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価格交渉促進月間
2025年07月02日

こんにちは。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。
価格交渉促進月間(2025年3月)フォローアップ調査結果が6月20日に中小企業庁から発表されました。
そこで、価格交渉促進月間とは何か及びフォローアップ調査を概観し、中小企業が今後発注側企業に
どのように対応していくべきかについて考察したいと思います。
1.価格交渉促進月間とは
原材料費やエネルギー費、労務費等が上昇する中、多くの中小企業が価格交渉・価格転嫁できる
環境整備のため、2021年9月より毎年9月と3月を「価格交渉促進月間」と設定し、中小企業庁及び
公正取引委員会が相談窓口を設け指導を強化する月と位置付けられています。
2025年3月で8回目となります。
2.価格交渉促進月間フォローアップ調査
価格交渉促進月間の成果を確認するため、各「月間」の終了後、価格交渉・価格転嫁の実施状況について、
中小企業に対して「①アンケート調査、②下請Gメンによるヒアリング」を実施し、必要に応じて
経済産業大臣名での指導・助言等に繋げて行くことを目的としています。
3.調査結果概観
■価格転嫁の状況①【コスト全般】
・コスト全体の価格転嫁率は、52.4%(昨年9月49.7%)
・「一部でも転嫁できた」割合は、83.1%(昨年9月79.9%)
・「転嫁できなかった」「マイナスとなった」割合は、16.9%(昨年9月20.1%)
価格転嫁の状況は改善しているが、引き続き転嫁できない企業と二極分離の状態にあり、
転嫁が困難な企業への対策が重要であるとしている。
■価格転嫁の状況②【コスト要素別】
・労務費の転嫁率は、48.6%(昨年9月44.7%)と上昇しているものの、原材料費の転嫁率54.5%
(昨年9月51.4%)と比較して約6ポイント低い水準にある。
・エネルギー費の転嫁率も、47.8%(昨年9月44.4%)と上昇しているものの、
コスト全般の転嫁率より低い水準にある。
労務費指針や、原材料費・エネルギー費の全額転嫁を目指す旨の「受託中小企業振興法」に基づく
「振興基準」等を引き続き周知していく必要があるとしている。
■価格転嫁に関する発注側企業による説明
・価格交渉が行われたものの、全額の転嫁には至らなかった企業(全体の41.9%)のうち
「発注側企業から説明はあったものの、納得できるものではなかった」または
「発注側企業からの説明はなかった」とする回答が38.2%(昨年9月39.6%)ありました。
発注側企業に対し、価格交渉の場の設定のみならず、価格に関する十分な説明も求めていく必要が
あるとしている。
また、価格交渉協議において、必要な説明または情報の提供をしない、一方的な価格決定を禁止する
「中小受託取引適正化法」の周知を徹底していく必要があるとしている。
※詳しくは、
「https://www.meti.go.jp/press/2025/06/20250620003/20250620003.html」
をご覧下さい。
4.今後の対応
今後も物価高騰(原材料費・エネルギー費・輸送費等)や労務費の上昇は続くものと予測できます。
放っておくと利益が圧迫され、経営が立ち行かなくなる可能性もあります。
また、下請企業の中には、受注が切られるのを恐れて、当初取り決めした納入価格で
取引を続けている企業も見受けられます。
①先ずは自社が提供している、商品・製品・サービスにどれだけのコスト
(原材料費・労務費・設備費・エネルギー費・輸送費等々)が掛かっているかを把握する。
大企業が実施している個別原価計算は難しいかも知れませんが、製品・サービスごとのコストは
算定できると思います。
②適正利益を算定する。
③自社の強み(品質・技術・多品種・小ロット・短納期等々)を再認識する。
④発注側企業にとって自社が必要であることを共有する。即ち、「下請企業」という認識から、
「パートナーシップ企業」であるという意識を社内外に醸成する。
当事務所ではこのようなこともサポートしています。ご興味のある方は是非お声かけ下さい。
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