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令和7年 所得税の基礎控除等の改正と実務的留意点について

2025年04月30日

経営財務部

こんにちは。
税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。

令和7年 所得税の基礎控除等の改正と実務的留意点についてご紹介します。

2025年(令和7年)は、所得税に関する大幅な改正が施行される年となります。

今回の改正は、給与所得者をはじめとする多くの納税者にとって影響が大きく、
特にパート・アルバイトで働く方や扶養家族を持つ世帯には注目すべき内容が盛り込まれています。

具体的には、基礎控除と給与所得控除がそれぞれ10万円引き上げられることにより、
所得税が課されない収入の上限が「103万円」から「123万円」へと大きく緩和されます。

また、新たに「特定親族特別控除」が創設され、大学生など一定の収入を得ている扶養親族を対象に
段階的な控除が可能となります。

さらに、年末調整の取り扱いや、準確定申告時の基礎控除の適用など、
実務上注意が必要なポイントも多く存在します。

今回は、こうした改正の概要をはじめ、具体的な金額や適用時期、実務上の注意点について
詳しくみていきたいと思います。


1.基礎控除の改正
令和7・8年分の所得税において、基礎控除の金額が次のように変更されます。


合計所得金額                            
132万円以下 → 控除額 95万円                  
132万円超  ~  336万円以下 →控除額 88万円     ※令和9年分以後は58万円になります
336万円超  ~  489万円以下 →控除額 68万円                        〃
489万円超  ~  655万円以下 →控除額 63万円                        〃
655万円超  ~ 2,350万円以下 →控除額 58万円
2,350万円超 ~ 2,400万円以下 →控除額 48万円
2,400万円超 ~ 2,450万円以下 →控除額 32万円
2,450万円超 ~ 2,500万円以下 →控除額 16万円
2,500万円超 ~ →控除額 0円


2.給与所得控除の改正
給与所得控除の最低額が、以下のように引き上げられます


区分                                       
【改正前(令和6年)】 最低控除額  55万円
【改正後(令和7年)】 最低控除額 65万円

この改正により、所得税がかからない給与収入の上限は次のようになります。

控除項目                【改正前】                【改正後】
給与所得控除           55万円                       65万円
基礎控除                  48万円                       58万円
合計控除                 103万円                      123万円


2.3の改正により「103万円の壁」「123万円の壁」へ引き上げられ、
給与収入123万円までは所得税が非課税となります。


3.特定親族特別控除の創設
令和7年分以後の所得税において、19歳以上23歳未満の扶養親族で、
合計所得金額が58万円超123万円以下の者について、新たな控除が適用されます。

控除額は、親族の所得に応じて段階的に減少し、
・所得が85万円以下の場合は最大63万円(所得税)・45万円(住民税)
・所得が123万円に近づくほど控除額は減り、最低で3万円(所得税・住民税)となります。

大学生などがアルバイトで一定の収入を得ても、親の扶養控除が一部維持されやすくなります。


4. 配偶者控除・配偶者特別控除の取扱い
令和7年の改正により、配偶者控除・配偶者特別控除に直接的な金額の変更はありませんが、
基礎控除や給与所得控除の引き上げと合わせて、控除の適用判定に影響があります。

・配偶者控除の対象となるためには、配偶者の合計所得金額が48万円以下(給与収入103万円以下)
であることが条件です。

・一方、配偶者特別控除は、配偶者の所得が48万円超~133万円以下で段階的に控除が適用されます。

今回の基礎控除・給与所得控除の引き上げにより、給与収入ベースでの非課税枠が
123万円に拡大することで、配偶者自身が税負担なく働ける範囲が広がる一方、
扶養控除の適用判定においても再確認が必要です。

事業主・担当者にとっては、改正内容を踏まえた控除額の適用条件や、
源泉徴収簿の記載内容に注意する必要があります。


5.年末調整における適用時期と注意点
令和7年分について給与所得者の場合は、原則、年末調整で改正制度が適用されますが、
令和7年12月1日前後の給与支払により、控除額の適用が異なります。

※ 源泉徴収税額表の改正は令和8年からの給与に適用されるため、令和7年中の調整には注意が必要です。

11月30日以前に支払われた給与:【改正前】の控除額を適用。
                              (基礎控除48万円、給与所得控除55万円)

12月 1日以降に支払われた給与:【改正後】の控除額を適用。
                              (基礎控除58万円、給与所得控除65万円)

また、11月30日以前に準確定申告を行った際には、同日後に更正の請求によって改正制度を
適用することになります。

なお、この改正については令和7年12月1日施行され、令和7年分以後の所得税について適用されますので、
令和7年11月までの源泉徴収事務には変更は生じません。

参考:国税庁HP https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm#a-01

いかがでしたでしょうか。

税制改正により、家計の税負担が軽減される可能性があります。

特に年末調整や扶養控除の判定に関しては、適切な対応を行うことが大切になりますので、
改正内容を正しく把握しておく必要があるかと思います。





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