PDC支援事業部: 2010年7月アーカイブ

「中小企業金融円滑化法」の適用後
~返済猶予、条件変更に応じてくれたが・・・~

PDC支援事業部です。

今月は「中小企業金融円滑化法」について書いて来ましたが、

最終回はその適用後についてお伝えします。

 

金融機関が返済猶予や条件変更に応じてくれたが

その後どうしたらよいかについて、次の二つのパターンがあると思います。

 

①まだ経営改善計画書が提出できてない場合。

②経営改善計画書は提出したが、その後どうなるのか?

 

①の場合は、同法においても「概ね1年以内に

経営改善計画書が提出される見込であること」とありますので、

早急に作成して提出する必要があるでしょう。

またご存じの通り「中小企業金融円滑化法」は

平成23年3月31日までの時限立法であることを考慮すると、

おそらく金融機関はそれまでに提出を求めるものと予想されます。

 

②の場合(①の場合でも計画書を提出した後は同じことですが)は、

金融機関から最低3年間は4半期

又は半期毎に実績の報告を求められます。

即ち提出した経営改善計画書に対してその達成率はどうか?

・・・一般的には経常利益ベースで80%の達成率が

必要であると言われています。

そしてその間は基本的に新規融資(ニューマネー)は期待できません。

 

「喉元過ぎれば・・・」と言われているように

今回の制度で返済猶予や条件変更の申請が通ったからといって

放っておくと取り返しのつかないことになります。

経営改善計画を粛々と実行に移していくことです。

ではどうすればよいのでしょうか?

 

今、企業が抱える"二つの不安"に

①自社の未来が描けない"不安"

②今までやってきたことが通用しない"不安"があると言われています。

 

もう一度「経営改善計画書」をじっくり検討し、

今「何が出来るのか?」「何がしたいのか?」をしっかり明文化し、

それを月々の行動計画と数値計画に落とし込み、

それを確実に検証していくことが求められます。

即ち「出来たこと」「出来なかったこと」を"何故出来たのか"

"何故出来なかったのか"まで検証し、

"原因"と"結果"を明確にし自社の新しい成功パターンを創造し

次の行動へ繋げていくことが肝要です。

 

「中小企業金融円滑化法」は金融機関にも努力義務を課していますが、

企業側にも今まで以上の努力義務を促しています。

 

私たち「PDC支援事業部」では、経営改善計画書策定支援から

その実行サポートを支援して参ります。

詳しいお問い合わせは以下までお願いいたします。


  ℡;(075)222-1234  E-mail;info@kubotax.com     担当;中川、川岸

 

税理士法人 久保田会計事務所

経営改善計画書の作り方

こんにちは、PDC支援事業部です。

 

前回のブログにありましたように

今回は「経営改善計画書」のつくり方について

お送りさせていただきます。

 

まずは窮境に陥った「原因分析」です。

 

どの企業も窮境に陥るには必ず原因が存在します。

その原因を適確に分析把握出来るかどうかが

非常に重要なポイントとなります。

代表的な分析手法としてはSWOT分析やPEST分析等があげられます。

企業の強み・弱み(営業、技術力、組織力等)、機会・脅威を様々な

環境視点(政治・経済・社会・技術)から分析する手法です。

悪化原因の廃除策、悪化原因を克服する強み部分の強化策の

土台づくりです。

 

次の段階は、最終的な「目標設定」です。

 

それは10年から20年の中期目標となります。

有利子負債の圧縮、企業体力の回復などを盛り込んだ

明るい未来の目標です。

分析結果を洗い出し、目標設定をしたあとは到達プロセスの

具体化です。すなわち「数値計画の策定」となります。

この到達プロセスにおいて重要となるのが

リストラ(企業再構築)の実施です。

経営が悪化した企業を再建させるリストラ策は、

単純に一つや二つでは終わらないケースもございます。

改善結果を出せるまでのスピード、改善効果の大小、

これらを考慮しながら経営者の方自身に何度も何度も

熟考していただくことがポイントとなります。

また、借入は最長20年間で完済できるということが

金融機関側の条件となりますので、

これを達成できるフリーキャッシュフローの捻出も

同時に意識しなければなりません。

 

私達はヒントをご用意するサポート役にしかすぎません、

経営者の方による計画策定でなければ

実現可能性の高い生きた経営計画とはなりません。

金融機関側においても

実抜計画(実現可能性の高い抜本的な経営再建計画)の

提出が原則求められております。

 

このような流れに沿ってじっくりと「経営改善計画書」を作成されると、

それは円滑化法申請の書類というだけではなく、

企業再建のスタートとなりますので強くおすすめしたいと思います。

 

シリーズ最後となる次回は、

「円滑化法制度の適用後」についてお伝えしたいと思いますので、

ぜひ楽しみにしてください。

 

税理士法人 久保田会計事務所

中小企業金融円滑化法のメリット・デメリット

PDC支援事業部です。

今回は、前回予告させていただいたとおり

金融円滑化法を利用する際のメリット・デメリットについて

書いてみたいと思います。

 

