相続支援事業部のブログ記事

相続税の連帯納付義務と延滞税

個人が被相続人(亡くなられた人)の財産を、相続や遺贈、

相続時精算課税に係る贈与によって取得した場合には、

それぞれが取得をした財産に応じて、

相続税を納付しなければなりません。と同時に各相続人は

相続等により受けた利益の価額を限度として、

お互いに連帯して納付しなければならない義務もあります。

これを相続税の連帯納付義務といいます。

 

例えば、会社を経営していた父親が亡くなりました。

相続人は長男、二男のふたりです。相続財産は、

預貯金と自社株のみ。

長男は自社株のみを相続、納税は延納(分納)制度を利用し、

二男は預貯金を相続し全額納税を済ませました。

 

数年後、長男が無事に相続税を全額納税できれば問題はありません

が、もし何らかの事情で納税ができなくなったとしたら?

 

二男は、自身の相続税はきちんと納税しているにも関わらず、

連帯納付義務者として、長男に代わって相続税本税と利息に相当する

延滞税を負担しなければなりません。

 

相続税本税に併せて負担する延滞税は、2ヶ月間は4.3%(日銀基

準割引率0.3%の場合)、2ヶ月経過後は14.6%が摘用されていました。

相続税の申告期限から相当期間経過後に、

連帯納付義務が発生した場合には、

延滞税だけでも高額になるケースがありましたが、

平成23年度税制改正にて、一定の要件の下に、この延滞税

に代えて利子税(最高4.3%)とすることにより税負担を軽減する

特例が設けられています。

 

この改正は、平成23年6月30日以降に連帯納付義務が発生した

ものについて適用されます。

 

税理士法人 久保田会計事務所

震災後、知人から受け取った災害見舞金の贈与税の取扱い

こんにちは、相続支援事業部です。

 

震災後に知人から受け取った見舞金についての課税関係についてですが、

受け取った見舞金が、その受贈者の社会的地位、

贈与者との関係等に照らし社会通念上相当と認められるものについては、

贈与税、所得税は課税されないということです。

 

つまり、常識的な範囲の金額であれば、課税はされないということですが、

その具体的な金額については、ケースバイケースということになります。

 

参考に、見舞金を支出する側の取扱いで、

法人が取引先の役員等に個別に支出する災害見舞金については、

基本的には、法人の事業上の損失を回避するというより、

付き合い等としての性格を有すると考えられることから、

交際費等に該当するものとして取り扱われます。

 

ケースにより様々な取扱いがありますので、

下記情報を参考にしていただき、御不明な点がありましたら、

事務所担当者までお問い合わせ下さい。

 

【参考】国税庁HP

災害に関する相続税及び贈与税の取扱いFAQ
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/sozoku_zoyoFAQ/sozoku_zoyoFAQ.pdf

災害に関する法人税、消費税及び源泉所得税の取扱いFAQ
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/hojin_shohi_gensenFAQ/pdf/hojin_shohi_gensenshotokuFAQ.pdf

 

税理士法人 久保田会計事務所

住宅取得資金贈与の改正

長らく審議が棚上げとなっていた平成23年度税制改正法案ですが、

先月の6月22日に「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応し

て税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」という、

別途の新たな法律として国会で可決・成立しました。

 

資産課税関係で注目されていた相続税の基礎控除の引き下げや

税率構造の見直し、贈与税の税率構造の緩和や

相続時精算課税制度の対象拡大といった改正項目は、

他の法人税等の改正項目とともに見送られ、

「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための

所得税法等の一部を改正する法律案」と名称変更され

審議が継続される事になりました。

 

資産課税関係では、インパクトは弱いながらも、実務では以前から

お客様からのお問い合わせが非常に多かった住宅取得資金の贈与に

関する改正がありました。

 

父母や祖父母などから住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

(直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課

税措置)、住宅取得等資金の贈与の場合は、親が65才未満でも

相続時精算課税を選択できる特例(特定の贈与者から住宅取得等資金

の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例措置)の制度について、

その適用対象となる「住宅取得等資金の範囲」に土地を先行取得す

るための資金が追加されました。

 

改正前も家屋とともにその敷地のための土地等を取得した場合の

資金にも適用はありましたが、この場合の土地とは、例えば

1.土地の分譲業者から土地を取得し、その業者との間でその土

    地の上に家屋を新築する請負契約を締結した場合のその土地

2.家屋の新築請負契約の締結を条件とした売買契約により取得

    した土地

3.いわゆる建売住宅、分譲マンションの土地

 

等、家屋と同時に取得した場合に限定されていましたが、新たに、

住宅を新築するにあたり、その敷地のための土地を先行して取得

する場合の資金が追加されることになりました。

 

