労務事業部のブログ記事
労務事業部です。
今回は高年齢雇用継続給付金について書きたいと思います。
以前もブログでお話させて頂いておりますが
高齢者の最適な賃金設計を考える場合、
高年齢雇用継続給付金のことを考えなければいけません。
高年齢者の最適な賃金設計を考える場合、
『下がった賃金』+『在職老齢年金額』+『高年齢雇用継続給付金』で
計算した総手取額が最大になるようにすれば良いと言うことでした。
しかし、従業員に対してそれぞれ個別の対応をしてしまうと、
色々な条件の違いから矛盾が生じたりしますので、
高齢者の継続雇用については『高齢者の賃金決定ルール』
をつくって下さい!
とお話しさせていただいておりました。
しかし、実際は、どの様な基準で考えたら良いのか?
が知りたいところだと思います。
今回は、その1つの要素である『高年齢雇用継続給付金』
の特徴についてお話しします。
この制度は、60歳以降の各月の賃金に対して『最大で15%』
給付してくれる制度です。
60歳以降の各月に支払われる賃金が、
60歳時点の賃金月額を基準として75%未満である場合に、
低下率に応じて60歳以降の各月に支払われる賃金に対して
1%~15%の給付金を支払おうとするものです(ザックリした表現です)。
ですので、最大の15%の給付をさせたいところですが、
そのためには、60歳到達時の賃金を基準として考えた場合
低下率を61%以下にしなければなりません。
しかし、単純に61%にすれば良いわけでは無いのです。
この制度には『2つの歯止め』が存在します。
第1に『60歳到達時の賃金月額』については上限が設けられています。
現時点では、449,400円です。
第2に『各月の賃金額(交通費を含む概念です。)』
が337,343円を超える場合は、給付金は、支給されません。
具体的に言うと、
60歳以前の賃金額が600,000円だった人は、
600,000円×61%=366,000円(60歳以降の各月の賃金としたとすると)
366,000円×15%=54,900円の高年齢雇用継続給付金とはならないのです。
366,000円÷600,000円=61%ではなく、
366,000円÷449,400円(第1の歯止め)=81.44・・・%で
60歳時点の賃金月額の75%未満と言う要件からはずれてしまいます。
さらに、
366,000円>337,343円(第2の歯止め)となり、
要件からはずれています。
この2つの歯止めを意識しながら、
15%の高年齢雇用継続給付金をもらうためには、
449,400円×61%=274,134円
274,134円<337,343円(要件該当)
と言うことで、
交通費込みの賃金月額として、
274,134円以下の賃金で
高年齢者の賃金設計を考えるべきなのでしょう。
労務事業部です。
今回は前回に引き続き『有給休暇』について書きたいと思います。
前回の内容で有給休暇の大半はおわかりいただけたと思います。
では今回はどんな内容かといいますと・・・・。
パート・アルバイトの有給休暇について、お話させていただきます。
「パートに有給ってあるの?」とか
「パートの有給の存在を知っていても管理の仕方が面倒」
というような考えを持っている会社は多いと思います。
正社員が6ヶ月以上勤務し全労働日の8割以上出勤した場合、
法律上当然に有給休暇の権利が発生するというのは
前回お話しましたが、たとえ週3日出社のパート・アルバイトでも、
6ヶ月勤務してその間の出勤率が8割以上である場合には、
当然の権利として有給休暇が発生するのです!!!
何日の有給休暇となるのかは、
出勤日数などによって異なってきます。
この出勤日数は
雇用契約書に記載されている日数です(雇用契約時に決まった出勤日数)
1週5日以上または週30時間以上働く場合は
正社員と同じ有給休暇が発生します。
例えば、
1日4時間で週5日働くような人は正社員と同じ有給日数となります。
週30時間未満で1週4日以下または年間216日以下の場合は、
正社員の人と比較した出勤日数に応じて発生することになり、
「比例付与日数」と呼ばれています。
では実際にどのように日数が決まるかといいますと、
下記の式に当てはめて計算することになります。
通常の労働者の有給休暇日数 × 比例付与対象者の週所定労働日数
÷ 通常労働者の週所定労働日数(5.2日)
例えば、継続して2年6ヶ月(正社員なら12日)で
週の所定労働日数が3日の人の有給日数は
12日 × 3日 ÷ 5.2日 = 6.923・・・(1日未満の端数は切り捨て)
→ 6日
ということになります。
正社員と同様、パート・アルバイトの有給休暇の考え方、
管理の仕方はややこしいので、注意してください!
労務事業部です。
今回は、『有給休暇』について書きたいと思います。
年次有給休暇は、入社日から6ヶ月以上勤務して、かつ、
労働日の8割以上出勤した従業員に対して初めて10日与えられ、
以後1年経過ごとに
11日(勤続1年6ヶ月、その1年間で8割以上の出勤必要:以後も同様)、
12日、14日、16日、18日、20日と付与日数が増加します。
注意していただきたいのが、
この付与日数と言う表現です。
例えば、
入社してから1日も休まず6年6ヶ月継続勤務した場合を考えると、
10日+11日+12日+14日+16日+18日+20日=101日
と単純にはなりません。
案外とご存知ない方がおられるのですが、
『2年の時効』が存在します。
ですので、上記のような従業員さんの場合は、
18日+20日=38日の有給休暇の権利を与えてあげれば、
労働基準法上は、問題がありません。
当然それ以上の権利を従業員さんに与えてあげるのは、
労働者有利なので問題がありません。
この時効の絡みで少し細かい論点がございます。
法律上、有給休暇の『消化の順番』については規定されていません。
何が言いたいかと言いますと、
上記のような従業員さんの場合、
18日+20日=38日の有給休暇の権利をもっておられます。
その従業員さんが、有給休暇を取得される場合、
18日から有給休暇の消化をするのか?