この制度を活用することで得られるメリットとしては

 

①元本返済猶予や借入条件の変更に応じてもらいやすい

   ・・・金融機関は中小企業から返済猶予についての申請があれば、

       できる限り応じる努力義務が課されているので、

       これまでよりも条件変更を求めやすくなりました。

②条件変更を行っても不良債権とはみなされない

   ・・・これまでは条件変更を行うと、金融機関の格付けが

       ランクダウンするため、新規融資を受けにくい状況にありました。

       しかし、同法とともに「条件変更を行っても不良債権としない」と

      金融検査マニュアルが改定されたため、金融機関としても

      今までより条件変更に応じやすくなりました。

③金融機関による経営支援・営業支援コンサルティングが受けられる

   ・・・同法では、中小企業の返済条件変更や新規融資の支援とともに、

      経営改善を支援するように金融機関に努力義務を課しています。

      融資金返済前の倒産を防ぐためにも積極的に

      経営改善支援を行っているようです。

 

などが挙げられます。

 

会社側から見れば返済猶予や借入条件の変更を

申し出やすくなりましたし、金融機関側から見ても

格付けの制約があるために条件変更に応じることが

できなかった先に対して支援を行いやすくなったメリットが

あるといえます。

 

一方で、この制度利用にあたってのデメリットとしては

①必ず申請が通るとは限らない

   ・・・返済猶予の申請を行った場合、金融機関の判断が

        どのようになるかは一概にはいえません。

       企業の業績や資金繰り、金融機関との取引状態によって

       その判断基準が異なるからです。

②会社の経営情報がメインバンク以外にも共有される

   ・・・条件変更の申請を受けた金融機関は、申請企業の

       経営改善を図るために、その企業の経営情報を

       共有する必要があります。

       そのため、メインバンク以外から融資を受けようとした際に

       融資を断られる可能性もあります。

③貸付条件の変更履歴は残る

   ・・・金融検査マニュアルにより、変更申請が認められたからといって

       安易な格付けはされないと思いますが、変更履歴があるだけで

       新規融資を断られる可能性は高くなるでしょう。

④新規融資や借り換え、条件変更を行う場合に手数料が生じる

  ・・・新規融資や借り換えだけでなく、条件変更を申請した場合にも

      信用保証協会への保証料や、銀行への手数料が求められます。

      そのため借り換えや条件変更では必要資金を手にすることができず、

      「保証料を自前で用意しなければ申し込みもできない」ということに

      なりかねません。

⑤申請時に経営改善計画書などの作成が必要

  ・・・返済猶予の申請をしたからといって何もせずに

       申請が通ることはありえません。

       金融円滑化法の一番の目的は返済猶予をすることではなく、

       企業の経営改善を支援することですので、

       そのための計画書の作成が必須となります。

 

などが挙げられます。

 

この制度により返済猶予や借入条件の変更を

受けることができたとしても、その間に経営体質が変わらなければ

一時的な資金繰り悪化の防止でしかなく、

根本的な解決にはつながりません。

 

解決を図るためには、同法により返済猶予を受けた企業が

きっちりとした経営改善計画を作成し、実行に移すことが

大切になってきます。

 

では、その経営改善計画とはどのように作成すればよいのでしょうか。

それは次回に述べさせていただきます。

 

税理士法人 久保田会計事務所

「中小企業金融円滑化法」について

PDC支援事業部です。

 

今回は全4回にわたって「中小企業者等に対する

金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」、

いわゆる「中小企業金融円滑化法」についてお話したいと思います。

資金繰りについてお悩みの経営者の方は参考にしていただけると幸いです。

この法律は平成21年12月4日に施行されました。

近年の不況が長期化していることからこの法律が施行され、

中小企業への貸し渋り貸し剥がしを抑制して

資金調達を助けることを目的としています。

その内容とは企業から借入れ等の申し出があった場合に、

金融機関はその申し出に対して可能な限り応じるように

要請するというものです。

 

具体的には、この法律が施行されたことによって

金融機関で借り入れ条件の変更が行いやすくなるなど

のメリットがあります。

 

ただし、金融機関としても融資先の条件変更に応じたものの

返済のメドが立たず、倒産されては困ります。

そこでこの法律は現経営状態に対する融資による

一時的な救済措置にとどまらず、

経営改善支援を金融機関に積極的に行うように働きかけて

企業の経営改善が行われるようにすることを一番の目的としています。

 

これから企業体質の改善を行っていく上で

積極的に努力する気持ちをお持ちであれば、

金融機関もそれに応じてフォローを行ってくれるでしょうから、

この法律をうまく利用することで光が見えてくるかもしれませんね。

 

以下に金融庁の「中小企業金融円滑化法について」の

アドレスを記しましたので是非、参考にしてみてください。

金融庁

http://www.fsa.go.jp/policy/chusho/enkatu/02.pdf

次回は、「中小企業金融円滑化法」を利用する際の

有利な点・不利な点についてお話ししていきます。

税理士法人 久保田会計事務所