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インボイス制度経過措置の見直しについて
2026年05月20日
こんにちは。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。
インボイス制度(適格請求書保存方式)がスタートして以降、多くの企業や個人事業主が
その実務対応に追われてきました。
当初のスケジュールでは、「免税事業者からの仕入れでも80%控除できる期間」が
2026年(令和8年)9月末で終了し、同年10月からは「50%控除」へ一気に引き下げられる予定でした。
しかし、急激な負担増を抑え、取引への影響を最小限にとどめるため、令和8年度税制改正において
この経過措置が見直されることとなりました。
今回は、実務に携わる方が必ず押さえておきたい「新しい経過措置のスケジュール」と、
今後の企業間取引への影響について解説します。
(そもそもインボイスの「経過措置」とは?)
インボイス制度では、原則として「適格請求書(インボイス)」がないと仕入税額控除ができません。
つまり、インボイスを発行できない免税事業者から仕入れをすると、買い手側の消費税負担が
増えてしまう仕組みです。
これを段階的に移行させるために設けられたのが「経過措置」です。
これまでは、免税事業者からの仕入れであっても、一定の期間は以下の割合で
仕入税額控除が可能とされていました。
2023年10月1日 〜 2026年9月30日:80%控除
2026年10月1日 〜 2029年9月30日:50%控除
(改正後の「新スケジュール」)
今回の税制改正により、2026年10月からの「50%控除」への急激な引き下げが緩和され、
新たに「70%控除」の期間が新設されることになりました。
新しい段階的移行のスケジュールは以下の通りです。
改正後の仕入税額控除の割合
〜 2026年9月30日 80%控除
2026年10月1日 〜 2028年9月30日 70%控除
2028年10月1日 〜 2030年9月30日 50%控除
2030年10月1日 〜 2031年9月30日 30%控除
2031年10月1日 〜 0%(完全終了)
このように、終了時期自体も当初の予定(2029年9月末まで)から2031年9月末までと、
全体として2年延長される形となりました。
(実務への影響と企業が取るべき対応)
この改正により、買い手側(課税事業者)にとっては「急激な税負担の増加」が
一時的に和らぐことになります。
しかし、実務上は以下の点に留意が必要です。
① 会計ソフトや基幹システムの改修・設定変更
2026年10月1日を境に、免税事業者からの仕入れに対する消費税計算を「80%」から「70%」へと
切り替える必要があります。
システムが自動アップデートされるか、手動での設定変更が必要か、事前にベンダーへ確認しておきましょう。
② 取引先(免税事業者)との価格交渉・関係性
「50%に下がるから」という理由で2026年秋に価格交渉やインボイス登録の催促を予定していた企業は、
スケジュール(70%への緩和)を踏まえた再検討が必要です。
激変緩和措置が延びたことで、取引先に対して「インボイス登録への移行期間」をより柔軟に
提示できるようになります。
③ 「3割特例」など売り手側の負担軽減も継続へ
免税事業者からインボイス発行事業者に転換した事業者が使える、いわゆる
「2割特例(売上税額の2割を納税する特例)」についても、今後は「3割特例」などへと形を変えつつ、
負担軽減措置が継続される方向です。
免税事業者の側も、焦って登録するべきか、特例を使いながら移行すべきか、
じっくり選択する猶予が生まれました。
今回のインボイス経過措置の見直しは、現場の混乱や取引排除のリスクを考慮した「一歩踏みとどまった緩和策」
と言えます。
税負担の増加スピードが緩やかになりましたが、「段階的に控除割合が減少し、最終的にはゼロになる」
というゴール自体は変わっていません。
企業としては、この猶予期間を活用し、社内の経理フローの再点検や、免税事業者である取引先との
丁寧なコミュニケーションを進めていくことが重要です。
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