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中小企業における賃上げ促進税制の改正について

2024年02月07日

経営財務部

こんにちは。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。
今回は中小企業における賃上げ促進税制の改正ついてご紹介したいと思います。


2023年12月に「令和6年度税制改正の大綱」が閣議決定され、その中で「賃上げ促進税制」の改正が
明記されていました。

賃金上昇が物価高に追いついていないため、国民の負担を緩和し、物価上昇を十分に超える持続的な賃上げが
行われる経済の実現を目指す観点から、所得税・個人住民税の定額減税の実施や、賃上げ促進税制の強化等が
行われます。

2023年12月20日に当事務所のホームページにおいて賃上げ促進税制の改正について記載させて
頂いていますが、今回は中小企業に向けた賃上げ促進税制の改正についてより詳しくご紹介いたします。

賃上げ促進税制とは、会社が新規雇用者の採用を行う事や従業員に対して昇給を行う事により雇用者全体の
給与等支給額が前年度と比較して増加した場合、増加した金額の合計額に一定の割合を掛けたものを、
その年の法人税額から税額控除が出来る制度となります。

従来の賃上げ促進税制とは、資本金1億円以下の中小企業や個人事業主におきましては、

①雇用者全体の給与総額が前期比で1.5%以上賃上げを行えば賃上げした金額の15%を税額控除、
更に前年比で2.5%以上賃上げした場合、賃上げした金額の30%を税額控除。


②また税額控除率の上乗せとして教育訓練費の額が前年比で10%以上増加している場合は、
教育訓練費の額の10%を更に税額控除。

①と②を併用する事が可能であるため最大で40%の税額控除が可能となります。

ここからは今回の税制改正で強化された点になります。

中小企業においては、①上乗せ措置の拡充による最大控除率の引き上げが実施されます。
また、②上乗せ措置の要件が変更、③赤字企業へのインセンティブとして5年間の繰越税額控除制度が
創設されます。

①上乗せ措置の拡充による最大控除率の引き上げ

上乗せ措置の項目が追加され、最大控除税率は40%から45%へ拡大されました。

女性活躍、子育て支援に取り組む事で厚生労働大臣からくるみんやえるぼし2段階目以上という認定を
受けると5%の税額控除が更に上乗せされます。

くるみんやえるぼしとは、女性が活躍出来る職場環境に取り組む企業を認定する制度となります。

仕事と子育ての両立が出来るような職場環境を整備した企業が都道府県の労働局への申請を行えば
厚生労働大臣の認定が受けられます。

但し税額控除には上限が設けられています。
最大で法人税額の20%までという制限がございますのでご注意ください。


②上乗せ措置の要件の変更

従来の要件では、教育訓練費の増加割合が10%以上増加でしたが、教育訓練費の増加割合が5%以上
かつ教育訓練費が雇用者給与等支給額の0.05%以上と要件が変更されます。

要件が変更されましたが、税額控除率の上乗せは、従来と変更がなく10%となります。


③赤字企業へのインセンティブとして5年間の繰越税額控除制度の創設

賃上げをした中小企業が法人税(個人事業主は所得税)の控除を受けられる賃上げ促進税制に、
繰越控除制度が新設されます。

この改正により、現在は赤字企業である事業者にも、賃上げのメリットが生まれます。

赤字決算により法人税(個人事業主は所得税)が発生しない場合、または、税額控除額が控除限度額を上回り
当期において税額控除が出来ない場合は、その超過した金額について5年間の繰越が可能となります。

なお、税額の繰り越しを活用する場合には、活用する事業年度の雇用者給与等支給額が、前年度の
雇用者給与等支給額を超える必要がございますのでご注意ください。


企業が持続的に成長していくためには、人材確保や従業員のスキルアップは必要不可欠です。

賃上げを行う事や教育訓練費の増加は、従業員のモチベーションアップや企業への満足度向上、
人材確保にも繋がりますし社員研修や勉強会の実施により従業員の大幅なスキルアップが期待出来ます。

このような取り組みを行った際に上記でご説明させて頂きました賃上げ促進税制の
有効活用が可能となりますのでぜひ前向きにご検討ください。



税理士法人 久保田会計事務所では、法人税や所得税等の税務申告だけでなく

相続対策や事業承継のお手伝いや経営コンサルティングを通してお客様の継続と発展を支援致します。


京都で50年間積み重ねた経験が、きっと皆様のお役に立つものと信じております。


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