2009年6月アーカイブ

あんなぁ、よおぅききや!

今日は、最近読んだ本の紹介をさせていただきます。

「あんなぁ、よおぅききや」京都新聞出版センター

 

京都で代々、麩の製造販売をされている「半兵衛麩」の

11代目である著者、玉置半兵衛さんが、

前代である、お父さんから子供のころに教わられた生き方

について、まとめられた本です。

 

商売の根本やケチと始末の違い、従業員との関わり方など、

老舗ならではの珠玉のメッセージが沢山詰まっています。

 

前にも書きましたが、京都は世界一、老舗企業の多い地区です。

その理由はいろいろあると思いますが、この本を読んでいると、

老舗の哲学がよくわかります。

 

そして、同じく京都の商売人の息子である私も、

小さいころによく聞かされたことと同じことが書いてあり、

とっても共感しました。

 

今は、「企業と人の継続発展を支援する」ことを目的に

会計事務所を経営していますが、

長く商売を続けようと思われる方には、

是非とも読んで頂きたい一冊です。

 

税理士法人 久保田会計事務所

税理士 久保田博之

 

おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第二話~

先週から始まりました、おにぎり屋たんと【事業拡大編】第2話。

実は4編目なんです。

1編目は、おにぎり屋 "たんと" で学ぶ経営と会計【開業編】

2編目は、おにぎり屋たんと【経理編/導入部】

3編目は、おにぎり屋たんと【経理編/本編】

開業時に考えておきたいこと。

経理をしていく上での心構えや注意点。

を見ていただきました。

今回の4編目、

おにぎり屋たんと【事業拡大編】を通じて・・・。

 

ご覧いただいて確認していただきましょう!

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『なんや、全然わからへんのかいな。』

 

勉強不足ちゃうか、と笑われてちょっと悔しい。

でも、ここでへそを曲げられたら答えがもらえないのでじっと我慢。

 

『そやなぁ・・。でも、食べ物屋っていうのはええとこついてるで。

・・・・・・なんとな、それ、「たこ焼き」やねん。』

 

・・・・・・へぇ。って。

 

「ええ!?たこ焼き?・・・それってピザみたいに注文うけてから焼いて

持って行くんですよねぇ・・?」

 

思わず聞き返す。鉄板焼き屋みたいな、自分で焼けるたこ焼き屋さんとかが

あるのは知っているが、デリバリーとは驚きだ。

そんなチラシを見たら、ちょっと好奇心で注文してしまいそうな気がする。

 

驚く私の反応に気を良くしたのか

お馴染みさんが自慢気にそうだろうそうだろう、と

頷いている。

 

『な、びっくりするやろ?うちも驚いてん。

詳しい内容とかはあんまり覚えてへんねんけど・・・。

面白いこと始める人がいはるわぁって思ってなぁ。』

 

たしかに。・・・詳しい内容を出来るならちょっと聞いてみたかったのに。

残念だ。

 

「たこ焼きって言ったらやっぱり屋台のイメージとかが強いですもんねぇ。」

 

『そうそう。・・・なぁ、そういえばおねえちゃんとこはそんなんせぇへんの?』

 

ちょっとそのデリバリーを探してみようか、などと興味を惹かれていると

そんな事を尋ねられて苦笑する。

 

「いややわぁ、私1人だけやのに配達なんてできませんて。」

 

『けどそんなん人を雇ったらええんとちゃうの。

仕込みから何から何まで1人とかしんどいやろ?』

 

「いやぁ・・・その辺は家族が手伝ってくれてますし・・

完全に私1人ってわけじゃないんで。」

 

というか、人を雇うにも先立つものが必要だということを思い出して欲しい。

なんとなく思いつきを言ったのだろうが、

簡単に言ってくれるなぁ・・と心の中で苦笑する。

 

『ああ、そうなんかいな。でも、これから先ちょっとでも

新しいことを取り入れていかな生き残っていけへんのとちゃう?

それに、おにぎりの配達っていうのもあんまりないし面白いんとちがう?』

 

何故かノリノリで押してくるお馴染みさんに今度は苦笑を浮かべる。

 

「とか言って。それって単に奥さんが持って来て欲しいだけとちゃいますの?」

 

そう言えば。

 

『ああ、あかん。ばれてしもた。』

 

悪びれなく笑う相手に、しょうがない人やなぁと笑いを返す。

 

『だって、それやと楽やないの。

いちいち外に出んでもいいし。

ああ、もしそれでうちに来てくれたらお茶くらい出してあげるで?』

 

お馴染みさんの気軽さで、「なぁ、あかん?」と目で訴えられて・・。

 

「はぁ・・。馴染みの奥さんのお願いとあったらしゃあないですね。

わかりました。今度お持ちさせてもらいます。」

 

降参、と手をあげて了承する。

ただし、店番の家族がいる時だけという条件付きで。

 

『おおきに、さすがおねえちゃんやわ。これからもひいきにするさかい。』

 

なんて調子の良いことを言って上機嫌で「ほなね」と帰って行くその姿を見送る。

 

ほんの軽い気持ちで引き受けたこのおにぎりの配達が、これ以後。

思いがけない展開を迎えるとは、その時の私はまだ何も分かっていなかったのである。

第3話へつづく。

再検討の余地あり!『中小企業緊急雇用安定助成金』

労務事業部です。

 

今回は、『中小企業緊急雇用安定助成金』についてお話したいと思います。

 

新聞などで一度は目にされているかもしれません。

 

なんかややこしそうだなあとか、

要件が厳しそうだなあとか、

申請を断念されている方もおられるのではないでしょうか?

