おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第五話~

おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第一話~では、

おにぎり屋の小町さんが会計事務所を訪ねてから早3週間。

徐々に事務仕事にも慣れた様子です。

 

おにぎり屋たんと【経理編/本編】~第二話~

からはすこし時間を巻き戻して、

会計事務所に訪問したときの模様をご覧頂いております。

 

引き続き初めて会計事務所を訪れた小町さんをご覧下さい。

 

「どうぞ、おかけになってください。」

 

その言葉にようやく私は腰をおろした。

その後で、海苔巻さんも向かいのソファに座り、

レポート用紙と筆記具を用意すると

 

「本日はどのようなご相談でしたでしょうか」

 

と、当たり前だが早速本題をふってきた。

貰った名刺をガラスのテーブルの上にそっと置くと、

私はここへ来ようと思った経緯を話し出したのだった。

 

+++++++++++++++++

 

「・・・・なるほど。」

 

私の話を聞き終えた海苔巻さんは

私が持ってきた帳面などの資料に目を通してくれていたのだが、

そんな呟きが聞こえドキドキと目の前の人物を見つめた。

 

「ああ、すみません。」

 

わたしの視線に気づいたのか、海苔巻さんが苦笑をもらす。

 

「いえ、あの・・・やっぱり・・・・変ですか、それ。」

 

今、彼が手にしているのは

現金の出納帳だ。(背表紙の金文字がまぶしい。)

どんなダメ出しがされるのだろうか、

と気分はもはや職員室に呼び出された生徒状態だった。

 

「そうですねぇ・・・。変、という訳ではありませんが帳面の付け方としては

少々問題がありますね。」

 

やんわりと遠回しに言ってくれてるけれど・・・

 

「・・・・駄目なんですね・・?」

 

ずばり、と言えば海苔巻さんはちょっと困った様な顔して結局は頷いた。

 

「あの、別に気を遣って頂かなくても大丈夫なので

どうぞびしびし言っちゃってください。」

 

覚悟はできていますっ!とそう告げる。

 

「・・・はは、分かりました。では・・遠慮無く。」

 

そう言った海苔巻さんの笑顔を見て

ちょっと早まったかと思わなくもないが・・。

 

「・・・はい、ヨロシクオネガイシマス。」

 

神妙に頷いたのだった。

 

第6話へ続く。 

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