20日から有給休暇の消化をするのか?です。
通常の場合は、
18日から消化をするのですが、
20日から消化させることもできます。
会社側の立場からは、
20日から消化させたほうが得です。
なぜなら、
10日間、有給休暇を取得させる場合を考えると、
20日から消化する場合、18日+(20日-10日)=28日
18日から消化する場合、(18日-10日)+20日=28日
算式結果は同じなのですが、
2年の時効を考えると(言い方を変えれば、
1年間は有給休暇の繰越は可能ですので)
20日から消化する場合は、
次の年に繰り越される日数は、
20日-10日=10日(18日分は時効消滅)
18日から消化する場合は、
次の年に繰り越される日数は、
20日(18日-10日=8日が時効消滅)となります。
まあ、この様な取扱をする場合は、
就業規則にその旨を規定することが必要ですが。
有給休暇ってわかっているようでわかっていない論点って
結構ありますよね!
さらに、管理・取扱も非常に難しいです。
神経質な問題ですので、細心の注意を払ってください !!
こんにちは。労務事業部です。
『年金・定年』テーマの第4回目は、
『定年退職後の医療保険制度』について書きたいと思います。
定年退職し、加入していた健康保険から脱退した場合、
次の医療保険制度としては、下記の4つほどが考えられます。
①再就職し、次の勤め先の健康保険に加入する。
②加入していた健康保険の任意継続被保険者になる。
③国民健康保険に加入する。
④家族の被扶養者になる。
任意継続(②)に加入した後、
国民健康保険(③)に加入される方が多いでしょう。
ですので、任意継続についてのお話をさせていただきたいと思います。
健康保険の『任意継続』は、被保険者期間が継続して
2ヶ月以上ある場合、退職後も引き続き最長2年間、
個人で健康保険に加入出来る制度です。
大半の方は、退職後、いきなり国民健康保険に加入するのでは無く、
この任意継続に加入する方が保険料が安くなります。
なぜなら、国民健康保険は、市区町村によって異なりはしますが、
前年度の所得によって、保険料が決められてしまうため、
退職直後の1年間は、保険料が高くなってしまうからです。
また、任意継続保険料には、上限額が設定されているので、
一定ライン以上の給料を貰っておられた方は、
その上限保険料を支払えば良いためです。
※協会けんぽの場合、現在上限22,960円/月
(介護保険該当者26,124円/月)
ザッとした判断基準としては、
国民健康保険料年額>任意継続保険料@22,960円×12ヶ月=275,520円
なら任意継続に加入する方が得なのです。
しかし、『任意継続』の加入にあたっては、大きな注意事項が2点ほどあります。
①任意継続の申請は、退職の翌日から20日以内にしなければなりません。
この期限は、厳格です。1日過ぎても認めてくれません。
②保険料は毎月10日までに納める。
(但し、第1回目は、申請時に納める。)
この期限も厳格で、期限を過ぎると資格を喪失してしまいます。
以前こんなことがありました。
会社の経理の方が、本来なら退職日が30日であるにもかかわらず、
20日で社会保険事務所に資格喪失の手続きをしてしまいました。
後日、その従業員の方が
『任意継続の手続きが出来ない!どうにかしてほしい』
と会社に言って来られました。
青ざめた経理の方が、私に相談をしてこられたのですが、
結局、色んな書類を社会保険事務所に提出し、
本来の退職日は30日であったことを
証明することで、事なきを得たのですが、
結構、大変だった記憶があります。
皆様も、くれぐれも任意継続の『期限』には、ご注意下さい!
労務事業部です。
今月の第3回目は年金特別便について書いています。
難しい話は抜きにしまして、
実際起こったお話について書きたいと思います。
私の話というよりも母の話になるんですが・・・。
世間が「宙に浮いた年金記録」や「消えた年金記録」
などといわれ始めたころ、
個人が社会保険事務所に年金記録相談ができるように、
特別窓口が設けられたり、専用ダイヤルが設けられたりしたことを
おぼえておられるでしょうか。
母もちゃんと記録されているか不安になったようで、
地元の社会保険事務所に電話しました。
国民年金・厚生年金ともに問題なく記録されていたようで事無きをえました。
ちなみに幸いにも厚生年金の証書なども保存してあり、
スムーズに話が進めることができたようです。
話は変わり、
9月ごろ年金特別便が我が家にも届きました。
父と私は「ちゃんと載ってるな。」と一安心している傍らで、
「あれ、何か足りない気がする・・・」と母がポツリ。
私「社会保険事務所に電話して問題なかったんちゃうん?」
母「うん、そうなんやけど、厚生年金がゴッソリ抜けてる・・・」
実際見せてもらうと国民年金はちゃんと記載されているんですが、
確かに厚生年金部分がゴッソリ抜けてました。
実際にこういうことが起こっていることが信じられませんが、
現実としてあります。
ここで気になることは、
地元の社会保険事務所に電話した際に記録されていたものが、
年金特別便では記録されていないということ。
考えられることは、
各社会保険事務所と社会保険庁で情報の共有が図れていない?
年金記録に関してオンライン化されていないのか?
はたまた、地元の社会保険事務所の人が
その場しのぎで「記録あります」と言ったのか?
(さすがにそれはないと信じたいですが。)
にわかに信じがたいことが普通に起きているので、ホント驚かされます。
みなさんは年金記録大丈夫でしたか?



