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災害に関する主な税務上の取扱いについて

2011年04月27日

財務事業部です。

 

このたびの東日本大震災により被害を受けられたみなさまに

心よりお見舞い申し上げます。

1日も早い復旧とみなさまのご健康を心よりお祈り申し上げます。

このたび地震により被災されたみなさまへの少しでもの情報提供と

被災地への支援を望まれるみなさまに対して、

情報提供という役目を果たすべくお知らせいたします。

少しでもみなさまのお役に立てましたら幸いです。

 

災害に関して法人や事業を営む個人が支出する費用などの

現行の取扱いについて

 

法人税及び所得税共通

(1)災害により滅失・損壊した資産等

法人の有する商品、店舗、事務所等の資産が災害により

被害を受けた場合に、その被災に伴い次のような損失又は

費用が生じたときは、その損失又は費用の額は損金の額に算入されます。

なお、事業を営む個人の有する事業用資産についても、同様となります。

 ①商品や原材料等の棚卸資産、店舗や事務所等の固定資産などの

     資産が災害により滅失又は損壊した場合の損失の額

 ②損壊した資産の取壊し又は除去のための費用の額

 ③土砂その他の障害物の除去のための費用の額

 

(2)復旧のために支出する費用

法人が、災害により被害を受けた固定資産(以下「被災資産」といいます。)

について支出する次のような費用に係る資本的支出と

修繕費の区分については、次のとおりとなります。

 ①被災資産についてその原状を回復するための費用は、修繕費となります。

 ②被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、

      排水又は土砂崩れの防止等のために支出する費用

について、修繕費とする経理をしているときは、この処理が認められます。

 ③被災資産について支出する費用(①又は②に該当するものを除きます。)

の額のうち、資本的支出か修繕費か明かでないものがある場合、

その金額の30%相当額を修繕費とし、

残額を資本的支出とする経理をしているときは、この処理が認められます。

なお、これらの取扱いは、事業を営む個人においても同様となります。

(注)法人が災害により被害を受けた製造設備に対して支出する

修繕費用等について、企業会計上、適正な原価計算に基づいて

原価外処理(費用処理)をしているときは、税務上もこの処理が認められます。

 

(3)従業員等に支給する災害見舞金品

法人が、災害により被害を受けた従業員等又はその親族等に対して

一定の基準に従って支給する災害見舞金品は、

福利厚生費として損金の額に算入されます。

また、法人が、自己の従業員等と同等の事情にある

専属下請先の従業員等又はその親族等に対して
一定の基準に従って支給する災害見舞金品についても、

同様に損金の額に算入されます。

なお、事業を営む個人においても同様に取り扱われます。

 

(4)災害見舞金に充てるために同業団体等へ拠出する分担金等

法人が、所属する同業団体等の構成員の有する事業用資産について

災害により損失が生じた場合に、その損失の補てんを目的とする

構成員相互の扶助等に係る規約等に基づき合理的な基準に従って、

同業団体等から賦課され、拠出する分担金等は、

その支出する事業年度の損金に算入されます。

なお、この取扱いは、事業を営む個人においても同様となります。

 

法人税関係

(5)取引先に対する災害見舞金等

法人が、被災前の取引関係の維持・回復を目的として、

取引先の復旧過程においてその取引先に対して行った

災害見舞金の支出、事業用資産の供与等のために要した費用は、

交際費等に該当しないものとして損金の額に算入されます。

 

(6)取引先に対する売掛金等の免除等

法人が、被害を受けた取引先の復旧過程において、

復旧支援を目的として売掛金、貸付金等の債権を免除する場合には、

その免除することによる損失は寄付金又は交際費等以外の費用として

損金の額に算入されます。

また、既契約のリース料、貸付利息、割賦代金の減免を行う場合

及び災害発生後の取引につき従前の取引条件を変更する場合も、

同様に取り扱われます。

 

(7)取引先に対する低利又は無利息による融資

法人が、災害を受けた取引先の復旧過程において、

復旧支援を目的として低利又は無利息による融資を行った場合における

通常収受すべき利息と実際に収受している利息との差額は、

寄附金に該当しないものとされます。

 

(8)自社製品等の被災者に対する提供

法人が、不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う

自社製品等の提供に要する費用は、

寄附金又は交際費等に該当しないもの(広告宣伝費に準ずるもの)として

損金の額に算入されます。

 

(9)災害による損失金の繰越し

法人の各事業年度開始の日前7年以内に開始した事業年度において

生じた欠損金額のうち、棚卸資産、固定資産等について災害により

生じた損失に係るもの(災害損失欠損金額)がある場合には、

その事業年度が青色申告書を提出しなかった事業年度であっても、

その災害損失欠損金額に相当する金額は、

その各事業年度において損金の額に算入されます。

 

所得税関係

(10)個人が支払を受ける災害見舞金

個人が支払を受ける災害見舞金で、その金額がその受贈者の社会的地位、

贈与者との関係等に照らし社会通念上相当と認められるものについては、

課税しないものとされています。

 

(11)低利又は無利息により生活資金の貸付けを受けた場合の

経済的利益災害により臨時的に多額な生活資金を要することとなった

役員又は使用人が、使用者からその資金に充てるために

低利又は無利息で貸付けを受けた場合に、

その返済に要する期間として合理的に認められる期間内に受ける

利息相当額の経済的利益は、課税しなくて差し支えないこととされています。

 

(12)被災事業用資産の損失の繰越し

事業を営む個人のその年の前年以前3年以内の各年において生じた

純損失の金額のうち、棚卸資産、固定資産等について災害により

生じた損失に係るもの(被災事業用資産の損失の金額)がある場合には、

その損失の生じた年分が青色申告書を提出しなかった年分であっても、

その被災事業用資産の損失の金額に相当する金額は、

その年分の総所得金額等の計算上控除することとされています。

 

印紙税関係

(13)災害義援金の受取書

新聞社、放送局等が、災害援助を目的として

一般から広く義援金を募集する場合、

災害義援金の受領事実を証明するために作成する受取書は、

課税しないことに取り扱われます。

なお、金融機関が災害義援金の振込依頼を窓口等で

受け付けた際に作成する受取書で

次のいずれにも該当するものについても同様に取り扱われます。

 ①振込手数料が無料であること

 ②振込先が広く一般に災害義援金を募っている団体等であること

 ③災害義援金の振込金受取書であることが

その文書上明らかにされていること

 

自動車重量税関係

(14)被災自動車に係る自動車重量税の還付

自動車の販売業者又は自動車分解整備業者が、

自動車の使用者のために自動車検査証(車検証)の交付等

又は車両番号の指定を受ける目的で保管している自動車のうち、

自動車重量税を納付して車検証の交付等又は車輌番号の指定を受けた後、

被災により走行の用に供されることなく使用が廃止されたものについては、

納付した自動車重量税の還付を受けることができます。

なお、既に走行の用に供していた自動車については、

使用済自動車の再資源化等に関する法律

(自動車リサイクル法)等に基づき適正に解体された場合には、

還付される制度があります。

 

*災害を受けた場合の取扱いについては、

上記のほかにも、国税庁ホームページのタックスアンサー
にもございますので、ご参考にしてください。

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税理士法人 久保田会計事務所

              
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