『あんた見たことある顔やな。そこのおにぎり屋さんのとこの子か?』
新たに会話に加わった近所の人らしき人に声をかけられた。
「あ、はい。そうです。」
店は今日は休みなのか、と問うその人に。
『そうそう。あそこの子やねんけどな。
今日はうちが頼んでおにぎりを持って来てもろたんよ。』
家主が代わりに自慢げにそう返事を返して苦笑する。
『へぇ・・よくある配達ってやつかいな。
あんたのとこのおにぎり食べたことないけど、
配達来てくれるなら食べてあげてもええで。』
おにぎりの配達、というのが珍しかったせいか
興味をもったらしいその人が笑いながら言う。
「ありがとうございます。けど、これは店番が居る時しか出来ないので・・」
流石に安請け合いは出来ない、とやんわりと断ろうとしたのだが・・。
『そうなん?じゃあ、店番居る時にお願いするわ。
あんたのおにぎりこの人がよう「美味しい」って言うから
食べてみたいねん。』
「奥さん方揃って口がお上手やわ。・・・わかりました。
その代わり、気長に待っていてくださいよ?」
その後によくよく聞けば、このご近所さんは
色々と事情があってあまり家を空けることが出来ないらしく。
その上、毎日かなり忙しくしているとのことで。
それならば食事の準備も大変だろうと思い、
おにぎり以外に「おばんざい」も店頭に並べていることを伝えれば、
それも欲しいと頼まれた。
・・・こうして。
私は期せずしてさらなる配達希望者から
注文を受けることとなったのである。
-その夜-
(・・・・・・。
もしかして。これって商売になるんやろか・・・。)
そんなことを考える小町さんの姿があったとか。
第6話へ続く。




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