作業が必要となってきます。
H23年度では、S21.4.2~S22.4.1生まれの方が該当することになりますので、
4月の給与以降雇用保険料を控除にしないように注意してください。
間違って控除しない為にも、毎年4月1日の従業員の年齢を
必ず確認してください。
また、4月に昇給等の給与額の変更のある会社も多いと思います。
昇給があった場合には、今月は特に作業の必要はありませんが、
3ヶ月後(6月給与終了後)に月額変更に該当するか
チェックしなければなりませんので、
備忘録に記入しておいてもいいかもしれません。
このように、4月の給与計算時には、
給与計算の他にしなければならない作業がいくつかあります。
給与計算時に慌てない為にも、できることは事前にしておいたほうが
効率がいいかもしれませんね。
管理監督者の判断は慎重に!
こんにちは、労務事業部です。
今回は、『管理監督者』についてお話ししたいと思います。
皆さんご存知のように労働基準法上の管理監督者に該当すれば、
時間外割増賃金・休日割増賃金の支払いは
必要ありません(深夜割増賃金は必要ですが)。
そこで経営者からしてみれば、
割増賃金をおさえるため、課長、店長というような名称をつけて
表面上は管理監督者であるかのように整え、
割増賃金を支払わないですむようにしたい訳です。
日本マクドナルドの事件で話題になりましたので
『名ばかり管理職』という言葉をご存知かもしれませんが、
結局、管理監督者に該当するか否かの判断は、
表面上の名称ではなく、実態で判断されます。
管理監督者に該当するか否かについて、
事前に認定する機関及び手続きはありません。
よって、究極的には、裁判になって判決が出るまでは、
誰も判断ができないのが実情です。
管理監督者に該当するか否かは、業種、業態によってさまざまであり、
画一的に論じることはできませんが、裁判での判断基準は、
①職務内容・権限・責任等、②勤務態様・労働時間管理の状況、
③待遇の3つの要素です。
① 職務内容・権限・責任等については、
例えば、店舗従業員や部下の採用・人事考課等の権限を
有しているだけでは足りず、企業の経営に関する決定に
参画することが必要とされます。管理監督者として認められた裁判例では、
人事にかかわるだけでなく、会社の重要な会議に出席し、
経営に参画していたといえる地位にあった点が結論を左右しています。
② 勤務態様・労働時間管理の状況については、
出退勤に厳格な規制を受けず、自己の勤務時間について、
自由裁量を有しているかがポイントとなります。
管理監督者として認められた裁判例では、タイムカードの打刻があり
形式的には労働時間を管理されているかのようだったが、
実際には遅刻早退等を理由に給料が減額されることはなく、
実質的には、労働時間の決定に裁量性があったとして
管理監督者性が肯定されています。
③ 待遇については、地位、権限にふさわしい待遇を受けているかが
重要になります。基本給、役職手当等がその地位に
ふさしいものになっているか、ボーナス等が一般の社員と比べ
優遇されているかがポイントとなります。
以上の①②③の3つの要素すべてで判断されますので、
管理監督者に該当させるのは非常にハードルが高いといえます。
管理監督者性はあくまで実態で判断されます。経営者としての対策は、
①管理監督者性の3つの要素に該当させるようにもっていくか、
②残業代を払う方向で賃金体系を上手に変更させるかでしょう。
くれぐれも課長以上の名称を付けておけば大丈夫とか、
年収○○○万円以上払っていたら大丈夫などで判断しないで頂きたいと思います。
参考文献 未払い残業代請求にはこう対応する 佐藤広一・佐川明生
業務外の理由で病気やケガをした場合の保険給付
労務事業部です。
今回は業務外で病気やケガをした場合の保険給付について
お話させて頂きます。
業務外の理由で病気やケガをした場合は、労災保険の適用はありません。
「健康保険」の適用となります。
この病気やケガで会社を休み、給料が減額されたりもらえなかった場合に、
健康保険の被保険者(任意継続被保険者は除く)が
次の3つの要件を満たせば傷病手当金が支給されます。
① 療養のため労務に服することができないこと
② 労務不能の日が継続して3日間あること(待機期間)
③ 休んだ期間に給料が全部又は一部しか支払われないこと
①の「療養のため」とは、自宅で療養する場合や自費診療も含みますが、
美容整形手術など健康保険の対象とならないものを受けたために
労務不能になっても傷病手当金は支給されません。
傷病手当の金額は、1日につき標準報酬日額の3分の2が支給されます。
(標準報酬日額とは標準報酬月額の30分の1に相当する金額です。)
しかし、以下の要件に当てはまった場合は、
傷病手当金は調整されることとなります。
A:給料の支給を受けた場合
B:同一の傷病により障害厚生年金を受けている場合
C:退職後、老齢厚生年金や老齢基礎年金又は退職共済年金などを受けている場合
A~C の支給日額が、傷病手当金の日額より多い時 → 支給なし
A~C の支給日額が、傷病手当金の日額より少ない時 → 差額を支給
D:出産手当金の支給を受けている場合 → 支給なし
最後に、支給期間についてお話させて頂きます。
傷病手当金は、病気やケガで休んだ期間のうち3日間の待機期間は除き、
第4日目から支給され、その支給期間は支給を開始した日から数えて
最大1年6ヶ月となっています。
傷病手当金の申請の期限は2年となっていますが、
毎月1回程度申請するのが望ましいと思います。
労働条件通知書はありますか?
