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資本性劣後ローンについて

2022年08月17日

財務事業部

こんにちは。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。

今回はコロナ資金繰り支援策としても政府から提示されている

「資本性劣後ローン」についてご紹介させていただきます。



資本性劣後ローンは一定期間返済義務がなく基本的に返済期日に一括返済する借入であり、

制度の名称となっている資本性と劣後ローンには以下の意味合いがあります。



○資本性

金融機関からの通常融資は当然返済が必要であることからその金額は「負債」とみなされますが、

資本性劣後ローンは基本的に負債ではなく「自己資本(=資本性)」とみなされます。

よって、企業の財務安全性を示す自己資本比率(自己資本÷総資本)は、

通常融資直後は低下することとなりますが、資本性劣後ローン設定後では改善することとなり、

金融機関からの追加融資を受けやすくなることが期待できます。



○劣後ローン

劣後とは、企業が万が一倒産した場合、

他の債務(融資や税金など)より支払優先度が劣って遅れをとるという意味合いです。

この取り扱いルールにより自己資本とみなされる資本性を有することとなってます。


毎月の返済が無く、財務の安全性指標を高め、

返済が劣後するといったメリットのある「資本性劣後ローン」ですが、

他にも赤字業績の場合には比較的利息負担が低い、

無担保無保証人で申請が可能といったメリットもあります。


それでは逆に資本性劣後ローンのデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

ひとつは業績好調時の利率です。業績が厳しい(赤字の)場合には比較的低利率ですが、

業績が好調な場合には通常融資と比較して高い利率設定による利息負担が発生いたします。

次に基本的に分割返済に対応していないということです。

資本性劣後ローンは一括返済が基本であり、

また、期限前返済を一定期間行えないのが原則です。

返済時期に多額の一括返済資金が支出されること、

資金に余裕があっても一定期間返済を行えないことには注意する必要があります。


このような特徴のある「資本性劣後ローン」ですが、

全ての事業者が活用できるわけではありません。

新型コロナウィルス感染症の影響を受け厳しい状況におかれている事業者に対して

日本政策金融公庫は「新型コロナ対策資本性劣後ローン」を来年度末まで設定してますが、

その対象者は以下の(1)から(3)のいずれかに該当する事業者としてます。


○対象者

(1)J-Startupプログラム選定者または独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資する

投資事業有限責任組合からの出資を受けた事業者

(2)中小企業活性化協議会の支援を受けて事業の再生を行う事業者

または独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資する投資事業有限責任組合の関与のもとで

事業の再生を行う事業者

(3)上記(1)及び(2)に該当しない事業者であって、事業計画書を策定し、

民間金融機関等による支援を受けられる等の支援体制が構築されている事業者



資本性劣後ローンは通常の融資に比べて特殊な制度ではありますが、

毎月返済の負担が発生せず財務の健全性を回復する上では魅力的な支援策でもあります。

対象者に該当される可能性のある事業者の方で積極的に検討されたい方は

取引金融機関に一度ご相談されても良いかもしれません。




税理士法人 久保田会計事務所では法人税や所得税等の税務申告だけでなく

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京都で50年間積み重ねた経験が、きっと皆様のお役に立つものと信じております。

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