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意外と複雑な配当控除について

2021年03月31日

経営財務部

こんにちは。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。


今回は証券会社に特定口座をお持ちの方などの申告で頻出する配当控除について、

改めて振り返ってみたいと思います。



株式や証券の配当を受けた場合には、その配当の内容や金額に応じて申告不要、

分離課税、総合課税の3つの申告方法を選択することができます。

申告者の所得の状況によってどの方法が有利となるかは変化し、

どの方法が絶対的に有利ということはございません。


配当所得を総合課税として確定申告をするメリットの一つに、配当控除があります。

配当の額に応じて、一定の率を乗じた金額を所得税額から控除する事ができるものです。


なお、分離課税や申告不要を選択した場合には、配当控除の適用はございません。



【配当控除の計算方法】

国税庁のHPの内容を確認しますと、

配当控除は配当の金額に以下の率を乗じて計算する事が記載されています。


① 剰余金の配当等に係る配当所得 (特定株式投資信託の収益の分配を含む) ・・・ 10%

② 証券投資信託の収益の分配金に係る配当所得 (特定株式投資信託の収益の分配を除く) ・・・ 5%

③ ②の内、特定外貨建等証券投資信託以外の外貨建等証券投資信託の収益の分配 ・・・ 2.5%



(全て所得の合計が1,000万円を超える場合には、越える部分の①~③配当控除は半分になります。)


用語がわかりにくく混乱しがちな文章ですが、出てくる用語の意味合いは次の通りです。



・①に含まれ、②に含まれない、「特定株式投資信託」

株式のみに投資する証券で、

一般的には日経平均やTOPIXに連動する上場投資信託(ETF)等を指します。

全てが株式に投資されているので、保有している株式の配当と同様に①に該当します。

・③の対象となる「外貨建等証券投資信託」

証券投資信託の内、投資信託約款で外貨建資産割合及び非株式割合両方が

50%超になっているもの(制限がないものも含む)を言います。


・③からも除かれる「特定外貨建等証券投資信託」

上記の外貨建等証券投資信託の内、投資信託約款で外貨建資産割合及び

非株式割合両方が75%超になっているもの(制限がないものも含む)を言います。



配当の内容と配当控除の割合をまとめますと以下の通りです。


①株式の配当 及び ETF等の特定株式投資信託

・・・ 所得税 10% 住民税 2.8%


②証券投資信託の内、外貨建資産割合 及び 非株式割合 が50%以下

・・・ 所得税 5% 住民税 1.4%


③証券投資信託の内、外貨建資産割合 及び 非株式割合 が75%以下(②を除く)

・・・ 所得税 2.5% 住民税 0.7%


④証券投資信託の内、外貨建資産割合 又は 非株式割合 が75%超(両方が75%超の場合も含む)

・・・ 配当控除なし




(全て所得の合計が1,000万円を超える場合には、越える部分の配当控除は半分になります。)

なお、②と③の証券投資信託の配当がある場合には

「特定証券投資信託に係る配当控除の計算書」を申告書に添付する必要がございますので注意が必要です。



各投資信託毎の外貨建資産割合と非株式割合を調べる際には、

特定口座の場合は年間取引報告書に同封されている書面に記載されていることが一般的です。

また、特定口座以外の場合は投資信託説明書(目論見書)等を確認いただく必要がございます。



制度を読むと複雑ですが、書類が揃っていれば判断をする事は難しいものではございません。

配当控除は申告の税額に直接影響いたしますので、ご検討の際にはその割合に御注意下さい。



税理士法人 久保田会計事務所では、法人税や所得税等の税務申告だけでなく

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