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令和9年分所得税の青色申告特別控除の改正について
2026年07月29日
こんにちは。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。
国税庁が5月にリーフレット
「簡易簿記による10万円の青色申告特別控除を適用している皆様へ」を公表しました。
令和8年度改正により、令和9年分以後の所得税から不動産所得と事業所得の10万円控除の要件が
変更されるものとなっております。
また、10万円控除の条件の改正の他に75万円の控除についても追加されました。
【簡易簿記による10万円控除の見直し】
具体的な内容として
「10万円の青色申告特別控除の対象者から、その年において不動産所得又は事業所得を
生ずべき事業を営む者で、これらの所得に係る取引を簡易な簿記の方法により記録しているもののうち、
その年に前々年分の不動産所得又は事業所得に係る収入金額が1,000万円を超える者は
10万円の青色申告特別控除が適用出来なくなる」ものとなります。
つまり2年前の不動産又は事業所得の収入が1,000万円を超える者で簡易な簿記の方法により
記録している者は10万円控除が適用できなくなるということです。
令和9年分の確定申告時に令和7年分の不動産所得等に係る収入金額が1,000万円を超える者で、
令和9年分を簡易な簿記の方法で記録している場合10万円の青色申告特別控除が適用出来なくなり、
青色申告特別控除が0円となるということになります。
これは簡易な簿記の方法により記録している者が一度1,000万円を超えたら持続的に
10万円控除が出来なくなるものではなく、毎年の申告においてその年の前々年の収入金額が
1,000万円を超えているかを判定することとなります。
そのため、消費税の2期前の判定と同様に収入金額を継続的に管理する必要があります。
この改正は不動産所得の業務的規模の方は対象外となります。
業務的規模とは事業的規模に満たない小規模な運営形態をいいます。
そのため不動産所得の業務的規模のものであれば簡易な簿記の方法でも10万円控除は可能となります。
不動産所得の規模の判定として形式基準の5棟10室を満たすか、もしくは実質基準より
社会通念上事業といい得る場合は事業的規模と判断され、それより小さいものとなると
業務的規模となります。
【75万円控除の見直し】
改正前における青色申告特別控除の最高額の65万円控除は、複式簿記にて記録したものを提出し、
①e-Taxを使用して提出する、②優良な電子帳簿保存を行っているか、
③送受信・保存の要件を満たす電子取引データを保存し、一般の電子帳簿保存をおこなっていることの
3点のいずれかを満たす場合に控除が受ける事が出来ていました。
改正後は複式簿記にて記録したものをe-Taxを使用して提出を行った場合は65万円控除、
これに加えて①優良な電子帳簿保存を行っていること、
②送受信・保存の要件を満たす電子取引データを保存し、一般の電子帳簿保存をおこなっていることの
2点のいずれかを満たす場合は75万円の控除が受けられることとなりました。
一方改正前は複式簿記にて記録したものをe-Taxを使用せず提出した場合は55万円の控除が
受けられていましたが、改正後は10万円控除となります。
以下、改正前後の一覧となります。
改正前
・10万円控除...簡易簿記にて記帳した確定申告書を提出
・55万円控除...複式簿記 (貸借対照表、損益計算書および所得の金額の明細書を添付) にて記帳した
確定申告書を提出
・65万円控除...複式簿記にて記帳した確定申告書を提出
以下のいずれかを満たす
①e-Taxを使用して提出する
②優良な電子帳簿保存を行っているか
③送受信・保存の要件を満たす電子取引データを保存し、一般の電子帳簿保存をおこなっていること
改正後
・0円...その年の前々年分の不動産・事業の収入金額が1,000万円を超えるものが
簡易簿記にて記帳した確定申告書を提出した場合
・10万円...以下のいずれか
①簡易簿記にて記帳した確定申告書を提出 (0円控除に該当するものを除く)
②複式簿記 (貸借対照表、損益計算書および所得の金額の明細書を添付)
にて記帳した確定申告書を提出 (65万円控除又は75万円控除に該当する者は除く)
・65万円...複式簿記にて記帳した確定申告書をe-Taxを使用して提出
・75万円...複式簿記にて記帳した確定申告書をe-Taxを使用して提出
以下のいずれかを満たす
①優良な電子帳簿保存を行っているか
②送受信・保存の要件を満たす電子取引データを保存し、一般の電子帳簿保存をおこなっていること
令和9年分の所得税からの改正となりますので確定申告書の作成自体は再来年となります。
現状の帳簿の作成方法や申告方法の確認、今後どのように申告を進めていくか早めの確認をおすすめします。
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