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会社法に定める4つの会社形態について

2021年06月23日

経営財務部

こんちには。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。


今回のテーマは、

会社法に定められている4つの会社形態(株式会社、合同会社、合資会社、合名会社)です。

会社法において、会社は株式会社と持分会社の2つに大きく分類され、

持分会社はさらに細かく3つ(合同会社、合資会社、合名会社)に分類されることとなります。

そこで今回は、これらの会社形態による基本的な違いを、ポイントごとにご紹介させていただきます。



【「所有」と「経営」の関係】

株式会社と持分会社の最も根本的な違いは、「所有」と「経営」の関係です。

株式会社は出資者(株主)からの払込みを受けて設立された後、

すぐに取締役を選任しなければなりませんが、

この取締役は株主とは別の人を選定することができます。

そのため「所有(株主)」と「経営(取締役)」は基本的に別人に属することとなります。

これを「所有と経営の分離」と言います。

一方で、持分会社は社員が業務を遂行することとなるため、

原則として「所有」と「経営」は一致することとなります。


ただし、中には例外もあります。

例えば中小企業などに多く見られるように、

株主が取締役を兼任しているようなケースでは、

株式会社であっても「所有」と「経営」が一致することになります。

逆に、持分会社であっても定款にて業務執行社員を定めることで

「所有」と「経営」が完全には一致しなくなるケースもあります。




【出資者の責任の範囲】

出資者の責任の範囲もまた、会社形態による重要な違いの一つです。


株式会社においては、全ての出資者(株主)は、

出資額を超えて責任を追及されることはありません。これを「有限責任」と言います。

持分会社の場合は、出資者(社員)の責任の範囲に応じて会社形態が3つに区分されます。

①合同会社・・・株式会社と同様に、全ての社員を有限責任社員とする持分会社です。

②合資会社・・・一部の社員を有限責任社員とし、残りの社員を無限責任社員とする持分会社です。

③合名会社・・・全ての社員を無限責任社員とする持株会社です。



無限責任社員は非常に大きな責任を負うこととなるため、

合資会社、合名会社を選択する際にはより慎重な検討が必要となります。




【利益の分配】

株式会社も持分会社も、出資者が会社から利益の配当を受けることができる点は同じですが、

その配当の基準が会社形態によって異なります。

株式会社の場合、「株主の平等」という規定があるため、

株主をその株式の内容と数に応じて平等に取り扱わなければならないこととなります。

従って、利益の配当を行う場合には、

原則としてその持分に応じて配当額を決定することとなります。

※種類株式の発行などの例外的なケースを除きます。



一方で、持分会社の場合は「株主の平等」のような規定はなく、

利益分配の割合について定款で定めることが可能です。



【持分の譲渡】

株式会社の場合、株主は自分が所有している株式を、原則として自由に売買することが可能です。

※定款等において譲渡制限に関する定めがある場合を除きます。



一方で、持分会社においては、社員は他の社員全員の承諾がなければ、

原則としてその持分を他人に譲渡することができません。



さらに、持分会社の場合は社員が死亡した場合の取扱いについても注意が必要です。

株式会社の株主が死亡した場合には、相続人がその株主としての権利を承継することとなります。

しかし、持分会社の社員が死亡した場合には、

相続人が取得するものは死亡した社員の持分払戻請求権となり、

社員としての権利は原則として承継することはできません。



なお、定款において社員の死亡時の取扱いを定めておくことで、

社員が死亡した場合にその社員としての権利を相続人へ承継させることは可能です。



【最後に】

今回は、珍しく税法とは直接関係のない会社法について書かせていただきましたが、

ご紹介した会社以外にも多くの法人形態(一般社団法人、一般財団法人等)が存在します。

それぞれにメリットとデメリットがありますので、

法人を設立される際にはその違いを加味した上でご選択いただく必要があります。



また、法人形態の違いによって法人税法上の取扱いも多岐にわたることが考えられますので、

ぜひその際は久保田会計事務所まで御相談お待ちしております。



税理士法人 久保田会計事務所では法人税や所得税等の税務申告だけでなく

相続対策や事業承継のお手伝いや経営コンサルティングを通してお客様の継続と発展を支援致します。

京都で50年間積み重ねた経験が、きっと皆様のお役に立つものと信じております。

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お待ちしております。



              
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