 

助成金は、もらうだけで返す必要はありません。

是非もう一度検討してみて下さい。

 

この助成金が支給対象としているものとして、

『休業』『教育訓練』『出向』があります。

 

今回は、特に利用されることが多いと思われる

『休業』のケースを取り上げたいと思います。

 

まず、大前提として

ザックリとした言い方ですが、

①売上が減少し、さらに

②売上の減少に伴い、

従業員さんを『休ませる』ことを検討されている会社は、

助成金の申請を考えてみて下さい。

 

手間だけかかっても嫌だし、

結局のところ、いくら助成金がもらえるのか?

が気になられると思います。

 

大雑把な言い方ですが、

ザックリと、休業日に会社が保障する賃金の80%が

助成金で受けられると思って頂いたらそんなにはずして無いと思います。

 

もう少し詳しく言いますと、

「会社全体としての雇用保険対象者の

1日ベースの1人当たりの平均的な賃金」を算定し、

それに対して「会社が休業日に従業員に保障する賃金の保障率」を掛け、

さらにそれの4/5(80%)を1日ベースの1人当たりの助成金として、

支給してくれます。

 

例えば、
会社全体としての雇用保険対象者の

1日ベースの1人当たりの平均的な賃金が@10,000円、

休業日に保障する賃金の保障率が60%だとすると、

@10,000円×60%×4/5(80%)=@4,800円が

1日ベースの1人当たりの助成金となります。

(但し、現在では、雇用保険基本手当日額の最高額

@7,730円が上限とされています。)

これに、実際に休業させた延日数をかけた金額が

助成金の総額となります。

 

あまり良い表現ではないかもしれませんが、

損得勘定としましては、

相対的に賃金単価の高い従業員さんを休業させ助成金を受ける場合と、

賃金単価の低い従業員さんを休業させ助成金を受ける場合とでは、

賃金単価の低い従業員さんを休業させ助成金を受ける方が『得』となります。

なぜなら、助成金の支給のベースとなる

会社全体としての雇用保険対象者の

1日ベースの1人当たりの平均的な賃金は、変化しないからです。

 

実際に従業員を休ませ(休業)、

休ませているにもかかわらず、

会社がその休業日に賃金をいくらか支給(保障)している場合に

その事実を受けて

助成金が支給されるわけですが、

その支給(保障)額について

少しポイントがあります。

 

それは、労働基準法が求めている

平均賃金の60%以上の手当は支払う必要があると言うことです。

 

その他のポイントとしては、

①助成金の申請は基本的には賃金の計算期間単位で行う。

  (20日締めの会社なら21日から20日までの期間)

②助成金の申請をしたい賃金の計算期間『前』に

   事前に『休業をする予定日』を書いた計画書の提出が必要となる。

③実際に休業が行われたこと、休業手当が支払われたことの事実確認は、

   出勤簿、賃金台帳で行われる。

④③の出勤簿、賃金台帳の提出期限は、

  次の賃金の計算期間までとなる

 

京都の場合、

京都労働局に相談窓口があります。

 

実際には、色々難しいことを言われ

助成金の申請を諦めてしまいそうになられるかもしれません。

 

その時は『どうすれば助成金を受けられるのか?』

をキーワードに、

粘り強く相談をされ、

助成金の支給を受けていただきたいと思います。

緊急保証制度と経営改善計画 ②

先週の続きです。

昨年10月に実施された緊急保証制度により、

利用された企業では一時的に資金に余裕ができているところが多い、

と書かせて頂きました。

 

ただ、新型インフルエンザなど、相次ぐマイナス要因で、

中小企業の経営環境はまだまだ改善されていないので、

その余裕資金もドンドン少なくなってきているところも多くなってきました。

 

経営者が日繰りの資金繰りに追われ、

金策に走らなければならなくなると、

じっくりと自社のビジネスモデルを見直したり、

利益率の改善のため赤字受注を断るなどの対策はとれなくなります。

まさしく、緊急保証制度により資金に少し余裕ができた今こそ、

本格的に経営改善計画を作成し、

自社の継続的な「あんしん経営」を図ることが重要です。

 

昨年11月に金融庁は、

中小企業の資金繰り支援のため「金融検査マニュアル」

別冊[中小企業融資編]を改定しました。

 