土地を購入して、建物は土地の購入業者とは別のハウスメーカーで

注文建築、資金の一部は両親から援助してもらった、とはよくある

話です。この様なケースの場合、改正前は援助資金を住宅の建築代

金に充てれば贈与税の非課税の特例が受けられ、土地の購入代金に

充てると特例が受けられませんでした。

 

今回の改正で住宅取得等資金の範囲に、土地の先行取得資金が追加

されたことでより利用しやすくはなりますが、非課税等の特例を適

用するためには、その他にもこまかな要件がございますので、ご不

明の点がございましたら、久保田会計事務所にお問い合わせいただ

ければと思います。

 

改正は、平成23年1月1日以後の贈与から適用されます。

税理士法人 久保田会計事務所

未成年者控除額、障害者控除額の引き上げ(案)

こんにちは相続支援事業部です。

 

今回は、平成23年度税制改正案の中から、

未成年者控除額、障害者控除額の引き上げ

についてお話をさせていただきたいと思います。

 

この相続税における「未成年者控除」、「障害者控除」とは、

どういった趣旨の制度でどのような内容の改正なのでしょうか。

 

まず、未成年者控除についてですが、

財産を相続した未成年者の養育費について、

自立するまでに必要とする養育費を、相続財産から負担するようにと、

相続開始の日から20歳に達するまでの間の年数につき、

1年当たり一定額を相続税額から控除しようという趣旨です。

今回の改正案では、その一定額を、現行の1年につき6万円であるものを、

改正案では1年につき10万円にしようというものです。

ちなみに、胎児が無事出生し相続人となった場合、

20歳に達するまでの年数は20年ですので、

未成年者控除の額は、現行6万円×20年=120万円、

改正案では、10万円×20年=200万円となります。

 

次に、障害者控除についてですが、心身障害の方を扶養していた

被相続人が死亡した相続税につき、

その特殊な事情に応じ特別の配慮をして、

障害者福祉の増進のために設けられた制度で、

相続開始の日から85歳に達するまでの間の年数につき、

1年当たり一定額を相続税額から控除しようという趣旨です。

今回の改正案では、その一定額を、

現行の1年につき6万円(特別障害者は12万円)であるものを、

改正案では1年につき10万円(特別障害者は20万円)に

しようというものです。

 

この改正案は、対象となる方は少ないと思われますが、

「減税」の部分の改正です。

 

 

税理士法人 久保田会計事務所

死亡保険金に係る非課税枠の見直し

こんにちは相続支援事業部です。

 

今回は、平成23年度税制改正案の中から、死亡保険金に係る

非課税枠の見直しについてお話をさせていただきます。

 

【現行】

500万円×法定相続人の数

 

【改正案】

500万円×法定相続人(未成年者、障害者又は相続開始直前に

被相続人と生計を一にしていた者に限る)の数

 

上記のように、改正後は法定相続人の範囲が

大幅に縮小されることになります。

 

例えば、法定相続人が妻と子供2人の場合、

現行では「500万円×法定相続人3人」

で1,500万円が非課税となりますが、

改正後は、仮に、子供2人が被相続人と生計を一にしていない場合

「500万円×法定相続人1人」で500万円の非課税枠となります。

法定相続人が被相続人と生計を一にしていたかどうかで、

非課税枠に大きな違いが出てきます。

 

そこで最近クローズアップされてきたのが、

"生計を一にしていた者"の範囲についてです。

 

"生計を一にする意義"については、

相続税法では特に規定されておらず、

次の所得税基本通達2-47が準用されています。

 

   法に規定する「生計を一にする」とは、必ずしも同一の家屋に

   起居していることをいうものではないから、

   次のような場合には、それぞれ次による。

   (1)勤務、修学、療養等の都合上他の親族と

        日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、

        次に掲げる場合に該当するときは、

         これらの親族は生計を一にするものとする。

        イ 当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、

             勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで

             起居を共にすることを常例としている場合

       ロ  これらの親族間において、常に生活費、学資金、

             療養費等の送金が行われている場合

 

   (2)親族が同一の家屋に起居している場合には、

         明らかに互いに独立した生活を営んでいると

         認められる場合を除き、これらの親族は生計を一に

         するものとする。

 

これからすると、一般的には、同居していれば原則は

「生計を一にする」とされ、別居していても

独立した生活を営んでいなければ「生計を一にする」と

判断できそうです。

 

しかしながら、過去の判例では、"生計を一にする"の判断については、

極めて個別性が高く、実際の家屋の使用状況、食費や水道光熱費

といった生活費の負担状況等を総合的に見て個別に判断されています。

 

したがって、改正後の死亡保険金の非課税枠の判定にあたっても、

実態を総合的に判断した、慎重な判定が必要になってきます。

 

税理士法人 久保田会計事務所