昨今の厳しい状況に伴い労使間トラブルの話を耳にします。
その1つとして労働条件通知書の不備が挙げられます。
労働基準法上では企業が新たに従業員を雇う場合には、
賃金や労働時間等の労働条件を
明確に記載した書面(労働条件通知書)を作成し、
交付することが義務づけられています。
しかし、書面を作成していない企業も有るようです。
これが原因で労使間のトラブルになるケースも・・・。
企業側は雇う際に説明したと主張するが、
従業員側は聞いていないと主張する
"言った・言わない"のハナシに発展することも十分考えられます。
このような事態を防ぐためにも労働条件通知書は必要になるわけです。
労働条件通知書の作成のポイントとしては、
<文書で明示しなければならない事項>として最低限記載する
必要がある事項があるということです。
<文書で明示しなければならない事項>
①労働契約の期間に関する事項
②就業場所・従事する業務の内容に関する事項
③始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、
休日、休暇、交替制勤務をさる場合は就業時転換に関する事項
④賃金の決定、計算・支払の方法、賃金の締め切り・
支払の時期に関する事項
⑤退職に関する事項(解雇を含む)
書式は決まっていませんが、労働基準局のHPから
「労働条件通知書」のフォームがダウンロードできます。
これを元に作成すれば<文書で明示しなければならない事項>
についてはすべて明示できるようになっていますので、
ご活用いただければと思います。
労働条件通知書をしっかり具備して労使間トラブルを未然に防ぎましょう!
業務上(通勤途中)で病気やケガをした場合の保険給付
労務事業部です。
今回は業務上(通勤途中)で病気やケガをした場合の保険給付について
お話させて頂きます。
まず、業務上や通勤途中で病気やケガをした場合は、
健康保険ではなく労災保険から給付が行われます。
給付には、病院の診察代等が支給される
①療養(補償)給付とそれが原因で労働できなくなった場合の
②休業(補償)給付があります。
最初に①の療養(補償)給付ですが、2種類の給付があり、
1つ目は労災病院や労災指定病院において、
無料で必要な治療が受けることができる「療養給付」という給付で、
2つ目は労災病院や労災指定病院以外の病院で治療を受け、
治療費を病院に支払い、その後所轄労働基準監督署に請求し、
現金給付を受ける「療養の費用の支給」という給付です。
いずれの支給にも範囲があり、
A:診察、
B:薬剤又は治療材料の支給、
C:処置、手術その他の治療、
D:居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護、
E:病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護、
F:移送のうち、政府が必要と認めるもの
とされています。
次に、②の休業(補償)給付についてお話させて頂きます。
休業(補償)給付は従業員が業務上や通勤途中でケガの為に休業し、
給与を受けない場合その4日目から支給されます。
休業初日から3日間は、待機期間となり休業日数にカウントされないので、
その日数分の休業(補償)給付は支給されません。
ではその3日間はどうなるのでしょうか??
その3日間に関しては、事業主が労働基準法の規定に基づく
休業補償(平均賃金の60%以上)をしなければならないとされています。
(通勤災害の場合は補償の義務はなし)
給付額は1日につき給付基礎日額の6割が支給されます。
給付基礎日額とは、原則として災害が発生した日以前3ヵ月間に
支払われた賃金の総額をその期間の総暦日数で割た額となります。
また、通勤災害の場合は、一部負担金として200円(健康保険の
日雇特例被保険者の場合は100円)が減額され、
支給されることとなります。
労災は起こらないことを願いますが、
もし起こってしまった場合はこのような手続をお忘れなく。。。