この金融検査マニュアルというのは、

不良債権比率など金融機関の財務状況を金融庁が検査し、

その金融機関の健全性を確認するための基準であり、

全ての金融機関がこのマニュアルに沿って

融資先の格付けを行っているものです。

 

金融機関では、融資先の格付けに従って、貸出金に対して設定する

貸倒リスクの費用を計上しています。いわゆる貸倒引当金です。

 

貸出金1000万円に対して貸倒の危険率が1%だとすると、

10万円を費用に計上します。

 

危険率が10%になると100万円を費用に計上する訳です。

10%も費用に計上しなければならなくなると、

3%程度の金利をもらっていても、赤字になってしまうわけです。

 

そして、赤字になるような融資先が多くなると、

つまり不良債権の比率が多くなると、

金融庁から業務改善命令をだされて、

いずれは業務停止や合併などに追い込まれ、

金融機関が先に破綻してしまうことになります。

 

長くなりましたが、この融資先の格付けは、金融機関の先行きを決定する

大変重用な作業であることはご理解いただけたでしょうか。

 

昨年11月の改定は、あえて簡単にいうと、

「しっかりした経営改善計画を作成している中小企業の格付けは

一段階甘くしても良い。」という内容です。

そうすることで、金融機関のリスク費用(貸倒引当金)を少なくできるので、

中小企業への融資がしやすくなります。

 

従来は、一度借りた借入金について、元金や金利の返済を

猶予してもらったり、返済期限を遅らせたりすると、

融資格付けが一段階も二段階も下がってしまい、

金融機関にとっては大きな負担になっていました。

これが、「経営改善計画」を作成することにより、返済を猶予したり

期限を延長したりしても、格付けが下がらなくなるので、

今まで通り、引き続き中小企業に対して新規融資も

続けることができるようになった訳です。

 

ですから、今こそ、「経営改善計画」をしっかり作成して、

融資条件の変更などを金融機関と話し合う絶好のチャンスです。

 

宣伝になって申し訳ないですが、

当事務所ではかなりの数の「経営改善計画」を作成し、

金融機関にも認めてもらった実績があります。

 

また、どの程度返済条件を変更すればうまく行くのか、

数年後までの自社の資金繰りはどうかなど、

その目安をたてて頂くために「将軍の日」と題した

経営計画作成セミナーを毎月開催しています。

是非、お気軽にお問い合わせ下さいますよう、お願い致します。  

 

税理士法人 久保田会計事務所

税理士 久保田博之

 

おにぎり屋たんと【事業拡大編】~第一話~

新編突入!!

満を持して、おにぎり屋たんと【事業拡大編】 が今日から始まります。

実は4編目なんです。

1編目は、おにぎり屋 "たんと" で学ぶ経営と会計【開業編】

2編目は、おにぎり屋たんと【経理編/導入部】

3編目は、おにぎり屋たんと【経理編/本編】

開業時に考えておきたいこと。

経理をしていく上での心構えや注意点。

を見ていただきました。

今回の4編目、

おにぎり屋たんと【事業拡大編】を通じて・・・。

 

ご覧いただいて確認していただきましょう!

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小町さんが経理の基本を学び、

無事に確定申告を終えてから数ヶ月が経ちました。

あれから小町さんはどうしているのでしょうか?

少し覗いてみましょう。

 

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あれから数ヶ月が経ち、私は相変わらず1人でこの小さな城である

「おにぎり屋」を切り盛りしていた。

売上はうなぎのぼり!・・とまでは行かないが、

家族や友人知人の地道な応援のおかげもあり、

ありがたいことになんとか赤字にならずに済んでいる。

最近では固定客・・というかお馴染みさんが出来て、

会話を楽しむ余裕も出てきていた。

 

そんなある日。

昼のピークを過ぎ、仕事が一段落した頃、

いつもの様に馴染み客の1人である、

近所の年配の女性と話をしていると・・・。

 

『ああ、そういえば、あんたは知ってるやろか?

最近うちに面白いチラシが入ってたんやけど・・。』

 

ふと思い出したように言われ首を傾げた。

 

「え?いくらなんでもそれだけではわかりませんて。

面白いちらしってどんなんやったんですか?」

 

肝心な所を言わない相手に苦笑しながら問いかける。

 

『ああ、それもそうやねぇ。ごめんごめん。

ええっとなぁ。なんかほら、配達サービスのチラシってよく入るやん?』

 

ああ、そうですねぇと相づちを打って先を促す。

 

『でな、その中に変わったんがあってなぁ。

おねえちゃんはなんの配達やと思う?』

 

・・・・なぞなぞになってしまった。

 

「ええと・・・そうですねぇ・・・。

私に知ってるか?って聞くくらいやから

同じ食べ物屋さんなんかなぁって思いますけど・・・。」

 

検討つきませんねぇ、と笑うと。お馴染みさんも笑って。

私はあれこれと色々な配達を思い浮かべながら答えを待った。

第2話へ続く。