
KUBOTAX BLOG
- HOME
- KUBOTAX BLOG
- 国税庁の次世代システム「KSK2」について
国税庁の次世代システム「KSK2」について
2026年07月01日
こんにちは。税理士法人 久保田会計事務所 経営財務部です。
今回は、今年の秋に新しく入れ替わる国税庁の次世代システム「KSK2」についてご紹介します。
【KSKとは】
KSKとは「国税総合管理システム」の略称で、国税庁、国税局、税務署をネットワークで結び、
申告・納税に関する情報を一元的に管理するためのシステムです。
これまで申告書や各種資料情報をもとに、税務行政の効率化と適正な課税・徴収を支える重要な役割を
担ってきました。
全国の税務情報を整理し、税務行政を横断的に管理することを目的として導入されたこのシステムは、
1989年から準備が始まりました。1995年に一部の税務署で試行配備された後、段階的に拡大され、
2001年に全国導入が完了しています。
KSKが導入される前は、税務情報の管理や処理が分散的で税務署ごとの業務に依存する面が大きかったと
考えられますが、導入後は全国の国税局や税務署がネットワークで結ばれ、申告・納税・滞納・調査に
関する情報を一元的に確認しやすくなりました。
結果として税務行政の効率化や情報共有の迅速化が進み、国税庁全体としての管理体制が
大きく変わったといえます。
【KSKの問題点】
KSKは長期間にわたって運用されてきたシステムであるため、時代の変化に伴っていくつかの課題も
見えてきました。
代表的なものとしては、税目ごとに情報が分かれやすいこと、紙ベースの運用が一定程度残っていたこと、
そしてシステム基盤そのものが老朽化していたことが挙げられます。
また、税務行政では申告情報だけでなく、資料情報や他の税目との整合性も重要になりますが、
従来の仕組みではそうした情報を横断的に扱うには一定の手間がかかっていました。
そのため、税務調査や事後確認の場面でも、必要な情報をその場で十分に活用しにくいという側面が
あったと考えられます。
さらに、システムの構造上、柔軟な改修や新しい技術の取り込みにも制約がありました。
現在は電子申告や電子保存の普及、データ連携の高度化など、税務実務を取り巻く環境が
大きく変化しているため、従来型の仕組みだけでは対応しきれない部分が出てきたといえます。
こうした背景が、今回の「KSK2」への刷新へとつながっています。
【KSK2とは】
KSK2とは、従来のKSKを全面的に見直した次世代の国税総合管理システムで、令和8年9月24日に
現在のKSKから入れ替わることが予定されています。
「税務行政をよりデータ中心にし、紙中心の処理から脱却していくこと」を大きなコンセプトに
掲げています。
具体的には、AI-OCRなどを活用して申告書や資料情報を高精度にデータ化し、より広く、より柔軟に
情報を扱える仕組みが目指されています。
これにより、これまで税目ごとに分断されがちだった情報を横断的に確認しやすくなり、
税務行政の分析力や処理能力を飛躍的に高めることが期待されています。
また、KSK2は単なるシステム更新に留まらず、税務行政の在り方そのものを見直す意味合いも
持っています。
国税庁が保有する膨大な情報をより効率的に扱い、調査・徴収・照会といった各業務を
高度化するための基盤として位置づけられていると考えられます。
今後の税務行政は、情報を単に「保管する」だけでなく、「つなげて活用する」方向へ
さらに進化していくことが想定されます。
【納税者に与える影響】
納税者の立場から見ると、KSK2の導入によって申告内容の整合性や証憑管理の重要性が
これまで以上に高まる可能性があります。
特に、複数の税目で申告・提出を行っている場合、税目ごとの数字が合っているかだけでなく、
全体として矛盾がないかという「横のつながり」が見られやすくなると考えられます。
たとえば、法人の売上計上と消費税の処理、役員報酬と所得税の関係、経費や外注費の扱いなど、
これまでも注意が必要だった論点について、税目横断での確認がより容易になります。
以前ご紹介した弊所ブログ(※)にもある通り、既に国税庁においても
「AIを活用した予測モデルにより調査必要度の高い法人を抽出し、予測モデルが判定した
不正パターンに加え、申告書や国税組織が保有する様々な資料情報等を併せて分析・検討した後、
調査官が調査実施の要否を最終的に判断しています。
調査官の知見にAIの分析結果を組み合わせることにより、効率的で精度の高い調査を実施しています。」
と、データ化された情報とAIを用いて税務調査の対象先抽出やお尋ねを行っていることがわかります。
(※)令和6事務年度 法人税等の調査事績の概要について
https://www.kubotax.com/blog/2025/12/post-1129.html
そのため、申告書を作成する際には単に各税目の数字を合わせるだけでなく、取引全体の流れや
説明可能性(客観的な根拠)まで意識することが大切になります。
税理士法人 久保田会計事務所では、法人税や所得税等の税務申告だけでなく
相続対策や事業承継のお手伝いや経営コンサルティングを通してお客様の継続と発展を支援致します。
京都で50年間積み重ねた経験が、きっと皆様のお役に立つものと信じております。
地下鉄丸太町駅より徒歩一分、税理士法人 久保田会計事務所に何でも御相談下さい。
お待ちしております。
(免責事項)
当サイトに記載した情報については、十分な検討・確認作業を行っておりますが、その情報の正確性・完全性についての保証をするものではございません。
平日 9:00 ~ 17:30



